2018年5月30日水曜日

回復への道~まさかここまで引きずるなんて。どうして?④

関わったのは【悪の権化】

「普通、人間ってこういう時はこう振舞うよね。」
あいつと出会う前にも、既にざっくりとしたあなたならではの人間観はあったと思う。
ところが、その人間観は何一つと言っていいほどあいつに通用しなかった。


交際中のあなたは、思いやりあふれ、明るく前向き、過ちは笑って許すようなパートナーになりたい、と日々涙ぐましい努力を続けていたよね。
でも、そうしたあなたのけなげさですら、あいつは意図的に悪用していった。頑張れば頑張るほど、どんどん墓穴を掘るようにと仕向けたんだ。
まさか愛する人が自分を陥れようとしていただなんて、当時は夢にも思わなかっただろうね。
だって、どう考えたって普通はそんなことあり得ないから。


当時のあなたは、奴という銀幕(スクリーン)の上に、ごく普通の人々にはちゃんとある「良心」を、誤って投影してしまっていたんだね。それも、かなりの長期間にわたって。
だから、相手の理不尽な言動にも「気にしない、気にしない」と自分をごまかし、深追いせずにスルーしてしまった。



だがそれも、あなたがサイコパシー(精神病質)、ソシオパシー(社会病質)、ナルシシズム(自己愛)という概念に出会うまでのこと。




あれ以降、あなたの世界は完全にひっくり返った。


最初に襲ってきたのは激しい嫌悪感だった。
あのような「悪の権化」を、わざわざ好き好んで自分の人生に引き入れてしまったとは...。
衝撃の事実に、身震いが止まらない。


今や全ての辻褄(つじつま)が合う。
何もかもが腑に落ちる。
「たまたまだよ、わざとじゃない」
「別にそこまで考えていなかったけど」
言い訳していた行動の数々にも、実は隠された意図が存在していたのだ。
改めて思い返してみると、それがよくわかる。


そこまで気付けば、当然、友人や家族にもこの大発見を聞かせたくなるよね。
だが、話してみたところで、誰一人として分かってくれる人はいないんだ。


周囲の人々にあなたの話が全く通じない。
こういう時こそ「それ、間違っていないよ」との確証を、第三者的立場の人達からもらうことがきわめて重要となってくるんだ。
似たような体験をした人を是非とも見つけ、彼らと接触して欲しい。
そういう人々に被害体験談を聞いてもらえれば「そうだ、自分は狂ってなんかいない、気は確かだ」って改めて実感できるだろうから。


仲間は必ずいる。
人でなし、という言葉でしか形容できない奴に食いものにされたのは、あなただけじゃないからね。


あいつがさんざん見せつけてくれた人格障害(パーソナリティ障害)という現象と、この先どうやって向き合っていけばいいのだろう。
自分なりの解決策が打ち出せる日までは、時間をかけて取り組まなければならない。


同時に、長年抱いてきた人間観も、思い切って全部捨て去ることになるだろう。
全てをぶち壊し、処分し、更地状態にしたところで、【新しい人間観】という建物のパーツを、一つ一つ下から積み上げていく...。
しばらくは、こうした地道な作業の繰り返しだ。


誰もが「善良な性質」に生まれついているとは限らない。
少しずつ、この現実にも目を開いていかねばならない。


被害妄想気味になることもあるだろう。
警戒心が高まり過ぎることだってあるだろう。
不安に呑み込まれそうなこともあるだろう。


それまでとは違う意識のあり方を模索する一方で、「信じやすいお人よし」だった、かつてのあなたに目配りすることも忘れてはいけない。
新しいあなたと、かつてのあなたとのバランスを上手に取れるようならなきゃね。それには、ひたすら練習あるのみ。
本当の癒しが欲しければ、この課題だけはどうしても避けて通るわけには行かないのだ。


魂をえぐった、深い傷跡


うすうす予想はしていたけれど、相手からの一方的な通告と共に別れはいきなり訪れた。
その後、「鬱状態」とも少し違う、「空っぽさ」としか言いようがない、不気味な感覚がじわじわと押し寄せて来た...。
大勢の被害者が口を揃えて同じようなことを言っている。
まるで、魂が完全にどこかに行ってしまったような、そんな感じだったそうだ。


周りで何がおころうと、誰が来ようと、麻痺した心はもう微動だにしない。
以前なら楽しめたことも、今は「どうでもいい」と無反応なままである。
あの怪物に関わったせいで、自分には共感能力も、感情も、人を思い遣る心も無くなってしまった。もう、全てが破壊されてしまったんじゃないか...
後から後から不安が湧いて来る。


