2018年12月21日金曜日

自爆モード~共感力豊かな人々の最終兵器~

自爆モード~共感力豊かな人々の最終兵器~

【自爆モード】。
これ、人の気持ちに寄り添うのが上手な人、つまり「共感力豊かな人」のほとんどには生まれながらにして標準装備されているんじゃないかと思う。


悪化する一方の人間関係を修復したくて、全力を尽くした。
だが、結局どうすることもできなかった...。
そんな時にスイッチON!となるのが、この【自爆モード】。
(まぁ、あれ以上努力したとしても、遅かれ早かれ行き詰まっただろうね。今ならわかるけど。)


では【自爆モード】の4段階、順番に説明していこう。


1.尽くし過ぎ

あなたは周りで起きる物事や身近な人々のことが気になって仕方がない。そこで、持ち前の共感力を発揮し、なんとかして彼らの気持ちに寄り添ってあげようと、精一杯頑張る。


新しく出会った人には、できるだけのことをしてあげよう、と出血大サービス。
できれば愛情と感謝というリターンが得られればうれしいんだけどな...と、ひそかな期待を抱きながら。


だが、いざ蓋を開けてみると、集まったのは少々訳あり物件といった感じの人ばかり。
彼らの尻拭いに忙殺されたため、予想以上に多くの時間とエネルギーとを奪われてしまう。


「別にそこまで気が合う人ではないけれど...」
それはわかっている。
とはいえ、今更縁を切るわけにもいかない。
「あんな人たちなんかのために、どうして...」と後々ひどく悔やむことになっても、時既に遅し、なのだ。


「この人/この状況に私が寄り添ってあげれば、きっと良い方向へと向かうはず。」
どうやら、あなたは妙な使命感のようなものに取り憑かれてしまったようだ。


2.怒り

気が付いたら周囲には「満ち足りる」という言葉の意味さえ理解できないような人々ばかりが群がっていた。
その痛々しい事実、まだあなたは直視できずにいるかもしれないね。
どいつもこいつも恩知らずばかり。
あなたがどれほど尽くしてやったところで、それ相応の見返りなんてあるわけもない。
これまで自分がしてきたことが全くもって無意味だった、と気付いたあなた。目の粗いザルで必死に水をすくおうとしていたようなものだ。
ようやくここで目が覚めた。


「あれほど一所懸命に助けてやったのに...」
今までの努力は一体何だったのだろう。
ついに怒りが爆発する。
そして、過去の自分、世間に見せてきた「表向きの顔」に対しても宣戦布告を突き付ける。
もう「いい人」を演じるのは懲り懲りだ。
これ以上いいようにこき使われてたまるもんか。


だが、その怒りも少々度が過ぎてしまったようだ。
殺気立った言動ばかり繰り返すあなたにうんざりした友人が、一人、また一人...と、遠ざかっていった。


3.孤独

夢と希望を大切にする人なら誰でも、一人静かに過ごす時期を人生のどこかで必ず持つことになる。
それも、かなりの長い間。


はじめは心地悪いなんてものじゃないだろう。
誰かに認めてもらえないと「自分は価値ある人間だ」との実感が持てない。だから、物心ついてから今までずっと、他人からの評価にすがりつくようにして生き永らえてきた。
そのような承認欲求の強い人にとって、人生初の一人ぼっちで過ごす時間はただただ辛く、しんどいものでしかないだろう。


やがて、この「一人の時間」は徐々に「楽しみの時間」へとその性質を変えていく。


人間って、他人からの反応を意識している間は、自分の内側に目を向けたり、悩み事や心の葛藤にがっちりと正面から向き合ったり、といったことにはなかなか気が回らないものなんだ。


唯一頼れるのは自分自身の判断だけ。
それが大いに推奨されるこの時期は、人生有数の、またとないチャンスだ。
やり方さえ間違わなければ、あなた自身の本当の姿が発見できると思うよ。


というのも、僕らにはどうしても「孤独な、一人きりの時間」が必要なんだ。
孤独な時間が無ければ、自分自身の立て直し作業などできやしない。
闇世界の使者のようなあいつとの出会いによって全消去されてしまった自分を、これから一つ一つ作り直していかなければならないのだ。
この際、もう一度ゼロからスタートするつもりで気合い入れていこうじゃないか。


