史上最凶最悪のナルシシスト(自己愛人間)①

原文はこちらの記事です。

https://www.mindbodygreen.com/wc/dr-perpetua-neo

筆者は、イギリス人の若き臨床心理学者でコーチングの専門家でもある、Dr Perpetua Neo パーペチュア・ネオ(博士、臨床心理学)






(な、なんか既視感...😅 中国人ピアニストのラン・ランと似てない?)
http://langlangfoundation.org/about-foundation/who-we-are/lang-lang/


昔、私はある男と付き合っていた。


「ハイヒール履くなんて。自分に自信が無いんだろ」と私に言い放ち、「俺の言う通りにすれば『今風』の髪型になるよ」と自分の意見ばかり押し付けてくる。


それでいて、自分は「救世主」なんだ、「趣味の良い男」なんだ、と天狗になっていた。


頭の中で警報がガンガン鳴り響くのに気付いた私は、すぐさまその男から逃げた。危機一髪で助かって良かった。


自らの自己愛を包み隠そうともせず、堂々と表に出す【顕示型の自己愛人間(overt narcissists)】。
はたまた、繊細でシャイな内向型のふりをする【隠れ自己愛人間(covert narcissists)】。
これら二つのタイプについてはよく話題にも上るし、どこかで耳にする機会も多い。


だが、今回ここで私がみなさんに知ってもらいたいのは、より危険な類のナルシシスト/自己愛人間だ。


それが、

「スピリチュアル・ナルシシスト/スピ系自己愛」

という人種である。


その男から逃げる少し前のこと。
彼は私の顔を見て、にやにやしながらこう言った。


「君が何を言おうと、誰も信じないからね。僕はスピリチュアルなんだから。慈善団体で働いているんだから。」


確かに、第一印象は「スピリチュアルな人」といった感じの男だ。


それまでは「きっと過去にいろいろあって、まだ傷が癒えずに残っているのだろうな」と彼の言うこと為すこと全てをいい方に解釈していた。
だが、この瞬間、今までの謎が一気に氷解したような思いがした。


道理で今一つしっくりと来ないような、うさん臭い部分があったわけだ。


その後、いろいろな女性から別れた恋人、友人、職場の同僚にまつわる体験談を聞いた。
スピリチュアルな要素を私利私欲のために悪用する、とんでもなく不届きな奴らが本当にこの世には存在するんだ...。
私はここでようやく学んだ。


彼女らが語る、不届きな奴らの共通点。それは、

「正直で親切だという外向きのイメージでもって人を釣る。 
その後、密室で二人きりになるやいなや、感じの良い外向きアピールとは真逆のひどい言動に出る。 
こいつらに騙されたことで、自分たちはさんざん利用され、心をメチャクチャにされて、とにかくひどい目にあった。」

ってこと。


女性たちは口を揃えて言う。

「予備知識に勝る自衛策無し」

と。


私も全く同感だ。
もっと早くに、誰かがスピリチュアル・ナルシシスト(スピ系自己愛)について話してくれて、「こういうとんでもない奴らがいるよー、気を付けなさいよー」と教えてくれればよかったのに、とすら思えてしまう。



ということで、今これを読んでいるあなたには、次に挙げるような「危険信号」を絶対、見逃さないようにしてもらいたい。



1.相手を傷めつけるような行為(対象は自分・他人両方)をしておきながら、「スピリチュアルな」後付けの説明でもってそれを正当化。


「何お高くとまってるんだよ。ロバートはシャーマン(祈祷師)なんだよ。あいつに治してもらうんだから!」


別れた男は、私に向かってそうわめいた。


ばっかみたい。私は笑わずにはいられなかった。
すると、彼はますます逆上した。


この「ロバート」とは、コカインの売人である。


「ロバート」との待ち合わせに行けそうもない彼の代理として、私が「ロバート」と会うなんて嫌だ、行きたくない、と言ったところ、彼の口からはこの一言が。


「君にはスピリチュアルの価値なんてわからないんだよ」



彼が何度も何度も私のやりたくないことを押し付けようとした。
それを私が断ったからといって、どうして「スピリチュアルでない」人間の烙印を押されなくっちゃいけないのか。
また、彼は私を家族や友人から切り離そうとしていたのだが、それがどうしたら「単に君の人生を救いたいんだ」という理屈へとつながるのか、私にはさっぱり理解できなかった。


