2015年2月10日火曜日

作りものだった「ソウルメイト」: 理想化【1】

サイコパス人間のもたらす災いのうち、もっとも人目に付きにくいがゆえに危険が察知されにくい部分。
それは、アップダウンの激しい、彼ら特有の人間関係のサイクルだろう。


サイコパス人間は、無防備な被害者から少しずつその人らしさを奪っていくばかりか、その一部始終をとくと見物しては狂おしい程の喜びに浸る。
冷酷非情。全てが計画通りに進む行為。
まさに心の強姦(レイプ)だ。




  まずは丹念に身づくろい(グルーミング)から


grooming 旭山動物園のサル from Flickr via Wylio
© 2007 Kazue Asano, Flickr | CC-BY | via Wylio

サイコパス人間は、あなたを調教し、完璧なパートナーへと仕立て上げることを目論んでいる。 だから、出会いから数週間もしないうちに全生活を乗っ取られてしまうのも無理はない。やがてあなたは、未だかつて経験したことが無い程の快楽に溺れ、身も心も何もかも奪われていく。


いずれはあなたの方が、彼らに対し絶え間なく崇拝や賞賛を送り続ける役割を一手に引き受けることになる。
だから、彼らとしてはまず、あなたをしっかりと恋の虜(とりこ)にし、逃がさないようにすることを最優先するわけだ。


一度のぼせ上がってしまったら最後、あなたの心は相手から何を提案されようと、易々と受け入れ、相手の意向に従うようになってしまうだろう。
これらのプロセスを、【理想化】・【間接的な説得話法】・【試し行為】 という3つの要素に分解して見ていくことにしよう。


【理想化】

サイコパス人間との「理想化」段階は、あなたにとって「こんなこと、生まれて初めて!」という驚きの連続だろう。
あなたは瞬く間に足元をすくわれる。
そして、心・魂・身体と、あらゆるレベルで情熱の炎を燃え上がらせてくれるような強烈な恋物語に、全てを投げ打つ。


朝、起きてまず一番に考えるのは愛するあの人のこと。
そろそろ、一日のスタートを飾ってくれる恒例のメッセージが届くはず。
あの人ったら、いつも、読むと元気が出て、思わず笑っちゃうような気の利いた一言を送ってくれるのよね...。


気が付けば、あなたの頭は「あの人」と自分が築く夢のような将来のことでいっぱい。 退屈な目の前の現実なんて、視界にも入らない。そんなもの、今となってはどうでもよくなってしまったようだ。
...あの人。
残りの人生を、あの人以外の誰かと共にするなんて、もう、とても考えられない。



こうしたドラマがあなたの心を舞台に展開される一方で、サイコパス人間の頭は全く別のことで一杯になっている。


「よし、いいぞ。作戦通りだ。」


サイコパス人間が表に見せる顔と、心の中で思っている内容とが一致していることなど、絶対にあり得ない。
あなたをじっくりと観察し、あなたが表す心の動きをそのままおうむ返しにする。
ただ、このビッグウェーブに二人一緒に乗って楽しんでいるかのような「ふり」をしているだけだ。


なぜ、そんなふりをするのかって?
乗る波が高ければ高いほど、落ちる時の落ち方もそれだけ派手で、見応えたっぷりの演目となるから---だ。

Muniz pro surfer from Flickr via Wylio
© 2011 SayLuiiiis, Flickr | CC-BY-SA | via Wylio


【理想化】というこのプロセスは、サイコパス人間が相手を「身づくろい(グルーミング)」していく上での、最初の一歩となる。
 「愛情爆弾投下(love-bombing)」の別名でも知られる、この【理想化】段階を経ていくうちに、あなたの警戒心はいとも簡単に崩れ落ち、心の扉は開けっ放し、出入り自由の状態となる。


Love Actually from Flickr via Wylio
© 2009 Nehuén Mingote Kisler, Flickr | CC-BY | via Wylio


そればかりではない。相手からの【理想化】を集中的に受けることで、あなたの脳内化学物質には変化が生じる。
その結果、フィーバー状態となった快楽中枢への依存度をますます高めるあなたは、快楽中毒状態へと陥ってしまう。


有り余る程のお世辞と褒め言葉を浴びせかけることで、サイコパス人間はあなたの最も深いところに眠っていた虚栄心や弱みを起こしてしまった。
...自分でも気付いていなかったような脆い部分が、目覚めたのだ。


彼らがあなたに絶え間なく注ぐ賞賛や関心は、さまざまなルートでやって来る。
電話。フェイスブックのタイムラインへの投稿。Eメールの受信箱...などなど。

Texting from Flickr via Wylio
© 2009 Michele Ursino, Flickr | CC-BY-SA | via Wylio

数週間もしないうちに、あなたと相手との間には、二人にしか通じないジョークが生まれ、お互いを愛称で呼び合うようになり、へんてこな歌の数々が交わされるようになるだろう。
今振り返ってみれば、何てバカバカしい、と、あなたは思うだろう。だが、自分がその真っ只中にいた頃は、相手無しの人生なんて、想像することすらできなかったのだ。


では、サイコパス人間は、どのような手口を使うのだろうか。


プレゼントや詩を次から次へと贈って来るのは、半ばお約束のようなものだ。


【参考記事:「世話を焼く、悩み相談が好き、物を贈る自己愛性人格障害」
推薦リンクのひとつ・モラハラ資料さんのHP http://mora110.blog.fc2.com/ より。】



彼らは、これ以外にもさまざまな洗脳テクニックを駆使しながら、あなたの心をむしばんでいく。



その中でも、この【理想化】の段階で特によく用いられるセリフがある。
彼らがあなたとの会話で、さかんに印象付けようとする6つのポイント、次にご紹介しよう。

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