4・バランス

1、2、3、と順を追って読んでもらえば、キーワードのようなものがおぼろげながらも浮かんで来ると思う。
あなたも既に気付いているんじゃないかな。


そう。
大切なのは「健全なバランス感覚」なんだよ。




いくら身近な人々だからといって、その意見にいちいち同調しなくたっていいし、気持ちの上で寄り添ってやる必要だって特に無いんだ。
共感力は誰彼構わず発揮すればいい、ってもんじゃない。
あなたの信頼と親切心を受けるにふさわしい人たち...つまり、受けた恩にはきちんと報いる、という作法を心得た人たち...のためだけに大事に取っておけばいいよ。
で、ここぞ!という時だけに使えばいいのさ。


そして、「いいようにこき使われたくない」からといって、何も強面(こわもて)をして横柄に振舞う必要など無いからね。
私にだって自尊心(self-respect)はあるのだ、と他人にはっきりと伝えたければ、生き方にそれを語らせればいいだけのことだ。
「自分自身を大切にする(respect)」という生き方でもってメッセージを発信すればいいんだ。


最後にもう一つ。
「これ以上傷つくのは嫌だ」との理由で、世間から引きこもり続ける必要も全く無いからね。
世の中に善良な人は大勢いる。
しかるべきやり方に則って古い自分をとことん破壊し、過去をすっきりさっぱり清算できたら、その時はあなたも不思議なことで満ち満ちたこの世界へ戻ってこれるよ。
再び世界の一員となって、活動できるようになる。


とにかく、健全なバランス感覚を見失わないことだよね。
それさえ注意すれば、本来あなたに備わっていた数々の資質は新たなる「才能」へとさらに高められ、華麗なる再デビューを果たしてくれるはずだ。
頼もしい助っ人となってあなたのことを終生支えてくれることだろう。


読者の中には、この【自爆モード】のスイッチに触れるのが恐ろしくて、何年間も、何十年間もひたすら逃げ続けてきた、問題を避けて来た...という人もいるかもしれない。


確かに逃げたくなるのもわかる。
だって、スイッチひとつで「ドッカーン!」と自分が破壊されるんだよ。
大地震並みの激しい揺れと、大混乱といった極度の精神的ストレスに嫌でもさらされることになるんだよ。
気乗りしなくて当たり前だよね。


だけど、あなたのように豊かな共感力を持つ人が本気で救われたいと願うのであれば、最終的にこの【自爆】というルート以外の選択肢は他に無いんだ。
辛い旅路になるだろう。
でも、自分の足で一歩一歩前に進むことによって僕らの中に「バウンダリー(境界線)」というものが少しずつ出来上がっていくのだから、どうしてもここを避けて通るわけにはいかない。


道は険しく、長い。
それでも黙って歩き続けていれば、やがて目の前の世界は再びその輝きを取り戻してくる。
以前とはまた違う角度から世界を眺められるようになる。
世界の素晴らしさにあっと驚かされ、そして感動にうち震える日だっていつか必ずやって来る。
せめてそれくらいのご褒美は許されていいよね。
さんざんな目に遭いながらも、多少は賢くなって無事に生還できたのだから。


2018年12月14日金曜日

感情は後から遅れてやって来る~猛烈な怒り・抑うつ状態~

感情は後から遅れてやって来る

症状:猛烈な怒り。抑うつ状態。極度の嫉妬心。考えが次から次へと湧き起こる。憎悪。加虐者に接触したいとの気持ちが抑えられない。


さて、 サイコパスの化けの皮は剥がれた。
覚悟はいいかな。
これから先、不愉快な感情が次々と波のように押し寄せてくるはずだ。
余計な力を抜いて、気楽に構えればいいよ。
どうせすぐには終わらないから。


この段階では、あいつと付き合っていた間に抑圧されていたいろいろな感情がどっと噴き出してくる。
覚えているだろうか。
当時だって、本当は心の奥でさまざまな感情がうごめいていたんだ。
にも関わらず、それら全てが脇へと押しやられてしまった。
二人の間に波風を立てたくないから、というだけの理由で。


だが、そうした負の感情全てが消え失せたわけじゃない。
自分自身への疑い、不安感といった別の姿をとってあなたの中にしつこく居座り、事あるごとにあなたの心をかき乱していたんだよ。



サイコパス・ゲームの種明かしをされてからのあなたは、それこそはらわたが煮えくり返るような気持ちでいるんじゃないだろうか。
だって騙されたのだから。
操られたのだから。
貶められたのだから。


