2017年12月19日火曜日

【コラム】サポーター失格

サイコパス人間は薄っぺらいお世辞やほめ言葉を口にするが、それも相手の信頼を勝ち取るまでの短い間だけ。
本当にサポートしてもらいたい、支えが欲しい、という時にはまるであてにならない、そんな連中なのだ。
相談したところで、生返事が返ってくるか、もしくは完全にスルーされるか、が関の山だろう。


付き合いが長くなるにつれて、あなたは少しずつ相手に調教されていく。
そして、「私の気持ちなんて別に大したことじゃない。そんなことで、わざわざあの人を煩わせる必要は無い。」
と考えるようになる。


つらい目に遭った。
病気になった。
パートナーからの支えが一番欲しい、そんな非常時でさえ、自分の気持ちを押し殺すようになってしまう。


「あの人に対しては、ポジティブなほめ言葉以外は絶対に言ってはいけない」
あなたなら、そう察知するまでに長くはかからないだろう。


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そこまで配慮してやったというのに、所詮サイコパスはサイコパスでしかない。
あろうことか、退屈にしびれを切らして新たなターゲットへと走る、という暴挙に出やがった。


要するに、あの連中は人の痛みや苦しみに共感できないんだ。
だから、あなたがどれほど辛い時期を潜り抜けていようがいまいが、思いやりある態度に出るなんて、到底できやしない。
あいつらには荷が重すぎる。


誰かを支えるようなふりをしてみたところで、何をやっても中身が無くて機械的、としか傍目には映らないんだよね。
なにしろ、共感能力がゼロだから。




【参考資料】
「甘えた人間は、他人を傷つけても、自分が傷付けたということに気がつかない。指をしゃぶっている四歳の子どもがわからないのと同じである他人の心の痛みがわかったら、もはやその人は甘えているとはいえない。 

(中略)

甘えた大人が平気で弱い者いじめができるのは、他人の気持ちがわからないからである。この世に存在するのは自分の気持ちだけである。自分の衝動だけを大事にする、というより、甘えた大人には、この世にそれだけしか存在しないのである。 

だから、甘えた大人は他人を平気で傷つけるが、自分が傷ついた時にはヒステリーを起こして騒ぎまくるのである。

(中略)

甘えた人間と甘えていない人間が接触した時、傷つくのは必ず、甘えていないほうの人間である。
(「自分を嫌うな」加藤諦三、三笠書房、1984、pp. 142-146)

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2017年12月17日日曜日

沈黙

沈黙。


本来のあなたの良さを少しずつ蝕(むしば)み、じわじわと傷めつけていくのが、サイコパス人間だ。
この沈黙、奴らにとっては実に使える凶器となり得る。


一見しただけではわかりにくいが、沈黙は「あなたへのお仕置き」という、れっきとしたあなたへの攻撃だ。
表立ってあなたを操る手間暇をかけるまでもない。
ただだんまりを決め込めばそれでいいのだから。
そうすれば、あなたは奴らの意図にかなうように自然と軌道修正していってくれるだろうから。



相手からぱったりと連絡が途絶えた時。
共感力の豊かな人々ほど、焦りもあって、自分を傷めつける方向へと走りがちになる。


「私、何か悪いことしたかな」
「やっぱり自分のせいだろうか」と、自らを責める。


そのような自責的な考え方ばかりしていると、本来のあなたらしさは次第に「削ぎ落」ちていく。
しくじりを恐れて、言いたいことも言えずに萎縮する一方となる。



沈黙を貫き、他人を罰する。
これはれっきとした虐待、それも冷酷非情な虐待行為だ。
被害者は、自分の直観/直感、そしてこれまで真実だと見なしてきたあらゆる物事に対しての宣戦布告を迫られる。
気が付けば、今闘うべき敵は他ならぬ自分自身、という奇妙な立場に被害者は置かれている。


サイコパス人間は、あなたに元々備わっていた良い部分が蝕まれ、充分に弱体化するまでじっと待ち続ける。
もうこいつは逃げないだろうよ、と確信し、絶好のタイミングが到来するのを待って、一気にトドメを刺しに来るんだよ。
何も自分がわざわざ手を下さなくったって、あなたの方で虐待の続きは全部やり遂げてくれるはず。後は黙っていても、どうせあなたは勝手に自滅するだろうから。
...そう考えているはずだ。