僕の経験では、乗り越えるまでに最も時間がかかるのはこの段階だと思う。
確かに最初は絶望あるのみ。お先真っ暗、といった感じしかしないだろう。
でも、あなたの魂は決してあなたを見放すことなど無いんだよ。いつもあなたの傍にいる。
傷を負ったのは事実だけれど、決して魂は消え失せたりなどしていない。


時が経つにつれて、少しずつ、自分を大切にする心(self-respect)と、他者と自分との間の境界線(boundaries)が自分の中に芽生えてくるはずだ。
そこまで回復が進めば、魂の声だってきっとあなたの元に帰って来ると思うよ。


大丈夫。ちょっとぐらい自分をさらけ出したって、危険はないから。
時々は顔を外に出して「こんにちは」と声を上げるのも悪くはないさ。


「また泣けるようになったなんて。ありがたい」と思える日は来るよ。
「生の感情が戻って来た。うれしい」と言える日だってちゃんと来るよ。
ここまで辿り着けば、もうしめたもの。
感謝の思いや、喜びの瞬間がより頻繁に、より安定したペースであなたの中に湧き起こるようになってくるからね。


あのような体験に押し潰されることなく、何とか生き延びたあなた。
最終的には、大変有用な知恵を手にすることができるだろう。以前の自分だったら「そんなの、絶対無理。考えられない。」と真っ向から反対したようなこの新しい知恵のおかげで、周囲の人々との付き合い方も変わっていくんじゃないかな。


あなたは、更に強く、たくましくなった魂へと生まれ変わっていく。
今後何があろうとも、あのような非人間的な付き合いしかできないような連中には、きっぱりと「NO!」を言えるようになるだろう。



僕たちが人間世界で暮らす限り、毒性の強い人々との接触は避けられない。
若かろうが、年を取ろうが、残念ながらこれだけは常に変わらぬ現実だ。
ただ、彼らをのさばらせて、長居を許すような過ちだけはもう二度と繰り返さない、と決めようじゃないか。
連中が仕掛けてくるマインドゲームや対人操作にいちいち付き合っていられるほど、僕らは暇じゃないのだから。


付き合うなら、親切で、正直で、他人への思いやりを忘れない人に限る。それ以下の人間にわざわざ時間を割いてやる必要などないよ。


ようやく手に入れた、新しい力。
これこそが、サイコパスとの関わりの末に得られた最高の宝物ではなかろうか。
回復のプロセスは辛く、長い道のりとなるだろうが、絶対に取り組むだけの価値はある。
それなりの見返りは必ず得られるはずだ。


旅の途上で得られた力は、あなたにとっての頼もしい武器のようなもの。
これからもずっと、生涯にわたってあなたのことを支えてくれるはずだよ。



2018年5月29日火曜日

回復への道~まさかここまで引きずるなんて。どうして?③

化学反応

サイコパスと被害者の間には、感情面でも、性的な部分でも、非常に濃密で、おいそれとは断ち切れないような強力なつながりが生じる。
被害者が一度強力な磁石のような力でサイコパスに引き付けられてしまうと、サイコパスの許可無しでは何一つできないようになる。
奴らは、そうなるようにと被害者を調教していくんだよ。


はじめの頃は、あなたが何を言おうと、何をしようと、あいつの口からはとにかく賞賛の言葉しか出なかった。
それがひとまず一段落したとなると、あなたの方でも「もう大丈夫だろう」とほっと一息ついて気を緩めるようになる。すると、相手のほめ言葉一つで自分の値打ちが上がったり、下がったり、という依存症めいた状態へと引きずり込まれていくのだ。
あなたの幸福も、不幸も、あいつの舌先三寸でどうにでもなる、というような状態だ。


そもそも、「幸福」とは、脳内で起こる化学反応が決めるもの。
人間が「ああいい気分だな」と感じられるのは、ドーパミンとドーパミン受容体の放出が行われた時である。
ドラッグと同じ仕組みだね。




サイコパスと付き合い始めた頃のこと、思い出して欲しい。
あいつと一緒にいると、とにかく不思議な高揚感で全身が満たされていたんじゃないかな。
だけど、あなたがその高揚感に依存するようになっていった頃と時を同じくして、あいつはあなたから少しずつ距離を置き始めた。


一方、あなたの方は例の「ハイな感覚」がどうしても忘れられないから次第に心身のバランスが崩れていく。
もっと欲しい。もっと味わいたい。高揚感への飢えは、もう止まらない。
なのに、あいつと来たら、ますます愛と承認とを出し惜しみするようになっていったよね。
それもこれも、あなたを慢性的に飢餓状態に置いておくことが目的だったからだ。陰ではありとあらゆる汚い手を使っていたはずだよ。



