2017年12月8日金曜日

【再掲】三角関係という責め苦④

こうした筋書き通りに事が運ぶには、どれだけの計算と計画とが働いているか、考えてみてほしい。


基本的にサイコパスは狡猾で冷酷。
自分が何をしているかはちゃんとわかっているはずだ。
あなたを窮地へと追い込み、「ひょっとして、おかしいのは自分の方かも?」と疑わせようとしているんだよ。
目的達成のために三種類の異なる仮面を使い分けるなど、奴らにとっては朝飯前だ。


彼氏や彼女と別れて間もない頃は、普通の人ならば「新しい交際相手ができた」などと大っぴらに公言したりはしないよね。
何となく後ろめたい気持ちがあるから、しばらくの間は秘密のままにしておくものだ。



だが、サイコパスな奴らはその辺の感覚からして普通じゃない。


さっさと新しい関係へ乗り換えるばかりか「今、新しいパートナーと一緒。とても幸せです!」と、堂々と公式発表することをためらわない。

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しかも驚くのはまだ早いよ。
何と、彼らは、あなたの口から「良かったね」「おめでとう」といったお祝いの言葉を期待しているのだ。
そんなの無理、できない、との声が奴らに届いたら最後、あなたには即座に「恨みがましい妬み屋」との烙印が押される。


関係破綻後のこの時期にサイコパス人間がやっていること。
それが、「廃棄処分後の人物査定(post-dump assessment)」という作業だ。


もし、あなたが彼らの前にひれ伏し、這いつくばってでも許しを乞おうという姿勢を見せれば、「まだ利用価値あり」との評価が得られる。
必死に懇願するあなたの姿を見れば、嫌悪感と一緒に快感も得られると知っているからね。


逆に、あなたが反撃に転じ、奴らの嘘八百を次々に暴露し始めたらどうなるだろうか。
おそらく、全力であなたを苦しめ、破壊しようとするだろうね。
仮にあなたが後から謝罪しても、サイコパス人間の気持ちが覆ることはそうそう無い。
一度自分に歯向かったターゲットへの憎しみは、生涯消えずに残るはずだ。


とにかく、あなたはあまりにも多くを見過ぎてしまった。
...仮面の下に隠された、「略奪者」の素顔を。



あいつらと仲が既に終わっていても、厄介事はまだ終わらない。
サイコパス人間は、三角関係という狂おしい状況にあなたを再び巻き込もうとするからだ。
あなたの目の前で新パートナーに手を振ったり、写真を投稿したり、「今はハッピー!」といった声明をネット上で発表したり、といった具合に、いちいちあなたの神経を逆撫でしてくるだろう。
新しい相手と一緒の毎日は最高に幸せで、これ以上無いほどパーフェクト!と、必死にアピールしてくるはずだ。


実は、これにはまた別の意図もある。

「自分たちが別れる原因を作ったのは、この女(男)のせいだ!全て、こいつが悪い!」

と、あなたに思わせ、新ターゲットを憎むように仕向けたいんだよ。
新ターゲットを盾にして、真の加虐者である自分の姿を隠しているんだね。


これほどにまで破壊的な心の虐待者を前にして、一体どうやって自分の身を守ればよいのだろうか?


まず、あなたは

自分自身を尊重すること
(self-respect) 

から学び始めなければいけない。
これについては、本書の後半で詳しく触れるつもりだ。


とりあえず、今はこれだけ言おう。

【人付き合いにおいては、
自分にとってどこまでが許容範囲内で
どこから先が拒絶すべきことなのか、線引きをきちんとできるようにならないといけない。】

嘘をついて騙し、人と人とを敵対させるような奴。
ただのクズ人間である。
そんなクズ人間に付き合うなんて、時間の無駄だ。


また、あいつらの理不尽な行動に振り回されて、苦しい説明をひねり出さずにはいられなかった過去の自分に「どうかしてた」「頭おかしい」なんてことも、どうか言わないで欲しい。


まぁ、そう言いたくなる気持ちも理解できるけどね。
でも、あなたの場合、一見しただけではそれとは見抜けない、陰湿で、歪みだらけの悪しき企みに巻き込まれていたのだから、おかしくなっていたわけじゃない。