あいつらの悪だくみは、主にSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス。FacebookやInstagramが代表例。)が舞台となって行われる。
「何か裏がありそう」と、読む人の心に引っ掛かるような投稿をあちこちにばら撒いて、あなたの被害妄想をさかんに煽り立てるんだ。

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付き合い始めてからの日々を振り返り、記憶を掘り起こそうとすればするほど、後悔と自責の念に苛まれていくあなた。

「どうしてあんな反応に出てしまったのだろう。」
「あんな風に思うなんて。バカだったな、私。」

といった具合に。


真夜中にふと目が覚めた。
「ひょっとして、あの人から連絡来てるかも」
はやる気持ちで、あなたは枕元のケータイへと手を伸ばす。


新着0件。
で、そのままFacebookを開く。

するとそこには、何と、あなたの大切な「あの人」が、友人や元彼女(元彼氏)を相手に、チャットで大いに盛り上がっている、という驚きの光景が繰り広げられていた。


「忙しくて、会えない」は嘘だった。
あなたのことは「スルーしたい」というだけだったのだ。


もちろん、「あの人」があなた一人を相手に延々と、連日連夜おしゃべりに付き合ってくれることは、今後も期待できなさそうだ。
それは、あなたも充分承知している。
付き合い始めて間もない頃は、1時間に1回というすごいペースでメッセージが送られてきた、という時期もあったけどね。
今思うと、夢のような日々だった。


犯罪者、それも執行猶予中の犯罪者になったみたい。
あなたはそう感じているのではないだろうか。
何の罪を犯したのかも一切知らされないままに放置されているのだから。



受動攻撃的【注】な振る舞いが抑えられない人もいるだろう。
どうして急に冷たくなったの、せめて連絡ぐらいくれてもいいじゃない、といった相手への不満を長々とメールに書いてはみるものの、送信はできない。
ずっと下書きフォルダに置いたままだ。

【注:Wikipedia 「受動攻撃行動」の項より。
「受動的攻撃行動(じゅどうてきこうげきこうどう、英語: Passive-aggressive behavior)は、怒りを直接的には表現せず、緘黙や義務のサボタージュ、あるいは抑うつを呈して相手を困らせるなど、意識的無意識的にかかわらず後ろに引くことで他者に反抗する(攻撃する)行動である。」


「もう、私たち、終わりにしない?」
こちらから提案してみようと思い立ってはみるものの、その決心は数時間と持たない。



心を平らかにし、沈着冷静でいなくっちゃいけない。
おかしいことなんて何一つ無い、という姿勢を貫かなくては。
そうすれば、自分を無視し続けるサイコパス人間を出しぬき、優位に立てるはず。
「重たくつきまとう彼女(彼氏)」という印象を与えられずに済む...。



だが、このゲームにおいては、きまって奴らの側に軍配が上がる。


そもそも、あいつらはあなたの関心なんかもはや必要じゃなくなったんだよ。
ーーー既に、新たなる人材を捕獲した可能性が高いのだから。


そう。
サイコパスな交際相手があなたを無視し始めた、何日間も音沙汰が無い。それは「新ターゲットを見つけた」時だと考えて構わない。
仮に、まだこれといった人材を捕まえていないとすれば、あいつらの全努力は依然としてあなた一人へと一極集中しているはずだから。



今やあなたは単なる障害物へと成り下がってしまった。
エキサイティングで目新しい人材をを見つけた今となっては、あなたから寄せられる感情など、ただ鬱陶しいだけ。目の前のホットな恋愛活劇を鈍らせるスピードバンプ(減速帯)のように、邪魔物でしかない。


スピードバンプ。
http://maine.gov/mdot/csdold/images/MHS6a.jpg

まぁ、その辺に関しても、あいつらから口を割ることはないだろうが。


だから当然、あなたが必死に送り続けるメッセージの数々も、一応目を通しはするが、リプライはしないはずだ。
そのうち、「しつこい」「頭おかしい」「重たい」と難癖つけて、あなたへのバッシングを本格的に開始してくるだろう。


