2015年5月8日金曜日

気が付けば、被告席に

あなたが関わり合いになった相手が、サイコパス人間だったとしよう。
ある時を境にして、特にこれといった理由も無いのにあなたを悪者扱いし、責め立てるようになることは、間違い無い。
特に、相手の「危険信号」にあなたが気付き、おぼろげながらもその正体を掴み始めた時などには、殊さらに激しく攻撃してくる。


罵倒し、侮辱する言葉の数々。
目的は、ずばり、あなたを追い詰めて、被告人扱いすることだ。
一体何のために?


実はこれ、案外、単純なことなのだ。
そもそも、自らの行いを弁護する人というのは、外見上「悪いことをした人」として映るもの。
嘘か真かはさておくとしても、残念ながらそう解釈するのが世間のならわしである。
こうした風潮の犠牲となって、人生をめちゃめちゃに狂わされた人は、決して少なくない。


例えば、ある男性が婦女暴行の罪に問われたとする。
何とか身の潔白は証明したものの、一旦着せられた汚名はその後もなかなか拭い去れない...といったことが実際起こる。
無罪。有罪。どうでもいいのだ、そんなことは。
もはや、誰も彼のことを信用しなくなってしまったのだから。


上の例と同様に、サイコパス人間もやはり、根も葉も無い話を捏造しては、周りに触れ回るということをする。
はっと気付いた時、あなたは全く身に覚えの無い罪を着せられ、被告人の立場へと追いやられている。


さすがにここまでされては、あなただって言い返さないわけにはいかない。だって、あなたの名誉が今、この場でずたずたに汚され、貶められているのだから。
その場にいない第三者に抗弁するのは無理だとしても、せめてあなたを愛している「はず」の、目の前にいるパートナーに対しては、言うべきことは言わねばならない。



かくして、あなたは躍起になって「悪いのはあの人たちの方だ」と言うための証拠探しに取り掛かる。
サイコパス人間の狙い通り、自滅へ向けての第一歩を踏み出してしまったとも知らずに。


連中はそんなあなたを尻目に、「お手並み拝見。」とばかりにどっかりと腰を下ろして、これから始まるショーの見物にいそしむ。
そして、殺気立った被害者のあなたを平然と指差しては、「あーあ。またやってるよ、あの哀れな、頭のおかしい奴が...。」とさげすむ。



要するに、この連中はあなたの怒りに火を付けたくって、さかんに煽ってくるんだ。カッカしているあなたの言動を冷静な口調でもって指摘し、揚げ足を取っては、「ほら、だから言ったじゃないか。」と、自らの正しさを証明しようとする。

【参考記事】
モラル・ハラスメント―人を傷つけずにはいられないモラル・ハラスメント―人を傷つけずにはいられないposted with amazlet at 15.05.08
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 「...被害者が憎しみを見せれば、加害者は喜ぶことになる。それによって、加害者は自分の行為を正当化できることになるからだ。
『こちらが相手を憎んでいるんじゃない。相手がこちらを憎んでいるんだ!』」
(p.258)


誰だって、否定的な事を聞かされるのは好きじゃない。
特に、その否定的な物言いの矛先が自分の好きな人に向けられた場合、不愉快な気持ちとなるのはごく自然なことだろう。


もしかしたら嘘をついているのはサイコパス人間の方ではないか、とうすうす感づいているあなた。
この際、関係する人達には、ぜひとも事の真相を知ってもらわなくてはいけない。
とはいうものの、あなたが口を開けば出てくるのは否定的な言葉ばかり、とあって、今ひとつ説得力を欠いているのも事実だ。


「違う、嘘つきは、あっち!証拠だってあるし!」
「あの人達がグルになって私を騙したんだってば。
ほら、証拠はあるんだから!」
「過去の元カレ/元カノ10人だって同じ目に遭ったんだから。証拠ならあるぞ!」


実は、誰も証拠なんて気にしちゃいない。どうでもいいのだ。
周囲の人々にとっては、あなたが単なる執着心と嫉妬心に囚われてしまっているようにしか映らない。
皆、サイコパス人間による調教を経験済みだから、あっさりとそうした見方に同調してしまう。


自分の事を弁護ばかりしているあなたに「被告人」の印象がつきまとうのは仕方の無いことである。
一方、あなたの怒りを煽り立てた後、サイコパス人間は涼しい顔で舞台脇へと退き、「俺、悪くないから」「私、何もしていない」の態度を決め込む。
繰り返し言うが、あなたがどれほど苦労しようと、彼らの所業を白日の下にさらすことなど、到底不可能だろう。

©123RF

これだけは覚えていてもらいたい。
「自分は間違っていない」と自己弁護すればするほど、周囲の印象は悪くなる、というのが世の常だ。
時として、"Less is more" (少なければ少ないほど良い)が正解の場合があるが、これはまさしくそんなケースと言える。


サイコパス人間が、信じられないようなレベルの悪口でもってあなたを貶めにかかってくる。
もし、そのような誹謗中傷を受けたとしても、自分ならば100点満点の答え方で返すことができるさ、なんて、まさか考えたりはしていないだろうね?
そう、もちろん、あいつらはあなたがどう反応するか、何もかもお見通しさ。というか、ちゃんと狙い通りの答えが返って来るように計算した上で、罵詈雑言をぶつけてくるのだ。


あなたが一番大事にしている物や事柄。
あいつらが狙い撃ちするのは、そこだ。
さすがのあなたでも、一番大事なものを叩かれたら、黙っちゃいられない。普段にも増して、熱くなって応戦せずにはいられないはずだ。
連中は、そこまで見通してやっているんだよ。


©123RF 

だから、見誤らないことだ。
..あいつらが行動する時には、背後に必ず何らかの意図がある。


あなたをゴタゴタに巻き込むのに最も簡単な方法、何だか知っているかい?
サイコパスの奴等が自ら手を下しておきながら、「お前がやっただろう」「あなたがやったわね」と、罪をあなたに被せて、非難する。
たったそれだけでいいんだ。


あいつらの偽善的な化けの皮を剥ぐなんて、あなたにとっては何でもないことかもしれない。
むしろ、簡単過ぎて拍子抜けするぐらいだ。
だが、実はそこが問題だ。
..簡単過ぎて、逆に危ない。


でも、なぜそこまで簡単なのかって?


【罠】だからさ。


あんなゴミのような糞発言なんて、完璧に切り返してさっさと相手を黙らせてしまえばいいのに、と思うかもしれない。
でも、ゴミ発言はゴミとして扱うべき理由が、ちゃんとあるのだ。
相手からの挑発には乗ってはいけない。



サイコパス人間は、あなたのことを追い詰め、被告人席へと追いやることしか考えていない。
周囲の人々、そしてサイコパス本人に対し、「私は悪くありません!」と声高にアピールするような、弱い被告人の役柄を押し付けたいだけなのだ。


もし、彼らが仕掛けた餌にうっかりと引っ掛かり、捕まってしまったら、おしまいである。
まんまと奴等の仕掛けた罠にはまったことを意味するのだから。

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