劣等感、そして他人との比較

パートナーに浮気された、との経験を持つ人は少なくない。
世の中にはそうした被害者同士が励まし合い、立ち直るためのサポートグループも何千と存在している。
たかが浮気、されど浮気、だ。裏切りを受けた側の心の傷跡はそう簡単に消えるものじゃない。


自分に自信が持てなくなり、人と自分とを何かと比べるようになる、というのがパートナーに浮気された人に見られる典型的な後遺症だ。
辛い経験から立ち直るまでに何年もかかった、という人だって大勢いる。


ここで、愛する人から裏切られた経験を、サイコパスが意図的に仕組む三角関係と関連付けてみたい。
あいつはあなたのことを裏切り、他の相手に走った。ここまではいわゆる普通の三角関係と違うところは無い。


...だが、あいつの場合はこれ以降が違うんだ。
あなたの目の前で、わざと楽しそうに振舞って、相手とのイチャイチャぶりを見せつけて来たよね。
この人と一緒になれてどれほど幸せか、ってことを、これでもか、これでもか、と得意気な様子でもってアピールしていた。


普通、パートナー以外の人に心を移した人には、後ろめたさや、罪の意識といったものが付いて回るものだが、あいつの場合、そんな様子は微塵も漂わせていなかったよね。
ツーショットの自撮り写真を嬉しそうに公開し、友達に「サイコーに幸せです!」なんて大声上げて拡散していたじゃないか。


かつてサイコパスによって【理想化】の対象に選ばれ、さんざんまつり上げられた経験を持つ人にとって、奴からのこうした仕打ちがどれほど心にダメージを与えるか、なんて、今更僕が説明する必要も無いだろう。
三角関係に巻き込まれたというだけでも、そこから完全に吹っ切れるまではかなりの時間がかかるというのに。




2018年5月23日水曜日

回復への道~まさかここまで引きずるなんて。どうして?②

あいつのことが好きだった

あれが捏造された恋愛だったことは確かだ。
あなたの人柄がそっくりそのまま真似されて、あなたの夢がもてあそばれていたからね。
それでもあなたはあいつのことが好きだった。


この世界において、恋ほど人の心を激しく揺さぶり、二人の人間を強固に結びつける感情は他に無いだろう。
あの頃のあなたも、恋心で胸がはち切れんばかりだった。


愛する人を失えば、誰だって辛い。
それが、今後の人生をずっと一緒に過ごしていこう、と心に決めていた相手となれば辛さもまたひとしおだ。


でも僕らは、こうした愛の喪失体験から何としてでも自分の魂を立て直していかねばならない。


加虐者のあいつがどれほどの悪だくみを腹の中に隠し持っていようとも、あなたが奴に対して抱いた恋心は正真正銘の本物だった。


多くの時間、そして未来への希望。
その両方が整ってはじめて、いわゆる失恋後の鬱状態から這い上がって来れるようになるのだと思う。



どうしようもなく、あいつのことが好きだった


ここからは、「普通の破局」とは少々違った道筋をたどることとなる。


絶望と欲望とを捏造することにかけては、サイコパスほどに上手くやれる奴なんてそうそういない。


あなたがこいつと付き合っていた時のことを考えてみよう。
それこそ身を粉にして奴に尽くしてはいなかったかな?他の人にはそこまでやらないんだけど、ってほどにまで。
時間もエネルギーも相手への思いも、それまでの恋愛とは比べ物にならないほど、大量にガンガン注ぎ込んではいなかっただろうか?
なのに、あなたが手に入れたものといえば、生まれてこの方経験したことの無いような、不快で、しんどい、泥沼のような日々だったとは...。



理想化の段階【注①】では、注目、プレゼント、手紙、賞賛などを大盤振る舞いで浴びせかけてきたサイコパス。だが、その頃のあいつがやっていたのは、実は


「寸分たがわぬ正確さであなたを完全に真似て、あなたになりきること」

だった。
やることなすこと、あなたは何もかもが完璧だったからね。

【注①】


それだけに、まさかこの後に、あなたらしい部分がじわじわとむしばまれていく段階(identity erosion) 【注②】が待ち構えていたとは。
当時すっかり舞い上がってしまっていたあなたには、全く予想もつかなかっただろうね。