電話での対話や直接会って話すことを要求しても断固拒否してくるに違いない。
もっとも、完全にあちら側のペースで事を運べるのであれば、応じることだって無きにしもあらず、だけどね。


もはや、あなたへの虐待は火を見るよりも明らかだ。
奴らはあなたのことを軽蔑している。
それは間違い無い。


だが、ここまでひどく関係が悪化していても、奴らの方からあなたを捨てるつもりは、無い。
少なくとも、この時点では、まだ。


どうやら、お楽しみは温存しておきたいらしい。
この先訪れるであろう「しかるべき時」のために。


2017年12月9日土曜日

【コラム】探偵

嘘つきやマニピュレーター(他人を操る人)と関わり合いになってしまうと、僕たちはどういうわけだか「探偵」の真似事をしてみたくなるらしい。

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でも、それにはちゃんとした理由がある。
僕らの直観が「こいつ、実はかなりヤバい奴だぞ」と告げてくれているから、黙っていられなくなり、ついつい探偵もどきの行動に出たくなるのである。


嘘つきやマニピュレーターって、なぜかどいつもこいつも型で押したように言行不一致な奴、と決まっているんだよね。
少し観察すればわかるよ。
あいつらが口を開けば、出てくるのは言い訳、そして「自分は悪くない、他の奴が悪い」という責任転嫁の言葉ばかり。
話の辻褄さえ合わせられないくせによく言うよな、って思うけど。


あなたにも、あいつらのねじ曲げられた話に混乱させられ、挙句の果てに「嫉妬心が強すぎ」だの、「神経過敏過ぎる」だの、「被害妄想激しい」だの、一方的に決めつけられた経験があるだろう。


だけど、今、こうして一部始終を振り返ってみると、あなたが「頭おかしい」と罵られたのは、決まって【相手の方があなたに嘘をついていた】時ではなかっただろうか。
100%、一つの例外すら無く。


もうわかったよね。
あいつらの口から出た言い訳はどれもこれも、別の詐欺、不貞行為、もしくはついたところで大して役に立ちもしない嘘(ただ楽しいからつく、下らない嘘)を覆い隠すための、単なる出まかせでしかなかった、と。

【参考資料①】
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「ここでモラル・ハラスメントの加害者が相手を不安にさせるためによく使う方法をまとめておこう。 
ーーー政治的な意見や趣味など、相手の考えを嘲弄し、確信を揺るがせる。
ーーー相手に言葉をかけない。
ーーー人前で笑い者にする。
ーーー他人の前で悪口を言う。
ーーー釈明する機会を奪う。
ーーー相手の欠陥をからかう。
ーーー不愉快なほのめかしをしておいて、それがどういうことか説明しない。
ーーー相手の判断力や決定に疑いをさしはさむ。」
 
(「モラル・ハラスメント 人を傷つけずにはいられない」マリー=フランス・イルゴイエンヌ著、高野優訳、紀伊国屋書店、1999、pp. 182-183)

裏工作でじわじわと人を苦しめていく、達人。
それがこの、サイコパス人間という人種だ。


おおらかで楽天的だったかつてのあなたははるか彼方へと消え去り、今では自分のやることなすこと全てにも疑いを向けるような性格へと変えられてしまった。
あいつらのせいだ。
出る気などさらさら無かった借り物競争にいきなり放り込まれ、走らされた。
あの頃のあなたは、そんな心境にあったのではないだろうか。

【参考資料②】 
「モラル・ハラスメントの加害者は相手を不安に陥れ、その考えや感情を疑わせるように仕向ける。その結果、被害者は自分が自分であるという感覚を失い、考えることも理解することもできなくなる。 

加害者の目的は被害者のアイデンティティーを否定して、被害者が身動きできないようにすることだ。こうしておけば、加害者は相手との対立を目に見えないものにし、相手を失わずに攻撃を仕掛けることができる。 

加害者は被害者をいつまでも自分のものにしておくことができるのだ。」 
(イルゴイエンヌ、前掲書、p.183)

