2018年5月21日月曜日

回復への道~まさかここまで引きずるなんて。どうして?①

サイコパスから受けた虐待の傷が完全に癒えるまでの道のりは、長く、そして遠い。
見通しの良い一本道であることはまずない。
一つ終わってその次へ、といった理屈通りの進み方をすることも、まずない。

ある段階から次の段階へ移ったかと思えば、また後戻り...といった具合に、動きが読めないのが普通である。
途中、わざわざ余分な段階を自分で増やしたばかりに、もたつくこともあるだろう。






回復への道のりは、巷で言われるところの「喪失の段階(Stages of grief)」【注】とは別物として考えた方が良さそうだ。

【注】「喪失の段階(Stages of grief)」は、スイス・チューリッヒ出身で、後に米国に移住した精神科医のエリザベス・キューブラー=ロス(1926-2004)が提唱した理論。最晩年に著した「永遠の別れ」において紹介された。 
キューブラー=ロスによると、人間は大切な誰かに先立たれてしまった時、
否認
怒り
取引
抑うつ
受容
といった5つの異なる心理状態を潜り抜けていくのだ、という。
(ただし、必ずしも順番通りに進むとは限らない)
参考HP・「キューブラー・ロス 喪失の5段階説」 
http://grief.cokoro.org/soushituno5dankai/


だって、あなたは何一つ「喪失」などしていないのだから。
そう。
喪ったものなんて、何も無い。
喪ったどころか、逆に、あなたは全てを手に入れたんだ。
今はまだ、そのことに気付けずにいるけどね。


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まさかこれほど引きずるなんて。どうして?


虐待後にやって来た別れは、健全な人間関係の終わりとは大きく異なる。
別れた相手がサイコパス人間の場合、回復には普通では考えられないほどの長い時間がかかる、と覚悟しなければならない。
無事サイコパスから逃れられたとしても、期待したようなペースで立ち直れない自分にいら立ちを覚える、と言う人も少なくない。


そのうち、見かねた友人や専門家が「そろそろ気持ちを切り替えたら?」と、お節介アドバイスをしてくるだろう。全くもって余計なお世話だ。
まぁ、あなたのためを思えばこそ、の一言なのだろうが。



長期間の結婚生活にせよ、ひと夏の火遊びにせよ、サイコパスとの関係から回復するまでのプロセスはみんな似たり寄ったりだ。
心がしゃんと立ち直るまでには、12~24ヶ月はかかるものと見ておいた方がいい。
もう大丈夫、と言い切れるようになった後でも、時々は「しんどい...」と感じる日が巡ってくるかもしれない。



だから、「いついつまでに××しなきゃ」といった期限設定だけは、やらないで欲しいんだよね。
時が経てば、ハッピーな日も、満ち足りた日も、希望にあふれた日も必ずやって来るから。焦らないことだ。


ただし、それには一つ条件がある。
「ノー・コンタクト(一切の接触を絶つ)」の原則は絶対に守ること、だ。
そうすれば、あなたを傷付けた奴にまつわる記憶が薄れ行くのと反比例するかのように、幸せを実感できる機会がより多く、より頻繁に訪れるようになるだろう。


今こうして、あの頃の日々を振り返ってみると、あいつがどれだけ「嘘くさい」奴だったかがはっきりと見えて来る。
一体どうしてあんな奴に関わってしまったのだろう。信じられないし、また、信じたくない。
高熱に浮かされ、狂おしいパニック状態に陥っていたかのようだ。



やることなすこと、全てがあなたのコピペ・物真似だったサイコパス。
その後、あなたを三角関係の泥沼へと引きずり込んだよね。
あれも、周囲の人々があなたに冷たい眼を向けるようにとあいつが仕組んだ罠だった。


今改めて考えてみると、本当にクズ以下のどうしようもない奴だ。
なのに、あなたはさんざんあんな奴に踊らされた挙句、ゴミクズ同然に捨てられた。


あなたの心と頭のエネルギーは、もっと別の、もっと優れた目的のために使うべきだよ。
...自分を大切に扱わなくっちゃ。
幸せにならなくっちゃ。



「この苦境から這い上がるのは永遠に無理なんだろうか」なんて、弱気は禁物。
たとえどんなに長い時間がかかろうとも、諦めちゃいけない。
あなたの心の中にある豊かな共感力が完全に息絶えることなど、絶対にありえない。
今も、これからも、ずっとあなたの中で生き続けていくはずだ。
機が熟したらちゃんと息を吹き返すよ。
新しい、美しい姿となって見事にカムバックを果たすと思うよ。



良い日もあるだろう。さえない日だってあるだろう。
でも、あなたは間違い無く自由への道を歩き始めている。
命ある限り続く自由の地へと至る道を、既に歩き出している。


今の段階で大切なのは、「これ以上自分を責めてはいけない」ってこと。
早く元の自分に戻りたい、私、こんなところで何ぐずぐずしてるんだろう...と焦ってはいけない。
いつまで経っても苦しみが終わらない、だから自分はサイコパスに「負けた」も同然だ、なんて考えちゃダメだからね。



あいつのことはどうでもいい。今後一切関わることは無いから。
あなたの旅路は、あなた一人だけのためにあるんだ。



もっとゆったりと構えてみたらどうかな。
自分にじっくり向き合う時間を取るように心がければ、治癒のプロセスもはるかに楽になると思うよ。
新しい場所に移るのもいいだろう。
新しい友達を作るのもいいだろう。
回復への道が少しでも快適なものになるよう、工夫することはいろいろある。



それにしても...

ここまで長々と引きずらなくっちゃいけないのは、一体どうしてなんだろう?



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