2018年8月7日火曜日

喪失の段階---Part 2 ①サイコパスとは何かを理解する

ジグソーパズルの欠けピースは見つかった。
全てを台無しにした例の言葉、すなわち【サイコパシー(精神病質)】。ようやく探し当てることができた。
後は、全てが収まるべき場所にきれいに収まっていくことだろう。


突然、何の前触れも無くあなたの前に現れた【サイコパシー】という単語。
これが糸口となって、自分の身に降りかかった災厄全てが説明できそうだ。
今までずっと理解不能だった問題にも、難なく答えが出せそうだ。


ただ、言葉で説明できたとしても、まだまだ気は抜けない。
この先、得体の知れない、今まで経験したこともないような感情が新たに噴出してくることも予想される。
最初のうちは気持ち悪いと思うだろうね。不快な体験から脱出し、回復へ向かう時には、どうしてもそういった違和感がついて回るものだ。


自問自答をする機会もぐんと増えるだろう。
だけど、それは良いことだ。順調に回復へと向かっているしるしだ。


自分(と、自分の周りの世界)に対して疑問を持つ。
自己省察という長い長い旅に出ようと思ったら、これをやらない限り、はじめの一歩を踏み出すことすらできないからね。
無事全行程を歩き切ることができた時、あなたは以前とは似ても似つかぬ、全く別の人間へと生まれ変わっているはずだ。
そして、新たな人間として新しい人生を生きていくことだろう。





サイコパスとは何かを理解する


症状:身体的な不調、自分が間違っていないことを他人に証言してもらいたがる、ショック状態、嫌悪感、「そうだったのか!」という発見、被害妄想、胸の辺りが沈み込むような重い


回復へと向かう旅の途上で、居心地の悪さという点でも、そして重要さという点でもトップクラスに位置するのがこの段階である。



結局どれだけ知識を頭に詰め込んだところで、所詮知識は知識でしかない。いずれ限界が来る。
サイコパス(精神病質)を真に理解しようと思ったら、あいつらがどんな風に物事を感じているのかを、身をもって体験してみなければならない。


被害者の多くは、「思いやり」「愛」を大切にする人々だ。
それだけに、サイコパスに「共感」する自分の姿なんてとても想像できない、と皆、口を揃えて言うだろう。


だけどね。
実は、共感力豊かな人達があいつらに食い物にされるのは、まさにこれが理由なんだよ。
普通の人は、良心を持たぬ人なんているわけがない、良心は誰にでも備わっているはず、って、つい思いがちだよね。
サイコパスのターゲットにされる人々は、特に深く考えもせず、脊髄反射的に「良心は誰だって持っているに決まっている!」という自らの信念を目の前の相手の上にまるごと投影してしまうんだ。





サイコパス研究が進めば進むほど、ついつい我を忘れて没頭してしまう、というのもよくあることだ。あまりにもサイコパスの世界にどっぷりとはまってしまい、あなた自身が自然とサイコパスの思考パターンを体得してしまった、ということは決して珍しい話ではない。


これ以上先へ行ったら本当にまずいぞ、といった危険信号。
言葉による虐待。
思い返せば、確かにあった。
そういえば、あなたを破壊しにかかったきたあの時も、あいつはサディスティックな快感に浸っていたではないか。
「お願いだから許して」と泣きすがったあなたに対し、奴がぶつけてきたのは沈黙。時には笑い声までも。
忘れようとしたって、忘れられない。


あいつの場合、単に大雑把だとか察しが悪いとかで済まされるような次元の話ではなかったのだ。
二人の関係を思い出し、あいつの立ち居振る舞い、交わした言葉を全く違った角度から眺めてみた結果...


ああ、そうだったのか。
何もかもが腑に落ちた。これで全てに説明がつく。
以前は、どれほど頭をひねって考えてみても、一向に答えが出せなかったというのに。


最初はあなたの言う事なす事、オウム返し的に真似するところから。
で、お次は愛情爆弾の集中投下。
やがてあなたらしさがじわじわと蝕まれ、三角関係へと巻き込まれ、挙句の果てには無慈悲にポイと捨てられた。
腹が立ったなんてもんじゃなかっただろう?


結局、あいつはあなたに対し、ただの一度すらも愛情を抱いたことなど無かったのだ。
...連綿と続く、大勢のターゲットのうちの一人、としか見ていなかった。


そして、新たな事実も浮かび上がる。
あいつと付き合っている間、あなたは他の人相手の時には全く考えられないような、大それたことも平気でしていたよね。


そこまでしたのは、何もあいつが「特別な人」だったからじゃない。
あいつはね、常にあなたを苦しい立場に追い込み続けていたんだよ。
あいつがあなたを釣り上げた瞬間から最後まで、ずっと。


「私、被害妄想がひどすぎるんじゃないか...?」と気に病んだ時もたくさんあったね。
でも、当時のことを思い返してごらんよ。何ということはない、全ては虐待と無視が引き起こした当然の反応に過ぎない、と今ならわかる。
何もかもが計算ずくの、意図的になされたことばかりであった。


だけど、そうした発見の数々だって、一番最後に訪れたそれに比べれば別にどうってことはない。


【...よりによって、全身全霊で愛してきた人物、心のありったけを傾けて信頼してきた人物が、出会った瞬間からずっと、あなたのことをめちゃくちゃに壊そうとしていた...。】


さすがのあなたも、これに気付いた時は全身の血も凍るような衝撃を覚えたのではなかろうか。




2 件のコメント:

  1. 記事の方、拝見いたしました。

    先日まで付き合っていた人が正にサイコパスでした。記事を読めば読むほど、自分の経験と完全に合致しておりました。

    サイコパス(と思われる)の恋人と関わっていた頃、不意に独特の違和感というか、とてつもない孤独感、目の前に恋人がいるにも関わらずまるで独りでいるかのような感覚に襲われることがありました。
    これもサイコパス特有の共感性のなさからくるものなのでしょうか。

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  2. コメントありがとうございます。
    つらい経験をされたのですね。著者のジャクソンさんも繰り返し書いていますが、「見抜けなかった」ことでどうかご自分を責めないでくださいね。

    共感性のなさから来る、独特の違和感。
    私の場合はサイコパスと恋愛関係で関わったわけではないのですが、わかるような気がします。
    いかにも教科書的/マニュアルっぽいな反応ばかりで、温かい血の通った人間的な感じの乏しい人でしたね。
    その人独特の「好き!」「これが自分です!」という個性が感じられない、というか...。

    こちらの過去記事、既にお読みになったかもしれませんが...。
    「ロボット」https://sayonara-psychopath.blogspot.com/2018/08/blog-post_19.html

    「自分らしさがない」コピペ人間とは、どれだけ付き合っても不毛さしか残りませんよね。

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