2018年7月13日金曜日

「できる・できない」を見極める/信じよう、自分だけの真実

「できる・できない」を見極める


サイコパスという人種が実在すると知って、私は「うわぁ、こんな邪悪な奴等がこの世界にいるんだ...」とひどい胸焼けを覚えたものだ。
関係は既に終わっていたけれど、さすがに例のサイコパスが嬉々として新ターゲットの元へ走ったと聞いた時には、半端じゃない落ち込みを経験した。


破局以来、身も心もボロボロになった私。
命をつなぐのがやっとの毎日だった。
なのに、あいつにとっての私は、既に虫けらレベルの存在にまで落ちていた。
死のうが生きようが、もうどうでもいい...。
そこに気付いた瞬間、奈落の底に突き落とされたような気持ちがした。


やがて私は、幸せそうなあいつの様子をまざまざと見せつけられる。
胸が張り裂けるかと思った。
次に浮上してきたのが、自分を恥じる気持ち。
一番後に噴出したのは、あいつへの燃えたぎる怒りだった。


こうなったからには、あのサイコパス野郎の怪物じみた本性を公の場で一気に暴いてやろう、とさえ思った。
新しい彼女に直接会って「あんな奴、さっさと別れた方がいいよ」って説き伏せたくなった。
きちんと頭を下げさせて、「すまなかった」とあいつの口から言わせてたかった。
正義の名の下に、あいつを私と同じような痛い目に遭わせてやりたかった!!!


だが、現実はそう甘くない。自分でもそれはわかっていた。
だって、あの嘘吐きマシーンの口に蓋をするなんて、私がどれほど頑張ったところでできるわけがない。
それに、嘘で他人を操り、傷付けて平然としている奴を、私一人の力で阻止するなんてことはどう考えても不可能だった。


仮に今、あいつと交際中の新ターゲットと話す機会があったとしても、あちらは私の言うことなんて頭ごなしに否定するだろう。
第一、あいつが過去に犯した罪を反省し、悔い改める、といった展開になるなんてことは絶対にあり得ない。
そこは誰よりもこの私が一番よく知っていた。


じゃあ、一体どうすればいいのか。
その時その場で、誰の力も借りずに成し遂げられることをやっていくしかない。
まずは自分自身を治す。
そして日々の生活を立て直す。
他に選択肢は残っていなかった。


それからは毎日毎日、少しずつではあるが「今の自分にできることをやろう」と決め、何らかの行動を起こした。
すると、暗雲が立ち込めていた心も次第に晴れていき、日に日に落ち着きが戻るようになっていった。


ただ、何もかもが順調に進んだというわけではない。
自分一人ではコントロールできないことを、どうにかして思い通りにコントロールしたい、という、私の中にしつこく居座る欲望。
これだけはなかなか手放すことができないでいる。いまだに現在進行形で格闘中だ。


とは言え、コツらしきものはどうやらつかめたらしい。
近頃はこのコントロール欲との付き合い方が随分と上手くなってきたな、と思う。
やっと一息つけそう、という段階まで登って来れた。


そもそも、あなたとあいつとの関係はスタートからして普通ではなかった。
何しろ、相手はサイコパスだから。
巷で言う普通の人間関係のように、きちんと「幕引き」できればいいな、なんて甘い期待はするだけ無駄だ。忘れよう。


でもね。


あなたの魂の奥深くにずっと隠されていた、光輝く部分。
これほどの価値ある、貴重な宝物を掘り当てた今となっては、あいつとの間にこの先「幕引き」が起ころうが、起こるまいが、もうどちらでもいいや、どうでもよくなってきた…。


そんな気分になってきたんじゃないかな?





信じよう、自分だけの真実


回復を目指し、ひたすら歩き続けていた当時の私。
今の自分に最大のインパクトを与えた「気付き」が降りて来たのも、ちょうどその頃だった。
今でもはっきりと覚えている。


あれは、自分をようやく信頼できるようになり、「自分だけの真実」は間違いなく存在するんだ、との信念が自分の中にしっかりと根を下ろした、そんな時期だった。


理由はよくわからないが、サイコパスのやること・言うことは、まるで型で押したかのようにどれも似たり寄ったりなんだよね。あまりにも似過ぎていて気味が悪いほどだ。


それでいて、話の細かい部分となると、他の被害者が語る体験談と私自身の体験談とにはほとんどかぶるところは無い。読み終わってみると全く別個の物語だったという印象しか残らないのだから、実に不思議な感じがする。


当時はとにかく自分の身に何が降りかかったのか、理解したくてたまらなかった。
だから、いろいろな人に会い、いろいろな意見を片っ端から聞いて回った。
私、どうしたら早く治りますか?
私って、どういう人間なんでしょう?
これからどのように変わればいい?
何を信じたらいいのでしょう?
...といった具合に。


もちろん、自分との対話を徹底的に重ねたことは言うまでもない。
まぁ、それだって昔からやって来たことの延長線上なんだけれども。


ここで腑に落ちたことが一つある。

【自分の力を低く見積もり、自分のことを信じてやれないような人は、いつまで経っても生きづらさに囚われたままの人生を送る。】


皮肉なもので、私がこのような結論を導き出せたのは、サバイバー達のサイコパス被害体験談を片っ端から読み漁った後のことだった。


全ての体験談の中には、私の身に降りかかった状況と非常に似通った要素と、全く異なった要素とが同時に含まれていた。
そうした体験談を次から次へと読み進めるにつれて、私は自分の行く手に立ちはだかっていた分厚い霧が徐々に晴れていくのを感じた。


ようやく真実がその全体像を私の目の前に現した。
嘘偽りの一切無い、私が体験したものと寸分違わぬ真実が遂に表に出てきたのだ。


【私、ダメ人間なんかじゃない。いいところはたくさんある。】
まったくその通り。

【自分のことを正当に評価できるようにならない限り、真実をありのままの姿で捉えることは不可能だ。】


今回の経験を通じて、このことを痛いほどに思い知らされた。


もちろん、言動全てに100%の自信を持てるようになったか、と問われれば、「いいや、とんでもない!」と答えるしかない。少なくとも、今は。
だけど、昔よりも物事をより広い視野から見られるようにはなった。
心の声に誰よりも何よりも早く気が付き、じっと耳を傾けられるようにもなった。


あなたも、心が発している声をきっと見つけることができるはず。
私にだってできたのだから。
耳を澄まして、しっかりと聞いてあげようね。


最後に、これだけは強調しておこう。

【ノーコンタクト」のまま関係を終わらせることは可能。
悪夢のような日々を手放すことができれば、心の平和は戻って来る。】

これからもサイコパシーについての情報収集や勉強はどんどん続けていこう。
今のしんどい時期をやり過ごすことができれば、本来のあなたに備わった力が目を覚まし、動き始めると思うよ。
もう少しの辛抱だ。


毎日、信じてあげて欲しい。
毎日、慈しみ、そして愛してやって欲しい。
何の飾りも背伸びも要らない、【あなた自身】というかけがえの無い存在を。


あなたを一番上手に導いてあげられるのは、他の誰でもない、あなたなのだから。

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