2017年12月8日金曜日

【再掲】三角関係という責め苦④

こうした筋書き通りに事が運ぶには、どれだけの計算と計画とが働いているか、考えてみてほしい。


基本的にサイコパスは狡猾で冷酷。
自分が何をしているかはちゃんとわかっているはずだ。
あなたを窮地へと追い込み、「ひょっとして、おかしいのは自分の方かも?」と疑わせようとしているんだよ。
目的達成のために三種類の異なる仮面を使い分けるなど、奴らにとっては朝飯前だ。


彼氏や彼女と別れて間もない頃は、普通の人ならば「新しい交際相手ができた」などと大っぴらに公言したりはしないよね。
何となく後ろめたい気持ちがあるから、しばらくの間は秘密のままにしておくものだ。



だが、サイコパスな奴らはその辺の感覚からして普通じゃない。


さっさと新しい関係へ乗り換えるばかりか「今、新しいパートナーと一緒。とても幸せです!」と、堂々と公式発表することをためらわない。

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しかも驚くのはまだ早いよ。
何と、彼らは、あなたの口から「良かったね」「おめでとう」といったお祝いの言葉を期待しているのだ。
そんなの無理、できない、との声が奴らに届いたら最後、あなたには即座に「恨みがましい妬み屋」との烙印が押される。


関係破綻後のこの時期にサイコパス人間がやっていること。
それが、「廃棄処分後の人物査定(post-dump assessment)」という作業だ。


もし、あなたが彼らの前にひれ伏し、這いつくばってでも許しを乞おうという姿勢を見せれば、「まだ利用価値あり」との評価が得られる。
必死に懇願するあなたの姿を見れば、嫌悪感と一緒に快感も得られると知っているからね。


逆に、あなたが反撃に転じ、奴らの嘘八百を次々に暴露し始めたらどうなるだろうか。
おそらく、全力であなたを苦しめ、破壊しようとするだろうね。
仮にあなたが後から謝罪しても、サイコパス人間の気持ちが覆ることはそうそう無い。
一度自分に歯向かったターゲットへの憎しみは、生涯消えずに残るはずだ。


とにかく、あなたはあまりにも多くを見過ぎてしまった。
...仮面の下に隠された、「略奪者」の素顔を。



あいつらと仲が既に終わっていても、厄介事はまだ終わらない。
サイコパス人間は、三角関係という狂おしい状況にあなたを再び巻き込もうとするからだ。
あなたの目の前で新パートナーに手を振ったり、写真を投稿したり、「今はハッピー!」といった声明をネット上で発表したり、といった具合に、いちいちあなたの神経を逆撫でしてくるだろう。
新しい相手と一緒の毎日は最高に幸せで、これ以上無いほどパーフェクト!と、必死にアピールしてくるはずだ。


実は、これにはまた別の意図もある。

「自分たちが別れる原因を作ったのは、この女(男)のせいだ!全て、こいつが悪い!」

と、あなたに思わせ、新ターゲットを憎むように仕向けたいんだよ。
新ターゲットを盾にして、真の加虐者である自分の姿を隠しているんだね。


これほどにまで破壊的な心の虐待者を前にして、一体どうやって自分の身を守ればよいのだろうか?


まず、あなたは

自分自身を尊重すること
(self-respect) 

から学び始めなければいけない。
これについては、本書の後半で詳しく触れるつもりだ。


とりあえず、今はこれだけ言おう。

【人付き合いにおいては、
自分にとってどこまでが許容範囲内で
どこから先が拒絶すべきことなのか、線引きをきちんとできるようにならないといけない。】

嘘をついて騙し、人と人とを敵対させるような奴。
ただのクズ人間である。
そんなクズ人間に付き合うなんて、時間の無駄だ。


また、あいつらの理不尽な行動に振り回されて、苦しい説明をひねり出さずにはいられなかった過去の自分に「どうかしてた」「頭おかしい」なんてことも、どうか言わないで欲しい。


まぁ、そう言いたくなる気持ちも理解できるけどね。
でも、あなたの場合、一見しただけではそれとは見抜けない、陰湿で、歪みだらけの悪しき企みに巻き込まれていたのだから、おかしくなっていたわけじゃない。


