2016年11月18日金曜日

ガスライティングと投影

ガスライティングとは、サイコパス人間が事実を歪曲するために用いる手口のひとつ。
些細な嘘や、ちょっとした悪事をきっかけとして始まる場合が多い。
他人を動かして、何らかの反応を引き出したい。
そう彼らが思った瞬間、ガスライティングの幕が切って落とされる。


【参考記事1:「ガスライティングって何?」(NAVERまとめ)  
https://matome.naver.jp/odai/2142976416137264801 】

サイコパスの被害者には、人一倍おおらかで、のんびりした性格の人が多いという。
相手の仕掛けた罠にもすぐには反応せず、できるだけ長く状況を見守ろうとする。
あなたもきっとそのタイプではなかろうか。


いくらあなたが辛抱強いとはいえ、いつかは我慢の限界に到達するはずだ。重い口を開かざるを得なくなる時も訪れる。
これ、サイコパス人間にとっては待ちに待った瞬間だ。
この時を境にして、奴らはあなたとの間の時系列を勝手に書き換えるか、もしくは実際にあった出来事を「そんなことは無かった」と一蹴するか、のいずれかの行動へと出るだろう。
サイコパス人間の言葉に現実把握能力をじわじわと蝕まれていくあなた。
気は確かか。自分はまともなのか。それすらも次第に怪しくなっていく。


普通、ガスライティングは誰が見ても明らかな虐待行為であるようには見えないものだ。きわめて単純な行為、例えば、口では「これをやる」と言っておきながら、実際は全く別のことをするといった、いわゆる「言行不一致」。これもガスライティングの一種である。


あなたが交際相手から「今、フィットネスクラブに向かっているところ」とのメッセージを受け取った、と仮定しよう。
だが、実際は他の友人とレストランに行っていた。
あなたはそれを後になって知ることとなる。


一体、何のためにそんな嘘を?
「みんなで食事に行くことになった」と言えばそれで済むのに、なぜそう言わなかったのだろう?


付き合いが浅い頃だったら、「フィットネスクラブの件は結局どういうことだったの」とあなたから何気なく相手に尋ね、相手もそれに応えて適当な言い訳を取り繕うことで、どうにか一件落着となるはずだ。
だが、あなたへの接し方が冷酷非情になっていくにつれて、相手は自分の発言内容すら否定するようになる。「フィットネスクラブに行くだって?言った記憶すらないよ」と。
いくらあなたが「言ったじゃない!」と反論し、その時交わされた会話を再現しようと試みてみても徒労に終わるだろう。
なにしろ相手からは、
「いちいち細かすぎるんだよ、君は」
「イラつくなあ、もう」
と、あなたを悪者扱いする言葉しか返って来ないのだから。
Copyright: 123RF Stock Photo
http://www.123rf.com/profile_oppdowngalon

この「いちいち細かすぎる」という言葉。
相手がこれを口にしたら、今、まさにガスライティングが進行中であると疑っても構わない。実際、ガスライティングというのは「細かすぎる」言葉の応酬から成り立っているのだから。


フィットネスクラブに行こうという計画が、たまたま繁華街での食事へと化けた。そんなことに、いちいち目くじら立てなくたっていいじゃないか?大したことじゃないだろう?
確かに大したことじゃない。
...それがごく普通の人間同士の関係だったとしたら。


サイコパス人間相手の場合、話は全く違ってくる。
つかなくてもいい場所で嘘をつくということが、ほぼ毎日のように繰り返される。
バカバカしい上に不毛きわまりない彼らとの押し問答に毎回毎回引きずり込まれているうちに、あなたはまるで妄想癖に取りつかれた探偵にでもなってしまったかのような気さえしてくる。


もし、あなたが本物の探偵よろしく、相手に真実を突き付けた(LINEでのやり取りや、Eメールなど)としよう。
まず、サイコパス人間は一切の接触を絶つという方法で、あなたを罰しにかかってくる。
そして、以前やり取りした内容をねじ曲げ、
「ひどいのはそっちの被害妄想だろう。頭、おかしいんじゃないの?」
と、全てをあなたのせいにしてくるはずだ。


次第に相手の言うがままに思い込まされていく、あなた。


<<...ああそうか、おかしいのは自分の方だった...。
この人と別れるのが嫌だったら、裏表の無いオープンなやり取りは厳禁、という暗黙のルールにこっちが従わなければならないんだな...。>>


全く、まともな頭の持ち主ならば理解に苦しむようなプロセスである。


そこで、われわれのHPを管理している主要メンバーの一人・Smitten Kitten(HN)に登場してもらい、一体何が起こっているのかをわかりやすく、筋道立てて説明してもらうとしよう。