別れる前の時期には、「スピリチュアリティ」という言葉が彼の気分に合わせて毎回違った意味で使われているのにもとことん嫌気が差していた。



文化によっては、ある種の薬物・嗜好品が「大人になるための通過儀礼」とみなされる。それは私でも知っている。
まぁ、意識は多少なりとも高まるかもしれない。


しかし、他人に害を及ぼしておきながら
「ハイになってたんだ」
「僕らがこうして一緒にいるのは、スピリチュアルな学びをお互いに深めるためなんだよ」
といった言い訳でごまかして逃げるのはあんまりだ。
もう、ムチャクチャだった。


残念ながら、スピリチュアル共同体の中には、そのような行動がごく当たり前の物として見られるようなところも珍しくない。


私の友人であり、経営者対象のコーチングを専門に行っている臨床心理学者・ジョナサン・マーシャル博士によると、


「リーダーとして人から見上げられる立場にある人ならば、それがどういう人でも 
【自分は特別だから~しても構わない】 
といった特権意識を持つようになる可能性は持っている」


のだそうだ。


その特権意識の中から、ナルシシズム(自己愛)は生じてくる。


誰だって、自分が尊敬する先生は「特別」な人であってほしい。
先生のことは信頼したいと思っている。
それだけに、われわれは自分よりも目上の立場にある人が「おや?」と首をかしげたくなるような行動をした時でも、ついつい許してしまいがちだ。
特に、「スピリチュアル」の名の下に行われた悪行は、えてして見過ごされやすい。


マーシャル博士によると、デビッド・コレシュ【注】はそのいい例だという。彼は「高いエネルギーの波動を移してやるのだ」という口実をつけて、子供たちとの性行為に及んだ。


【※注:デビッド・コレシュ。アメリカのキリスト教系新宗教の一つである、セブンスデーアドベンティストから分派したブランチ・ダビディアン の教祖の座に就任(1990年代)。警察の教団本部への捜査に武力で抵抗し、銃撃戦となった結果、教団の建物が爆発、炎上。教祖コレシュは80人の信者を道連れに自殺した。】


これほど極端なケースはそうそうあるものではないが、でも、事態の深刻さはお分かりいただけたのではないか。



2.いつでもどこでも上から目線。

例の男は、自分がやったことを言い訳しては後で正当化する、ということがしょっちゅうあった。
「僕はもう大人だ、僕はスピリチュアルだ、もうそこまでバカなことはしないさ」。
彼にとって、自分は周りの誰よりも「スピリチュアル」な人間であるというのが自明の理なのだ。
しまいにはこいつ本当にアホだな、と真剣に呆れてしまった。


なのにこの男、米テレビドラマ「SUITS/スーツ」http://www.suits-tv.jp/ を見ていた私のことを、「霊的レベルが低い」とまで言い切っている。


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女性の健康を専門に扱うウェルネスコーチ、フィオレラ・キス=メイジャーも私と同じような経験をしたそうだ。


「人間って、びっくりするほど狂信的になれるのよね。それがISISであろうが、ヴィーガンのコミュニティであろうが、そこで起こるのは似たようなこと。」


いずれの場合も、そうした狂信的人物の頭の中は厳格さ、コントロール、恐怖でいっぱいになっている。


フィオレラは言う。「スピリチュアルな人々の中でも極右・極左といった人々は、コカイン吐き出しているっていうよりも、むしろ【誰が上で誰が下】っていう俗物根性を周囲にまき散らしているように見えるわね。」


私はここでみなさんに一つ言いたい。


それは、


「あなたに非があるのではない。悪いのは、むしろあっちの方だ。」


ということ。これだけは強調しておきたい。


スピリチュアル・コーチのモニーク・ウィリアムズの言い分も聞こう。


「真のスピリチュアリティ(霊性)は、私たち一人一人の世界を進化させてくれるもの。
その進化のことを、『癒し』『成長』とわれわれは呼ぶのだ。」


他人の行動を見て、それが必ずしも自分の希望通りではないというだけで、眉をひそめる。
そういうのは、真のスピリチュアルな振る舞いとは呼べない。


誰かの灯りを消したところで、われわれ自身がより明るく輝くだろうか。
もちろん、そんなこと、絶対にあるわけがない。


私が霊的な事柄の相談に乗ってもらっている恩師からはこう言われた。


「自分が他の誰かによって断罪されたと感じたら、きちんと見分けなさい。
そこで感じた嫌な気持ちは、自分の中に抱えているお荷物から来るものなのか?
それとも、誰か別の人のお荷物から来たものなのか?」


地面を力強く踏みしめて、堂々と宣言してしまおう。

「ちがう!これは私の問題とはまったく関係無い!」と。

②へつづく
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