猛烈な怒り  


自分へと向けていた疑いの念は、今や怒りへと置き換えられた。
とうとう真実が白日の下にさらされたからだ。


要するに、あなたはあいつに利用され、手懐けられ、洗脳されたわけだ。 
腹立たしい、などといった生ぬるい言葉ではとてもこの怒りを言い表すことはできない。
できるものなら息の根を止めてやりたいとさえ思う。 
奴の知り合いを片っ端からつかまえて「あの人、こんなひどいことしたんですよ!」と直接ぶちまけたくてたまらない。 
 「地獄へ落ちて黒焦げになれ!」
そんな手紙の一つや二つも書いて、送り付けたくなる。  



友人・家族に会えば、どうしてもあいつとの一件について話をせずにはいられない。
封印しろと言われたって、もう無理というものだ。
もはや心はバースト寸前なのだから。


わかるよ。 
あれほど長い間しゃべるのを禁じられ、ぞんざいに扱われ、踏んだり蹴ったりの毎日を強いられたんだ。
今ようやく自由に声を上げられるようになったというのに、ただ黙っていろだなんて。
あまりにも悔しいよね。 


ただね、不貞行為や嘘といった事実を並べてあいつの非を暴こうとしたところで、その話、間違いなくひっくり返されるよ。 
涼しい顔で「違う。悪いのはそっちの方だ」とあなたの方へ非難の矛先を向けてくるに決まっている。
そうなると、あなたは怒るのも忘れて「やっぱり私が悪かったのかも」と後ろめたい気持ちにさせられるかもしれない。
これではあちらの思うつぼだよ。



以前のあなただったら、認知的不協和にぶつかるたびに必死に怒りを圧し殺していたんじゃないかな。
そうやって自分自身を無理矢理納得させていたのだろうね。


 

だが、今回だけはそうしなかった。 
怒りは怒りと認めて、きちんと表に出した。
あなたもようやくそこまでできるようになったのだ。 


もう一つの遅れて来た感情・嫉妬心についても同じようなことが言える。 


あいつ、どれだけ長い間二股かけていたんだろうね? 
嫉妬心に駆られ、普段のあなたからは考えられないような醜態をさらしたこともあったよね。
あいつ、それさえも自分の都合のいいように利用しただろう? 
「ご愁傷様だね」「気の毒に」など、いかにもいい人といった感じのセリフを連発しながら、新しい相手にすり寄って行ったんじゃないかな。


だからといって、あちらが仕掛けた中傷合戦という罠にはまっては、今までの努力も水の泡となってしまう。

「私、間違っていません!」と、あなたが大声張り上げて必死の訴えをすればする程、ズルズルと深みへとはまり込んで逃れられなくなるよ。


※参考過去記事:【気が付けば、被告席に】https://sayonara-psychopath.blogspot.com/2015/05/blog-post.html


「遅発性」、すなわち後から遅れて生じてきた猛烈な怒り。
サイコパス的な人間関係が終焉を迎えると、必ずと言っていいほど噴き出してくるものだ。 
もっとも、そうした自分の中の怒りに気付き、身体でもって感じられるようになるまでにはある程度の時間が必要だろう。
数か月でその域に達した、という人もいれば、怒りを自覚できるまで数年はかかった、と語る人もいる。人それぞれである、としか言えない。


だけど、その怒りを相手にぶつけるのだけはなんとか思いとどまって欲しい。 
そんなことしたって、何一つ良いことなんて無いのだから。 


とにかく、今は落ち着きを保つこと。 
ちょっとやそっとで動揺しないこと。 
この二つが何よりも大切だ。 


というのも、サイコパス側としては、あなたがカッとなってくれた方がかえって好都合なんだよ。 
「みなさん!この人、頭おかしいですよー!」と大声上げて周囲の人々に拡散する絶好のチャンスだからね。 
...しかも「この人、別れてからもまだ未練たらたらなんですよー!」と、「自分、モテてます」アピールまでできるとあって、まさに一石二鳥。奴にとっては願ったりかなったり、だ。 


あいつはね、あなたとの仲がとっくの昔に終わっているにもかかわらず、再び三角関係に引きずり込んでしまおう、と目論んでいるんだ。 
「ノー・コンタクト(絶縁)」ルールを守るあなたが奴の前から完全に姿を消していようがいまいが、奴にとってはどうでもいいらしい。


まぁ、所詮怒りは怒りでしかないんだよ。やれることには限界がある。


本気で自分を癒したいのなら、怒りという感情は決して切り捨てちゃいけない。回復への重要なカギを握るのが、この怒りの扱い方だと思う。


相手に向かって怒りを爆発させたところで、一体何になるというんだ。
その瞬間だけはスカッとするかもしれないが、長い目で見てそれが永続的な心の平和をもたらしてくれるだろうか。
その可能性はきわめて低そうだ。