ここで僕が紹介したいのが、【探偵ルール】。


ルールといっても、内容はごく単純だ。
ある特定の人物が気になって仕方がない、としよう。
もし、その人物の身辺調査、つまり、探偵の真似事をし始めた自分に気付いたら、すぐにこのルールを発動させてほしいんだ。

「そいつは即刻、あなたの人生から永久に追放処分としろ。」

これが【探偵ルール】である。


僕が前に書いた【いつもさん(Constant)】のこと、覚えているだろうか。

「いつもさん」~The Constant~ 【1】  
「いつもさん」~The Constant~ 【2】

あなたにもきっと【いつもさん】と呼べる存在がいるよね。
その人たちに対して、探偵の真似事をしよう、貼り付いて身辺調査してやろう、なんてこと、まさか思わないよね?


【いつもさん】のFacebookページにストーカーよろしく貼りついては、「この一言、どういう意図で書いたんだろう...?」
「この行動、何のつもり?」なんて具合に、いちいち疑心暗鬼になったりするかい?


するわけないさ。
当たり前だよ。


どうやら、ぼんやりと答が見えてきたね。
そう、パートナーとの間で生じた問題は、あなた自身の「中」から来たわけではなかった。
あなたの「外」から持ち込まれたもの、だったのだ。


【参考記事】
「いまひとつ[引用者注:嫌悪感に加えて、の意。]、邪悪なものにあい対したときのわれわれに生じる反応がある。それは混乱である。
 
ある女性は、邪悪な人間に出会ったときの自分に生じた混乱を、『突然、自分が考える能力を失ったかのようだった』と欠いている。この場合もやはり、その反応はきわめて適切なものである。
うそというものは混乱を引き起こすものである。
 
邪悪な人間というのは、他人をだましながら自己欺まんの層を積み重ねていく『虚偽の人々』のことである。
患者にあい対したときに混乱を感じた施療者は、まずはじめに、この混乱は自分自身の無知からくるものではないかと疑うべきである。
 
しかし、それと同時に、こう自問すべきでもある。『この患者は、私を混乱させるようなことをしているのではなかろうか』(p.125)

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そこはかとなく漂う不信感の正体を突き止めるのは、難しい。
「特にこれといった根拠も無いし...」と打ち消したくなる気持ちも、わかる。


でも、今は自分の直観/直感を信頼するんだ。
くよくよと思い悩むのは、もうやめよう。
自分の知力を疑問視するのも、もうやめよう。
あれこれと仮説を立てるのをやめて、立ち上がり、行動を起こす時が来たんだ。


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あなたを苦しめる毒人間。
まずはそいつをあなたの生活から閉め出そう。
すると、摩訶不思議なことに、不安感がスーッと遠のいていくことに気付くだろう。


誰かが意図的にあなたを傷付けようとしていたのか。
真相はあなた一人にしかわからない
同様に、自分にとって何が最良なのかも、あなた一人にしかわからない。
誰かのそばにいて良い気分になるか、イヤな気分になるか。
これも、自分自身で決めるしかない。


「お前の感じ方は間違っている」
そんなこと、他の誰にも言われる筋合いなど無いんだ。


例の質問、覚えているかい?
そう。
「今日、あなたはどんな気持ちでいますか?」
だったよね。


この問いに出すあなたの答え。
何よりも大切にしなきゃいけないのは、そこ。


三角関係は、巻き込まれた人それぞれの心に後々まで消しがたい心の傷を残していく。
被害者が「嫉妬の鬼」「物欲しげな奴」「自信のかけらも無い、腑抜け」などといった負の暗示にかかってしまったら、立ち直りは一層困難になる。


だから、まずは心の傷を治そう。


あなたが今抱えている自信の無さは、サイコパス人間の虚言・妄言と捏造工作が生み出したものだ、と理解しよう。
本当のあなたとは違う。


あなたは本来の自分らしさを見失っていたよね。
相手から操られるがままになっていたから。


心優しく、愛情あふれ、広い心を持つ、思いやりのある人間。
そちらこそが、あなたの本来の姿だ。
もう二度とそのことに疑いを挟んだりしてはいけないよ。

【この項、終わり】

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