【注②】


サイコパスが一言、ぽつりとつぶやく。
すると、あなたはそのつぶやきから「君なんて、今すぐにでも他の人と取り換えたっていいんだよ」といった不穏なニュアンスを嗅ぎ取り、動揺し始める。
様々な思いが交錯する中、心は少しも休まる暇が無い。
昼も夜も、考えることといったら全てあいつのことばかり。
何もかも、奴の狙った通りになった。


嘘。ガスライティング。三角関係。
サイコパスはそうした小道具を巧みに用いて、あなたの毎日をめちゃくちゃにかき乱し、そして予測不可能な状態へと落とし込んでいったはずだ。


あなたの頭の中には、あいつに関すること以外は何一つ入り込む隙間が無い。
これを「どうしようもなく恋に狂っていた」と言わずして、一体どう表現すればよいのだろう。
とても健全な状態とは言えない。


奴への恋にそこまでドップリはまってしまった、っていう事実だけでも、実はあいつがそれだけの愛情になど値しない奴だった、っていうことが浮かび上がってくるんだよね。


「彼(彼女)以外にここまで強く愛せる人なんて、この先の人生に絶対に現れるわけがない」
頭で下した結論をすっかり信じ込んでしまったあなたは、もはや聞く耳など持たない。


そしてあいつはあなたの元を去って行った。
全世界が崩れ落ちていくようだ。
今やあなたは、パニックと絶望が支配する地へと足を踏み入れた。


2018年5月21日月曜日

回復への道~まさかここまで引きずるなんて。どうして?①

サイコパスから受けた虐待の傷が完全に癒えるまでの道のりは、長く、そして遠い。
見通しの良い一本道であることはまずない。
一つ終わってその次へ、といった理屈通りの進み方をすることも、まずない。

ある段階から次の段階へ移ったかと思えば、また後戻り...といった具合に、動きが読めないのが普通である。
途中、わざわざ余分な段階を自分で増やしたばかりに、もたつくこともあるだろう。






回復への道のりは、巷で言われるところの「喪失の段階(Stages of grief)」【注】とは別物として考えた方が良さそうだ。

【注】「喪失の段階(Stages of grief)」は、スイス・チューリッヒ出身で、後に米国に移住した精神科医のエリザベス・キューブラー=ロス(1926-2004)が提唱した理論。最晩年に著した「永遠の別れ」において紹介された。 
キューブラー=ロスによると、人間は大切な誰かに先立たれてしまった時、
否認
怒り
取引
抑うつ
受容
といった5つの異なる心理状態を潜り抜けていくのだ、という。
(ただし、必ずしも順番通りに進むとは限らない)
参考HP・「キューブラー・ロス 喪失の5段階説」 
http://grief.cokoro.org/soushituno5dankai/


だって、あなたは何一つ「喪失」などしていないのだから。
そう。
喪ったものなんて、何も無い。
喪ったどころか、逆に、あなたは全てを手に入れたんだ。
今はまだ、そのことに気付けずにいるけどね。


永遠の別れ―悲しみを癒す智恵の書
エリザベス・キューブラー・ロス デーヴィッド・ケスラー
日本教文社
売り上げランキング: 4,106



まさかこれほど引きずるなんて。どうして?


虐待後にやって来た別れは、健全な人間関係の終わりとは大きく異なる。
別れた相手がサイコパス人間の場合、回復には普通では考えられないほどの長い時間がかかる、と覚悟しなければならない。
無事サイコパスから逃れられたとしても、期待したようなペースで立ち直れない自分にいら立ちを覚える、と言う人も少なくない。


そのうち、見かねた友人や専門家が「そろそろ気持ちを切り替えたら?」と、お節介アドバイスをしてくるだろう。全くもって余計なお世話だ。
まぁ、あなたのためを思えばこそ、の一言なのだろうが。



長期間の結婚生活にせよ、ひと夏の火遊びにせよ、サイコパスとの関係から回復するまでのプロセスはみんな似たり寄ったりだ。
心がしゃんと立ち直るまでには、12~24ヶ月はかかるものと見ておいた方がいい。
もう大丈夫、と言い切れるようになった後でも、時々は「しんどい...」と感じる日が巡ってくるかもしれない。



だから、「いついつまでに××しなきゃ」といった期限設定だけは、やらないで欲しいんだよね。
時が経てば、ハッピーな日も、満ち足りた日も、希望にあふれた日も必ずやって来るから。焦らないことだ。


ただし、それには一つ条件がある。
「ノー・コンタクト(一切の接触を絶つ)」の原則は絶対に守ること、だ。
そうすれば、あなたを傷付けた奴にまつわる記憶が薄れ行くのと反比例するかのように、幸せを実感できる機会がより多く、より頻繁に訪れるようになるだろう。