「サイコパス人間は、自分の行動をあなたの上に投影し、『お前が悪い』と非難します。自分が世界一ネガティブな人間であることを棚に上げて、『ネガティブなのはお前だ』って相手を罵るんですよね。
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この「ガスライティング」も、彼らの言い分をあなたに「信じ込ませ」るという、サイコパス人間が得意とする技の一つです。
付き合っている相手にあそこまでひどい仕打ちをされたのだから、あなたがああした反応に出るのも仕方が無かろう、といった状況であっても、彼らによると全て「お前が悪い」。
そして、逆切れする。
しかも、自分がやった悪行三昧に関しては、知らぬ存ぜぬを貫きます。


罰として与えられた音信不通。
反故にされた約束。
嘘。
浮気。
相手からの度重なるひどい仕打ちに怒り、傷ついたあなたは、だんだんと『やっぱり悪いのは自分なのかも』と思い込むようになってしまうんですね。


『どうして正直に言ってくれないの』と相手に直接詰め寄ったところで、返ってくるのは『神経質な奴だ』『あら探ししてばかりじゃないか』『ネガティブなことしか言わないよな』と、あなたを逆に異常者扱いするようなセリフだけ。


要は、全ての言動が『あなたを洗脳する』という大きなプロセスの一環なんですよ。
不適切で許しがたい、そして明らかに虐待レベルの暴挙に出ておいて、いざとなったら事態をくるりとひっくり返し、悪いのは全てあなたのせいにする。
何の罪もないあなたをわざと苦しめておきながら、自分には一切非は無い、と身の潔白を主張する。
悪いのは全部そっちだ、とあなたを犯人扱いする。


相手がそのような態度を崩さないため、あなたは実際に起こってすらいない出来事に対し、責めは全て自分が負わねばならない、という気持ちにさせられてしまうのです。


いいですか。ここ、何度も読み返してくださいね。
あまりにもむちゃくちゃですよね。呆れちゃいますよね?


こうした仕打ちも、あいつらにしてみれば「別れを前にしてのプレゼント」なんですよ。そろそろ切り時かな、という雰囲気になり、崩壊寸前のあなたとの関係を振り返ってみて、うまくいかなかったのは全部あなたのせいだ、と、責任をなすり付けようという魂胆なんです。
もっとも、最初っからうまくいく可能性なんてゼロだったんですけどね。


あなたは何度も自問自答するに違いありません。
【もし、自分が違う行動を取ってさえいたら、全てがうまく行っていたかもしれないのに...。】と。


かつての「愛情爆弾(love-bombing)」の段階で体験したようなあの、キラキラと光り輝くような前向きな生き方、そして無邪気だけど、どこかおめでたい、あの頃の世界観を手放ささずに、何が何でも死守していれば...
(その段階が過ぎ去るやいなや、嘘に次ぐ嘘、そして虐待に次ぐ虐待があなたの上に襲い掛かってきたんですけどね。)

【参考記事2:「作りものだった『ソウルメイト』:理想化【1】
https://sayonara-psychopath.blogspot.com/2015/02/1.html 】


・・・ひょっとしたら、今でも相手との仲が順調に続いていたんじゃないだろうか?
相手の話のつじつまが合わないこと、手紙の内容が嘘だったことを、あなたの方から問い詰めさえしなければ...。
(「そんな手紙、送っていない」と、相手はあくまでもシラを切り通しましたけどね。)


もし、あなたが相手の言う通りにして、余計な事を言わずに黙ってさえいれば...。
(相手への不信感を裏付けるような確固たる証拠、どう転んでも見落としようが無いほど大量に見つかったじゃないですか。それもあなたのすぐ、目の前で。もう忘れてしまったのでしょうか。
そもそも、その証拠にしたって、相手があなたの出方を探りたいがために、わざわざ目立つように置かれていましたよね。)

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http://www.123rf.com/profile_osons

ちょっと待ってください。

いいですか。
あなたが相手の言う通りに行動したとしても、遅かれ早かれ、相手はあなたに飽きていたはずですよ。


いつまで経ってもからくりに気付かない鈍感なあなたに、もしくは毅然とした態度で立ち向かって来ないあなたに、どっちにしても飽きが来て、気持ちが冷めてしまっていたはずです。


だから、奴らは何かをでっちあげずにはいられないんですよ。
あることないことでっち上げ、それを丸ごと全部、あなたを責めるための口実として使う。
で、自分は何一つ間違ったことはしていない、と図々しく居直り。
何かしらのドラマを作り出し、人間関係に波風立てずにはいられないんですよ。
どうあがいてみようと、何を言おうと、サイコパス人間が相手では、あなたに勝ち目はありません。


負けたのはそっちだ...
そうあなたに信じ込ませようと必死になっている彼らの方こそ、実は本当の意味での敗者なんですけどね。」

("Psychopath Free <Expanded Edition>", Jackson MacKenzie, Berkley, 2015, pp.51-55)


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