2018年7月27日金曜日

脱洗脳②

認知的不協和で心はズタズタ。なぜそうなった?~


前項では、「認知的不協和」にさらされた心がどのように揺れ動くのか、実際にはどのように感じられるのかを、経験者ならではの視点で書いてみたつもりだ。
【参考記事:知育ノート「認知的不協和とは?認知的不協和理論の具体例はタバコとイソップ?」 】


ちょうどあなたもその段階に来たところかもしれない。
当時の私は、自分の身に何が起こったのか全くわからず、ただ絶望するしかなかった。


なぜ、私たちは絶望のどん底へと落とされてしまったのだろう?


それは、私たちが
【洗脳】
を受けていたから。


「おかしいのは全てあなたのせいだ」
「問題をこじらせるのはいつもあなただ」


との説を、相手から無理矢理押し付けられていたからだよ。
あなたも。そして、私も。



( ↑新潟青陵大学大学院・碓井真史教授のwebサイトへとリンクします↑)



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「…予測された出来事が"安定剤"として作用するのとは逆に、意表をついた出来事は不安を高める。実際、洗脳では、一旦、"安定剤"に依存させておいて、それを急にわざと与えないことで、不安に叩き落とすのだ。 
突然そうした状況に陥ると、本人は混乱し、何が悪かったのかと自分を振り返ったり、責めたり、相手の気持ちを推し量ろうと、もっとびくびく相手の顔色をうかがうようになる。 
そんな心理状態をしばらく味わわせ、緊張が高まりきったところで、何が気に入らないかをほのめかす。不安な心理状態におかれているだけに、この不安定な状態を解消できるのなら、喜んで妥協し、相手のいいなりになる。」 
(「マインド・コントロール 増補改訂版」電子版、岡田尊司、文春新書、2016年)

嘘、裏切り、守られなかった約束...。
度重なる不誠実な仕打ちに、さすがのあなたも堪忍袋の緒が切れてしまった。
だからつい、感情をあらわにしてしまったんだよね。
もっとも、そうした状況に置かれれば、誰だって同じ反応に出たと思うけど。


なのに、あいつはそれさえも自分の都合のいいようにねじ曲げ、利用した。
そして「何もかもお前のせいだ」とあなたに信じ込ませ、自分の支配下に置き続ける、という汚い手口に出てきた。


そうなると、あなたも「もう一度だけ頑張ってみよう」との方向へと向かわざるを得ない。
「何もかもお前が悪い」。
相手にそう吹き込まれたあなたは、自分の出方次第で状況をコントロールできるのではないか、との錯覚を起こす。
自分が変わりさえすればいいんだ。そうすれば、状況だって変えられる...と。
で、行き着いた先が次のような思い込みである。

「次はもっとうまく立ち回ってみせる。そうすれば、あの人だって以前のような優しさを取り戻してくれるはず。」




そもそも、「自分に100%非がある」というあなたの考え自体が正しくないのだ。
あなたが悪かったのではない。
ただ、状況がクリアーに見えていなかっただけなんだ。
あいつから、【嘘】という名の毒をたんまりと盛られたせいで。


あなたがどんな人なのか。
あいつとの関係ではどういった役割を演じるべきなのか。
毒が脳味噌に打ち込まれ、奥深いところにまで回ったことで、次第にそうした問いにも答えを出せなくなる。
無理もない。毒を盛られたのは、一度や二度ではなかったのだから。


こうして生じてきた状態が、【認知的不協和】だ。
一度はまってしまうと、自分自身の現状に疑問を抱き、そこから脱出するのがきわめて難しくなる。


脱け出すのが難しい理由は、他にもまだある。
あいつとあなたが付き合い始めた頃を思い出してみよう。
理想化、そして「愛情爆弾(love-bomb)」という攻撃でもって、あいつはあなたを見事なまでに陥落させたよね。
残念ながら、それは否定しようもない事実。
だが、あいつはその事実に【認知的不協和】を注ぎ足して、両者をごた混ぜにした。
その結果、あなたを取り囲む世界はますますその混迷の度合いを深めていった。


そこから先は、全てが悪化するばかり。
私って、一体どういう人間だったっけ...。
それすらも、今となってはあやふやだ。


このように【認知的不協和】という濃い霧に包まれていったあなた。
勇気を振り絞り、【ノーコンタクト(絶縁)】という決断へと踏み切り、自分と向き合わない限り、どうにもできない。
濃い霧に視界を阻まれ、進むべき道が一向に見えない。


とはいえ、【ノーコンタクト(絶縁)】を徹底的に貫くこと自体、今のあなたにとってはとんでもなく難しいことのように感じられるのではなかろうか。
それは仕方ないよ。
【認知的不協和】にさんざん荒らされて、もう頭の中はめちゃくちゃ。
筋道立てて考えろ、だって?
冗談じゃない。無理、無理!


...正直言って、今はまだそんな気持ちが強いだろう。
「じゃあ、ノーコンタクトにでも入りますか。」なんて軽く言えるような心境になどとなれるわけがない、といったところじゃないかな。




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