だったら、「自分自身を大切にする心/自尊心」をより大きく、より健やかに育て直していくための起爆剤として、怒りという感情を活用すべきじゃないかな。 
怒りのエネルギーを上手く使いこなせるようになってはじめて、僕らは本当の意味で癒されたと言えるのではないだろうか。



そう。 あなたはもっともっと良いもの・良い人間関係に恵まれてしかるべき人なんだ。
ここを理解できたら、あなたの「自尊心」はすくすくと育っていくだろう。 



抑うつ状態 

気持ちが大きく沈み込む。 
かと思えば、今度は腹が立って腹が立って仕方がない。 


二つの状態を振り子のように行ったり来たりする時期はしばらく続くだろう。 
良い日もあるし、悪い日もある。
なんとか気分を安定させようと努めてはみるが、どうもうまくいかない。 


夜、寝る時には「もう大丈夫!次、行くぞ!」と前向きになれたはずなのに、翌朝目を覚ましたら気分は最悪。枕に顔を埋めてわんわんと声を出して大泣きする...。
当分、そのようなパターンが繰り返されるだろう。 


悲しい気分になるのはごめんだ。 
かと言って、怒り狂うというのもどんなものかと思う。 
私、人を好きになったってだけだよね? 
なのに、どうして人を好きになったことでひどい目に遭わなきゃいけないわけ? 


一度こじらせてしまうと、頭の中から加虐者・サイコパスを追い払うのは極めて難しくなる。


街を歩けばカップルの姿が否応なしに目に入る。
あの、失われた恋の日々をどうしても思い出さずにはいられない。 


ラジオのスイッチを入れれば、昔好きだったラブソングばかり流れて来る。それも、次から次へと。


ワイングラスが目の前に来た。どっと涙があふれてしまいそうだ。
泣いたら周りの人からは白い目で見られるだろう。頭ではわかっている。でも...。


やがてあなたは身近な社交の場から身を引き、一人ぼっちになることを覚える。 
唯一の「付き合い」は、ネット掲示板やSNSでのやり取り程度。みんな経験者だけあって、悩みも苦しみも全てわかり合える。その気楽さがうれしい。
一方、現実世界の友人・知人とはますます接点が減っていく。
どうせ彼らに話したところで理解されないに決まっている。話すだけ無駄だ...。


脳内は強迫的な、せわしなく飛び交う思考でもって埋め尽くされる。 
ほんの些細なことにも敏感に反応。
頭の中はカオス状態で、まるで収拾がつかない。 


だが、ここで再び浮上してくるのが「他人との境界線」である。
(もっとも、あなたの場合は「再び」ではなく「生まれて初めて」とするのが正しいのかもしれない。) 



※過去記事:【境界線(バウンダリー)】の発見 https://sayonara-psychopath.blogspot.com/2018/11/blog-post.html


あの頃の自分は、なぜあそこまで卑屈になれたのだろう。 
どれだけ多くのものを失ってしまったことだろう。
おぼろげではあるが、その答えが徐々に見えてくる。 
今頃になってようやく、ではあるけれど。 


...あの邪悪な奴をうっかりと人生に招き入れたことで、どれだけ多くの犠牲を払わされたことか。 
失くしたのは友達だけじゃない。
何もかも失ってしまったじゃないか。 
金も、人生経験も、ささやかな幸福感も、全部。 
たった一人のろくでなしと関わってしまったがために。 


かつてのあなたは、いつも愛ある眼差しをあたたかく世界へと向けているような人だった。 
今や、その眼(まなこ)はかたく閉ざされてしまったかのようにすら見える。 


「相手の言動はとりあえず良い方向に解釈してあげるべき」
性善説に基づく人付き合いを心掛けてきたあなただったが、例の悪夢を境に、他人というものを一切信用しなくなってしまった。 


気が付けばいつもびくびくしている。胸のあたりが締め付けらるようだ。
そんな不快感にあなたも毎日悩まされているんじゃないかな。
...悪魔の長く鋭いかぎ爪でもって心臓をわしづかみにされてしまったかのように、胸が苦しい。
僕らがどれだけしんどい思いをしていたか、ここまで書けば少しは伝わるだろうか。 


