2018年5月29日火曜日

回復への道~まさかここまで引きずるなんて。どうして?③

化学反応

サイコパスと被害者の間には、感情面でも、性的な部分でも、非常に濃密で、おいそれとは断ち切れないような強力なつながりが生じる。
被害者が一度強力な磁石のような力でサイコパスに引き付けられてしまうと、サイコパスの許可無しでは何一つできないようになる。
奴らは、そうなるようにと被害者を調教していくんだよ。


はじめの頃は、あなたが何を言おうと、何をしようと、あいつの口からはとにかく賞賛の言葉しか出なかった。
それがひとまず一段落したとなると、あなたの方でも「もう大丈夫だろう」とほっと一息ついて気を緩めるようになる。すると、相手のほめ言葉一つで自分の値打ちが上がったり、下がったり、という依存症めいた状態へと引きずり込まれていくのだ。
あなたの幸福も、不幸も、あいつの舌先三寸でどうにでもなる、というような状態だ。


そもそも、「幸福」とは、脳内で起こる化学反応が決めるもの。
人間が「ああいい気分だな」と感じられるのは、ドーパミンとドーパミン受容体の放出が行われた時である。
ドラッグと同じ仕組みだね。




サイコパスと付き合い始めた頃のこと、思い出して欲しい。
あいつと一緒にいると、とにかく不思議な高揚感で全身が満たされていたんじゃないかな。
だけど、あなたがその高揚感に依存するようになっていった頃と時を同じくして、あいつはあなたから少しずつ距離を置き始めた。


一方、あなたの方は例の「ハイな感覚」がどうしても忘れられないから次第に心身のバランスが崩れていく。
もっと欲しい。もっと味わいたい。高揚感への飢えは、もう止まらない。
なのに、あいつと来たら、ますます愛と承認とを出し惜しみするようになっていったよね。
それもこれも、あなたを慢性的に飢餓状態に置いておくことが目的だったからだ。陰ではありとあらゆる汚い手を使っていたはずだよ。



劣等感、そして他人との比較

パートナーに浮気された、との経験を持つ人は少なくない。
世の中にはそうした被害者同士が励まし合い、立ち直るためのサポートグループも何千と存在している。
たかが浮気、されど浮気、だ。裏切りを受けた側の心の傷跡はそう簡単に消えるものじゃない。


自分に自信が持てなくなり、人と自分とを何かと比べるようになる、というのがパートナーに浮気された人に見られる典型的な後遺症だ。
辛い経験から立ち直るまでに何年もかかった、という人だって大勢いる。


ここで、愛する人から裏切られた経験を、サイコパスが意図的に仕組む三角関係と関連付けてみたい。
あいつはあなたのことを裏切り、他の相手に走った。ここまではいわゆる普通の三角関係と違うところは無い。


...だが、あいつの場合はこれ以降が違うんだ。
あなたの目の前で、わざと楽しそうに振舞って、相手とのイチャイチャぶりを見せつけて来たよね。
この人と一緒になれてどれほど幸せか、ってことを、これでもか、これでもか、と得意気な様子でもってアピールしていた。


普通、パートナー以外の人に心を移した人には、後ろめたさや、罪の意識といったものが付いて回るものだが、あいつの場合、そんな様子は微塵も漂わせていなかったよね。
ツーショットの自撮り写真を嬉しそうに公開し、友達に「サイコーに幸せです!」なんて大声上げて拡散していたじゃないか。


かつてサイコパスによって【理想化】の対象に選ばれ、さんざんまつり上げられた経験を持つ人にとって、奴からのこうした仕打ちがどれほど心にダメージを与えるか、なんて、今更僕が説明する必要も無いだろう。
三角関係に巻き込まれたというだけでも、そこから完全に吹っ切れるまではかなりの時間がかかるというのに。




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