今こうして、あの頃の日々を振り返ってみると、あいつがどれだけ「嘘くさい」奴だったかがはっきりと見えて来る。
一体どうしてあんな奴に関わってしまったのだろう。信じられないし、また、信じたくない。
高熱に浮かされ、狂おしいパニック状態に陥っていたかのようだ。



やることなすこと、全てがあなたのコピペ・物真似だったサイコパス。
その後、あなたを三角関係の泥沼へと引きずり込んだよね。
あれも、周囲の人々があなたに冷たい眼を向けるようにとあいつが仕組んだ罠だった。


今改めて考えてみると、本当にクズ以下のどうしようもない奴だ。
なのに、あなたはさんざんあんな奴に踊らされた挙句、ゴミクズ同然に捨てられた。


あなたの心と頭のエネルギーは、もっと別の、もっと優れた目的のために使うべきだよ。
...自分を大切に扱わなくっちゃ。
幸せにならなくっちゃ。



「この苦境から這い上がるのは永遠に無理なんだろうか」なんて、弱気は禁物。
たとえどんなに長い時間がかかろうとも、諦めちゃいけない。
あなたの心の中にある豊かな共感力が完全に息絶えることなど、絶対にありえない。
今も、これからも、ずっとあなたの中で生き続けていくはずだ。
機が熟したらちゃんと息を吹き返すよ。
新しい、美しい姿となって見事にカムバックを果たすと思うよ。



良い日もあるだろう。さえない日だってあるだろう。
でも、あなたは間違い無く自由への道を歩き始めている。
命ある限り続く自由の地へと至る道を、既に歩き出している。


今の段階で大切なのは、「これ以上自分を責めてはいけない」ってこと。
早く元の自分に戻りたい、私、こんなところで何ぐずぐずしてるんだろう...と焦ってはいけない。
いつまで経っても苦しみが終わらない、だから自分はサイコパスに「負けた」も同然だ、なんて考えちゃダメだからね。



あいつのことはどうでもいい。今後一切関わることは無いから。
あなたの旅路は、あなた一人だけのためにあるんだ。



もっとゆったりと構えてみたらどうかな。
自分にじっくり向き合う時間を取るように心がければ、治癒のプロセスもはるかに楽になると思うよ。
新しい場所に移るのもいいだろう。
新しい友達を作るのもいいだろう。
回復への道が少しでも快適なものになるよう、工夫することはいろいろある。



それにしても...

ここまで長々と引きずらなくっちゃいけないのは、一体どうしてなんだろう?



2018年5月7日月曜日

【コラム】カラ支援

サイコパスって、やたらと薄っぺらいほめ言葉やお世辞を連発するけれど、その目的はただ一つ。
全ては【相手からの信頼を勝ち得るため】なんだ。


例えば、あなたがものすごく辛い目に遭っていて、気持ちの上で支えてもらえればうれしいんだけど...と奴に伝えたとしよう。
まぁ、気の抜けた反応でも返ってくればまだマシだよね。
下手をすると、完全に黙殺されてしまうかもしれないのだから。


そのうち、あなたは奴の神経を逆撫でしないためのコツを習得する。
【私のことであの人を煩わせるのは止めておこう、どうせうるさがられるだけだし...】
本当に言いたいことも言えず、自分の感情をぐっと抑えるようになってしまうんだ。


誰だって、パートナーである人には支えてもらいたいと思っている。
不幸な出来事や病気などに見舞われた時などは、特にそうだろう。
なのに、あなたは自分が辛い目に遭っている時でさえ、弱音も吐けない。
だって、奴の機嫌を損ねるわけにはいかないのだから。で、自分の気持ちに蓋をする。


【この人に対しては、ほめ言葉以外には何一つ言えないんだ...】
付き合ううちに、あなたもそこに気が付いたみたいだね。
だが、そのうち奴はあなたにも飽きが来たようで、別のターゲットを見つけたらしい。あっという間に走り去っていった。


サイコパスには、他人の辛さや苦しみに共感する能力なんて無いんだよ。
あなたがどれほど苦しい状況に置かれていても、あんな奴に力になってもらおう、いたわってもらおう、なんて期待、抱く方がおかしいんだ。


なるほどね。
道理で、あの連中が【支援/サポート】といった言葉を口にしても、中身がからっぽで、自動音声読み上げのような機械的な感じしか伝わってこないわけだよ。


Psychopath Free (Expanded Edition): Recovering from Emotionally Abusive Relationships With Narcissists, Sociopaths, and Other Toxic People
Jackson MacKenzie
Berkley (2015-09-01)
売り上げランキング: 41,797