いっそ、全てを忘れられればどんなに楽なことか。
だけど悪魔はちょっとやそっとじゃ退散しなさそうだ。
あなたの心の至るところに出没しては、わざわざ辛い過去の記憶を引きずり出す。
そんな嫌がらせを、朝から晩までやっている。


「そう易々とお前を逃してたまるか」とでも言わんばかりに。


2018年12月7日金曜日

知り過ぎたがゆえの闇

知り過ぎたがゆえの闇

サイコパス被害を乗り越えた「サバイバー」の中には
「どんな人にも、少しは良いところがあるはず」
との「性善説」をひたすら信じてきた、と語る人が少なくない。


「無知という名の至福」にやさしく包まれ、まどろみのような心地良い日々を送っていた、かつてのサバイバーたち。
だが、彼らはある日突然、暗くて冷たい奈落の底へと突き落とされた。
サイコパスの登場により、平和な世界は消え去った。


その後あなたは「サイコパス」、そして人間全体の性質について一から学び直すことを余儀なくされる。


とはいえ、この手の話題って、一つ知ったらまた一つ、といった具合にどんどん追究したくなるよね。
あなたも知らず知らずのうちに以前とは比べ物にならないほどに深く、幅広く、人間というものを理解できるようになっていたんじゃないかな。


では、サイコパスはどんな理由で、どんなトリックを用いてあなたをターゲットと定め、そしてまんまと釣り上げることに成功したのだろうか。
もう今ならわかるよね。
・・・弱点をいち早く嗅ぎつけて、そこを狙い撃ち。
「愛情爆弾」で攻めて、一挙に陥落させる。
化学物質依存症にさせて、骨抜き状態にする。
汚い手口の背後に隠した奴の真意だって、今のあなたならば瞬時のうちに見透かせると思うよ。




(Twitterで本ブログを紹介してくださっている「夕下(ゆうした)」さん。いつもありがとうございます。
まだご存知でない読者の方がいらっしゃいましたら、夕下さんのスタイリッシュでキレの良いツイート、ぜひお読みになってみてください。現在進行形で辛い時期を潜り抜けている方、過去を振り返って気持ちの整理をしたい方...とにかくみなさまにお勧めです。力付けられると思いますよ。)

ところが、ここで困った事態が発生する。
奴と関わることではからずも真の邪悪さに触れてしまったあなたが、あたかも闇世界へと入り込み、そこの住人となってしまったかのように思い込んだのだ。
悪に近付き過ぎたがゆえの、一種の副作用なのだろう。


「所詮人間なんてちょろいもの。ちょっとおだてていい気分にさせればいいんだ。それだけで面白いように動くから。」


まさか自分の口からこんなせりふが飛び出すなんて。
これほどにまで自分の心はどす黒く、悪に染められてしまったのだろうか。
そう気付き、あなたはしばし言葉を失う。


心の闇はどこまでも続いていく。終わりは見えない。
どんな物言いをすれば人の心にグサリととどめを刺せるのか。
自らの命を絶つ域にまで追い詰めることができるのか。
そんな物騒なことまで考えるようになってしまったとは。
なんてことだろう。
こんな話題、知らずに済ませられるものならば永遠に知りたくなかった。
一体自分はこの先どこまで堕ちていくのだろう...。


だけど、ここは焦らずに行こう。極論に走らずにね。
大体、あなたはそうした邪悪なたくらみを本気で実行へと移せるだろうか?
もちろん、できっこないさ。
あなたには無理なんだ。


あなたの中には【良心】がしっかりと生きている。
たとえ道を踏み外しかけたとしても、良心が黙っちゃいないだろうね。
あなたをしっかと捕まえて、人の道から外れないようにと全力でブレーキをかけてくれるはずだよ。
サイコパスとあなたとの一番の違いは、まさにそこなんだ。


「でも、ここまで邪悪な知識を豊富に取り込めるのだから、やはり私もあいつ同様サイコパスだった、と考えた方がよいのでは…。」
まだ納得が行かないようだね。


あのね、そもそもあいつの中には良心のかけらすら無いんだよ。
あなたとは明らかに違う。
出発点からしてまるでかけ離れているのだから、外側に表れる行動にしたって同じものに行き着くはずがない。
第一、あなたとサイコパスとを同類扱いする人なんて、誰一人としていやしないよ。


