2015年1月31日土曜日

ハゲタカに気を付けろ

©Ancestry Images


ここでは、回復への道を歩み始めてまだ日の浅い人に向けて、特に気を付けてもらいたいことを書こうと思う。 


サイコパス人間に虐げられた後のあなたは、生傷もあらわで、非常に危なっかしい状態にある。
一度壊れてしまった自分をこれから取り戻していくわけだが、身も心もボロボロで、惨めで、怒りに震えていることだろう。
あまりの衝撃に、崩壊寸前かもしれない。



おそらく、あなたは自分の感情を押し殺すことには慣れっこのはずだ。
自分のことは自分で、が普通にできる人ではないだろうか。
だが、今回ばかりは少し勝手が違う。
身ぐるみはがされ、無防備な立場に置かれてしまったのが、今のあなたである。
乳飲み子のように頼りなく、誰か---誰でもいいから---助けに来て欲しい、そして、自分の思いをわかって欲しい、と、泣き叫びたいほどである。




一般的に、自分の感情を隠さずに、オープンにすることは大切だ、と考えられている。
だが、今のあなたのように、極度にもろく崩れやすい状態にある人が同じようなことをやってしまうと、知らず知らずのうちに次の虐待を招き入れてしまうことになりかねない。


サイコパス人間の被害を逃れた人々が、ますます病的な人々を磁石のように吸い寄せてしまうという、この現象。
実は、不思議でも何でもない。
あなたは、興奮冷めやらぬといった感じで被害者としての体験談を語り始める。 その話に「うんうん。それ、わかる。」と真っ先に食らいつくのは、誰よりも早く、誰よりも親身な振りをしてしっかりと聞き耳を立てる、という類の人々だ。


ここが問題である。
そうした人達は、本当にあなたのことを第一に考え、話を聞いてくれているとは限らないからだ。
残念だが、延々と何時間も体験談に付き合ってくれる人達の中に、あなたの回復を心から願い、支援してくれる人などほとんどいない。


ハゲタカは、最初はこの上なく親切で、あたたかい人の顔をして近付いて来る。 あなたを治してあげたい、悩みを引き受けてあげたい、と言わんばかりに、辛かった頃の思い出話も熱心に聞いてくれる。


だが、やがてあなたは愕然とする。
「しまった、またあの悪夢の再来か」と。




【参考記事:140弱みや悩みを聞きだしてばら撒く
「モラハラ資料」さんのHP http://mora110.blog.fc2.com/より

<a href="http://mora110.blog.fc2.com/blog-entry-140.html" target="_blank">140弱みや悩みを聞きだしてばら撒く<a>
ハゲタカは、いらぬお節介や、ありがた迷惑な行為でもって、あなたをじわじわと追い詰める。絶え間ない賞賛と関心とを要求してくるが、あなたからの反論には一切耳を貸さない。
他人の不幸話を食い物とし、「私/僕を見て!」という飽くなき承認欲求を抱えて生きる人種。それがハゲタカだ。


少しずつあなたが幸せを取り戻すのに比例し、ハゲタカの敵意も徐々に明らかになってくる。あなたが立ち直れば、それだけ彼らの世界も揺さぶられる。だから、ハゲタカとしては、このままずっと共依存の状態を引きずって行きたい。
自分以外の誰かに援助を求めるなどという勝手な振る舞いは、断じて許すわけにはいかない。

【訳注:「共依存」(Wikipedia「共依存」の項より引用)

共依存(きょういそん、きょういぞん、Co-dependency)とは、自分と特定の相手がその関係性に過剰に依存しており、その人間関係に囚われている関係への嗜癖状態(アディクション)を指す。すなわち、「人を世話・介護することへの依存」「愛情という名の支配」である。 
共依存者は、相手から依存されることに無意識のうちに自己の存在価値を見出し、そして相手をコントロールし自分の望む行動を取らせることで、自信の心の平安を保とうとする。】


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この相手は病気なのか。病気でないのか。
そんなことはどうでもいい。
ただ、あれだけの災厄から逃れられたばかりなのに、またもや有毒廃棄物のような人間に引っ掛かるだなんて、あなたとしても真っ平ごめん、であろう。



僕は、被害者のみなさんに声を大にして訴えたい。
少なくとも、数ヶ月の間は新しい友人関係や交際関係を結ぼうだなんて思わない方がいい、と。
あなたはもう少し先に進まねばならない。
「もう、サイコパス人間の話なんてしなくたって、大丈夫。」
「あいつの話は、もう、いいや。」
---このレベルに到達してもらいたいのである。


もし、本当に誰かの助けが必要な時は、プロの心理療法家やセラピスト、回復のためのサポートグループやサービスだけを頼るようにして欲しい。
そうした立場の人々は、あなたが潜り抜けてきた悪夢がどんなだったかをよく分かっているし、力になりたい、というその言葉に嘘は無いかどうか、なんて、くよくよ悩まなくても済む。
...頼るべきは、下心とは無縁の人達、だ。


確かに、外へ出て、新しい人間関係を模索したくてたまらない、という気持ちはあるだろう。それは僕にだって理解できる。
ただ、あなたはこれから真っ更な状態から人生を建て直そうとしているのだ。
ならば、もっと心優しく、嘘偽りの無い、正真正銘の友人に恵まれたい、とは思わないだろうか。


大丈夫。きっと、そうなる。


真の友人というものは、心理療法家の代わりは務めてくれない。
だが、「その気持ち、わかるなー」とか、「あなたのことが心配で...」などと、だらだら善人アピールするような事もしないものだ。
試しに、その手の人達の言うことと、実際の行動とが一致しているかどうか、少し観察してみるといい。


(以上3枚、©123RF)


ワンランク上の健全な人間関係を築き上げていきたいのであれば、一朝一夕にというわけにはいかない。どうしても時間はかかる。
まず、長年の癖を捨て去り、新しい習慣を定着させていく。
直観力をも高めていかねばならない。
そうこうしているうちに、あなたがこの世界から何を手に入れたいのかがだんだん見えて来るようになる。
一歩一歩、必要なステップを踏んで進んでいこう。

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