ここで僕が紹介したいのが、【探偵ルール】。


ルールといっても、内容はごく単純だ。
ある特定の人物が気になって仕方がない、としよう。
もし、その人物の身辺調査、つまり、探偵の真似事をし始めた自分に気付いたら、すぐにこのルールを発動させてほしいんだ。

「そいつは即刻、あなたの人生から永久に追放処分としろ。」

これが【探偵ルール】である。


僕が前に書いた【いつもさん(Constant)】のこと、覚えているだろうか。

「いつもさん」~The Constant~ 【1】  
「いつもさん」~The Constant~ 【2】

あなたにもきっと【いつもさん】と呼べる存在がいるよね。
その人たちに対して、探偵の真似事をしよう、貼り付いて身辺調査してやろう、なんてこと、まさか思わないよね?


【いつもさん】のFacebookページにストーカーよろしく貼りついては、「この一言、どういう意図で書いたんだろう...?」
「この行動、何のつもり?」なんて具合に、いちいち疑心暗鬼になったりするかい?


するわけないさ。
当たり前だよ。


どうやら、ぼんやりと答が見えてきたね。
そう、パートナーとの間で生じた問題は、あなた自身の「中」から来たわけではなかった。
あなたの「外」から持ち込まれたもの、だったのだ。


【参考記事】
「いまひとつ[引用者注:嫌悪感に加えて、の意。]、邪悪なものにあい対したときのわれわれに生じる反応がある。それは混乱である。
 
ある女性は、邪悪な人間に出会ったときの自分に生じた混乱を、『突然、自分が考える能力を失ったかのようだった』と欠いている。この場合もやはり、その反応はきわめて適切なものである。
うそというものは混乱を引き起こすものである。
 
邪悪な人間というのは、他人をだましながら自己欺まんの層を積み重ねていく『虚偽の人々』のことである。
患者にあい対したときに混乱を感じた施療者は、まずはじめに、この混乱は自分自身の無知からくるものではないかと疑うべきである。
 
しかし、それと同時に、こう自問すべきでもある。『この患者は、私を混乱させるようなことをしているのではなかろうか』(p.125)

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そこはかとなく漂う不信感の正体を突き止めるのは、難しい。
「特にこれといった根拠も無いし...」と打ち消したくなる気持ちも、わかる。


でも、今は自分の直観/直感を信頼するんだ。
くよくよと思い悩むのは、もうやめよう。
自分の知力を疑問視するのも、もうやめよう。
あれこれと仮説を立てるのをやめて、立ち上がり、行動を起こす時が来たんだ。


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あなたを苦しめる毒人間。
まずはそいつをあなたの生活から閉め出そう。
すると、摩訶不思議なことに、不安感がスーッと遠のいていくことに気付くだろう。


誰かが意図的にあなたを傷付けようとしていたのか。
真相はあなた一人にしかわからない
同様に、自分にとって何が最良なのかも、あなた一人にしかわからない。
誰かのそばにいて良い気分になるか、イヤな気分になるか。
これも、自分自身で決めるしかない。


「お前の感じ方は間違っている」
そんなこと、他の誰にも言われる筋合いなど無いんだ。


例の質問、覚えているかい?
そう。
「今日、あなたはどんな気持ちでいますか?」
だったよね。


この問いに出すあなたの答え。
何よりも大切にしなきゃいけないのは、そこ。


三角関係は、巻き込まれた人それぞれの心に後々まで消しがたい心の傷を残していく。
被害者が「嫉妬の鬼」「物欲しげな奴」「自信のかけらも無い、腑抜け」などといった負の暗示にかかってしまったら、立ち直りは一層困難になる。


だから、まずは心の傷を治そう。


あなたが今抱えている自信の無さは、サイコパス人間の虚言・妄言と捏造工作が生み出したものだ、と理解しよう。
本当のあなたとは違う。


あなたは本来の自分らしさを見失っていたよね。
相手から操られるがままになっていたから。


心優しく、愛情あふれ、広い心を持つ、思いやりのある人間。
そちらこそが、あなたの本来の姿だ。
もう二度とそのことに疑いを挟んだりしてはいけないよ。

【この項、終わり】