M・スコット・ペック
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集団の力学ーーーー依存心とナルシシズム
人間は、ストレスを受けたときに退行するだけでなく、集団環境のなかにおいても退行を見せるものである。
これが信じられないというのであれば、ライオンズ・クラブの集会やカレッジの同窓会【注①】を見ればうなずけるはずである。
【注】英語原文を参照していないので間違っているかもしれませんが、この「同窓会」という訳語は文脈から判断して「フラターニティfraternity(※男性のみ)」「ソロリティ sorority(※女性のみ)」という、独特の組織を指している、と考えて差支えないと思います。
北米の有名大学に19世紀頃から綿々と受け継がれてきた、その大学で学ぶ学生限定のロータリー・クラブやライオンズ・クラブ、と考えればわかりやすいかも。加入にあたっては、審査があります。一定の条件を満たしていないと仲間になることはできません。
日本で似ているものを探すとすれば、戦前の旧制高校で見られたような独特なエリート意識や連帯感をはぐくんでいた「寮生活」になるでしょうか。
この退行のひとつの現れとして、リーダーにたいする依存心という事象があげられる。
これは驚くほど明白に現れる。
たがいに知らない人たちの小集団ーーーたとえば十数人程度のグループーーーが集ったときに、まず最初に何が起こるかといえば、そのなかの一人か二人の人間がすばやくグループのリーダー役を買って出ることである。
これは、意識的に選ぶといった合理的過程を経て行われるわけではない。
ごく自然なかたちでーーー自然発生的、無意識的にーーー起こるものである。
なぜ、こうしたことがすばやく、しかも容易におこなわれるのであろうか。
その原因のひとつとしてあげられるのが、いうまでもなく、ほかの人たちにくらべてリーダー役に適している人間、あるいは、リーダーになりたいという欲求の強い人間がいるということである。
しかし、これとは逆の、より基本的な原因もある。
つまり、大半の人たちは、リーダーとなるよりはむしろ追随者となることを好むという事実である。
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これは、何よりもまず、怠惰の問題として考えることができる。
人に従うことは容易なことである。
指導者となるよりは追随者となるほうがはるかに楽なことである。
複雑な決定を下すにあたって苦悩したり、前もって計画を立てたり、率先して物事を行ったり、不評を買う危険を冒したり、あるいは勇気をふるったりする必要がないからである。
追随者の役割を演じるということは、子供の役を演じることである。
成人した人間は、個人としては船長であり、自分の運命を決定する支配者である。
ところが、追随者としての役割を演じているときには、
自分の支配力、つまり、自分自身にたいする権威、意思決定者としての自分の成熟性を
指導者に譲り渡してしまう。
子供が親を頼りにするように、リーダーにたいする心理的依存が生じる。
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こうして、普通の人は、いったん集団の一員となるや、たちまちにして情動的退行【注②】を引き起こす。
(M. スコット・ペック著「平気でうそをつく人たちーーー虚偽と邪悪の心理学」、森英明訳、草思社文庫、2011、pp. 375-377 )
【注②】Wikipedia、「防衛機制の分類」より。
退行(Regression)- 耐え難い事態に直面したとき、現在の自分より幼い時期の発達段階に戻ること。
以前の未熟な段階の低次な行動をしたり、未分化な思考や表現様式となる。不安な時に他人の話を鵜呑みにしやすくなったりするのも退行の一種だが、これは「取り入れ」をよく用いる発達段階に戻ったことでおこる現象である。
退行には「病的退行」以外にも「治療的退行」、「創造的退行(健康的退行)」などがある。病的退行は持続的な機能の低下を起こさせるが、治療的退行は治療を施したことにより表出する、一時的、可逆的な現象である。
※引用者より一言。
フロイト派、ユング派などの流れを汲む心理療法の専門家は、一時的に「親的な役割」を引き受けることで意図的にクライアントをこの退行へと誘い、そこで治癒力が発動するように働きかけるる...ということをしますね。
治療者が善意の人であるという前提付きですが、このような目的での退行の使い方には特に問題はありません。
「治りたい」というクライアントの希望とも一致しますから。
ただ、スピ系自己愛指導者は、そうした退行のメカニズムを悪用して生徒を自分の下に隷属させようとするんですよ。
自分を無条件に信頼する生徒さんたちを集めて、文字通り「無防備な子供の状態へと陥れる」ことで予めその批判力を削ぎ、違う意見を唱えようとする自由意志を奪うのです。
「自分たちだけではやっていけない。だから、何としても尊師(グル)の助言や監督が必要だ」
「おそばに置いてもらっているだけでもいいんだ」
「これからもずっと応援します」
といった「子供返り」の人々に特徴的な態度を表明した生徒/信者は、無抵抗の状態へと徐々に誘導されていく。
そして、いつの間にか牧場の家畜のような飼育状態=精神的軟禁状態へと追い込まれていく...。
まさにこれこそがスピ系自己愛の指導者が使う
「信者囲い込みテクニック」
なのです。
れっきとした
洗脳
です。
気が付いた時はもう手遅れかもしれませんよ。
同じ家畜仲間との間には既にいろいろなしがらみや、互いをけん制しようとする暗黙の力が働いていて、そのスピスピ牧場からおいそれとは簡単に脱出できないようになってしまいましたから。
全ては【スピリチュアル・ナルシシスト(スピ系自己愛)】な指導者が意図的に仕組んだのですけどね。
あいつらのやることなすことは全てが計算と打算の産物です。
「偶然」「うっかり」はありません。
口先ではキレイゴトばかり並べて自分のやったことを正当化するでしょうが、最終的にどういう結果が出たかに注目しましょう。
スピ系自己愛指導者以外の誰かが幸せになったり、満足が得られたりしたでしょうか?
(答はどちらも"NO!!!"のはずです。)
そこんところ、しっかりと目を開いて判断してください。
自己愛的な「スピリチュアル指導者」を見抜けなかった私
http://sayonara-psychopath.blogspot.com/p/blog-page.html
【隠れ自己愛人間】。...知ってた?
http://sayonara-psychopath.blogspot.com/p/blog-page_7.html
スピ系自己愛~肥大するエゴ【前編】
http://sayonara-psychopath.blogspot.com/p/will-and-spirit-isil-will-and-spirit-2-d.html
スピ系自己愛~肥大するエゴ【後編】
http://sayonara-psychopath.blogspot.com/p/6-neo-paganism-httpsja.html
史上最凶最悪のナルシシスト(自己愛人間)①
http://sayonara-psychopath.blogspot.com/p/blog-page_13.html
史上最凶最悪のナルシシスト(自己愛人間)②
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