要するに、僕が言いたいのはこういうことさ。

「世間や人間について今まで知らなかったことを知り、裏の裏まで見てしまったからといって、必ずしもその人が邪悪の側に転ぶとは限らない。」


J.K.ローリング【訳注:「ハリー・ポッター」シリーズで有名なイギリスの女性作家】もこう書いている。

「誰だって自分の中に光と闇とを併せ持っている。 
大事なのはどちらの側から行動を起こすかをしっかりと選ぶこと。 
そこに、その人の真の姿が現れる。」

https://www.azquotes.com/quote/512291

 (こちらの本↓からの引用だそうです。)
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上に挙げた言葉は、あなたが以前のような元気を取り戻し「もう大丈夫!」と言える日が来るまで、心の片隅にでも置いておいて欲しい。


人間ならば誰だって、心の奥底に魔物の一匹や二匹、棲まわせていて当たり前だよ。
むしろそうした魔物が全くいない方がおかしい。
...ただ、その魔物をどのように手懐けるかは、われわれ一人一人の選択に委ねられている。
誰かの性質を知りたいと思うなら、その人が「内なる魔物」をどう扱うかを観察すればいい。
そうすれば、その人本来の姿がくっきりと浮かび上がってくるんじゃないかな。


「サイコパシー(精神病質)」など見たことも聞いたこともない。
かつてはあなたにもそんな穏やかな時期があったはず。
何もかもが順風満帆。平和そのものだった。
あの頃の自分を思い出してごらんよ。
人からほめ言葉をもらった途端に、意地悪な気持ちがふつふつと湧いて来て...などといったこと、果たしてあっただろうか?
誰かに親切にしてあげた直後、「こいつ、ひとつ操ってやるかな」という腹黒い考えが頭をよぎったこと、あっただろうか?
何か善いことをしても「見返り目当てでやっただけ。でなけりゃ、バカバカしくてやってられないよ。」と内心思っていたこと、あっただろうか?


僕の読みが正しければ、答えは全てNO!だろう。


あの、邪悪さの権化との接近遭遇さえ避けられていれば、あなた本来の素直さが損なわれることもなかった。
ひょっとしたら今でも当時と変わらぬ無傷の状態を保てていたかもしれない。
だが、そうはならなかった。奴と出会ったからね。
その後あなたが疑心暗鬼へと変貌してしまったのは、結局あいつのせいなんだ。


しつこくなるからそろそろ止めよう。
とにかく、あなたはサイコパスではない。
しかも、サイコパス化したことなど、ただの一度だって無かったのだ。


深く傷ついたあなたの魂も、いつかは完全に癒される日が来るだろう。それが自然の流れだからね。
しばらくの間はバランスを失い、起き上がれない状態が続くかもしれない。
でも、共感能力、そして感情が以前のような活発な動きを見せるようになった暁には、自分の力で自分を立派に立て直せるようになるはずだ。


あいつと一緒にいることで、知らず知らずのうちに
「ほめ言葉や注目は、相手を潰すための武器として使える」
との歪んだ考え方に毒されてしまったのかもしれないね。


ただ、あなたのような人に関して言えば、他人からの賞賛を浴びたり、注目を集めたりすれば多少舞い上がりはしても、それが引き金となってサイコパスへと豹変する、といった展開は全く想像できない。
ごく普通の健全な人々からほめられたり、注目されたりするチャンスはこれからもちょくちょく巡ってくるだろう。
そうなったら今以上に「ほめられ上手」・「受け取り上手」になりたいものだよね。
すぐにはできないだろうけど、少しずつ変えていくといいよ。


まぁ、あんな奴に操り人形同然にされ、さんざんひどい仕打ちを受けたんだ。
もし誰かに好意を寄せられたとしても、今はとても受け止める余裕が無いかもしれない。
優しい言葉をかけられたとしても「何か裏があるんじゃないだろうか、この人。」と、ついつい相手の意図を勘ぐりたくなるだろう。
それはよくわかる。


でも、本来のあなたに似つかわしい好意、賞賛、注目といったポジティブな類のエネルギーが寄せられた時に、不幸せな過去を盾にしていつまでも拒み続けるのって、あまり得策じゃないと思うよ。
いつかはけりを付けるべきなんだ。
でなけりゃ、前には進めない。


そう。
あなたはサイコパスじゃない。
サイコパスどころか、むしろその対極に位置する人だ。
そもそも「私、サイコパスなんだろうか?」と自分を疑うこと自体、あなたが「サイコパスではない」ことを何よりも雄弁に物語っているんだけどね。
ここまで説得力ある証拠、そうそう無いよ。


なぜかって?
本物のサイコパスだったら、自分自身の性質に疑いの目を向け、悶々とする...なんてことはまず、無いからさ。
絶対にあり得ない。