2017年10月27日金曜日

陰湿な陰口 Covert Gossiping①



「ドラマめいた泥沼状態は嫌いだ」
と、サイコパス人間は言う。


だが、時が経つにつれてあなたは嫌でも気がつくはずだ。
あそこまでひどくドロドロした泥沼人生を生きてる奴らなんて、そうそうお目にはかかれない、ってことに。


もちろん彼らだって「別に好き好んで泥沼化させるわけじゃない」らしい。自分は全然悪くない、とも。
先方からの熱烈アプローチで付き合い始めたものの、実は性格悪いと後で判明、別れる前には全てがめちゃくちゃ。ひどいよね。理不尽だよね。

...それが彼らの言い分だ。


あなただって薄々気付いているだろう?
どうやら真相は全く違っていたようだ、ということに。


サイコパス人間は人々を煽って関係を泥沼化させ、敵対関係と競争という渦の中へと引きずり込んでいく。これはいつも変わらない。
巷でよく見る「ドラマクイーン」【注】との一番の違いは、サイコパス人間の場合、何をやるにしても「悪意が無い」かのように外部の人に見せつけている点、であろう。


【注: ドラマクイーンとは(WEBLIO辞書より)
英語のスラングの一種で、自分がドラマのヒロインであるかのように、大袈裟で同情を誘うような、感情的な振る舞いをする女性を指して、批判的に用いられる語。時に男性に対しても用いられると言う。】


こうしたらどう?と、さりげなく提案。
すると、自分と関わりのある人々が続々とぶつかり、大破、炎上。
本人はその惨状を安全な場所からじっくり見物。


僕がタイトルに「陰湿な陰口」【訳注:covert=人目につかない、内密の、覆い隠された...等の意味】という表現をあえて使ったのは、そうやって表に出ることなく人を貶める奴らの陰湿さを伝えたかったからだ。


サイコパス人間の悪企みは、小さな【毒】の種を周囲のあちらこちらに撒くことから始める。


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誰彼構わずつかまえては近くに寄せて、「あなたは素晴らしい」と耳元でささやきつつ、その人をさかんに持ち上げる(理想化)。


ところが、本人がその場から去るやいなや、たちまち悪口大会の幕を切って落とすのもあいつら自身だ。
「悪口大会」って書いたけれども、これだとあいつらの陰口の微妙ないやらしさが充分に伝わらない恐れがあるよね。



サイコパス人間はね、はっきりとした言い方で糞味噌にけなすというよりはむしろ、

「自分は、あの人にひどい目に遭わされた被害者なんです」

って感じに話を持って行くんだ。



どういうわけか、サイコパス人間にいつも辛く当たるような奴がいたとする。
すると、あいつらはこう言う。


「所詮人間です。過ちだって犯すでしょう。でも、ひどい目に遭った被害者は、私の他にも現にいる。気の毒なことです。」


陰口ではなく、みんなからひどく扱われた被害者でありながら、他人をちゃんと気遣う私、という自己アピールでもって反撃するんだ。


あなたもきっと経験したんじゃないかな。
ああ、この人、こんな不平不満の打ち明け相手としてわざわざ私を選んでくれたんだ、って思わなかったかい?
正直な話、相手から特別扱いされてまんざらでもなかったんじゃないかな。


(ね、それほどにまで僕らの善悪の基準はひどく捻じ曲げられていたんだよ。)



ところが、事態は急変。
今やあなたがあいつらの悪口の対象となっている。


何の前触れもなく、あなたは突然諸悪の根源と決めつけられた...
まさかあなた自身が矢面に立たされる日が来るとは。


そうした動きが加速するのは、あなたと相手との関係がほころびを見せ始める頃だ。
「あんなひどい奴に...」とさんざんあなた相手にボロクソに言っていたその対象の元へと舞い戻り、今度はそちらであなたのことを糞味噌にけなす。
で、「あの女/男はおかしい、終わってるね」と、来る日も来る日も嘆き節をうならせているらしい。


これで多くの人はころっと騙される。
そして、「気の毒に」「かわいそうに」の言葉をさかんにあいつらに浴びせかけてやるんだ。


サイコパス人間にしたって、次のターゲットを定めてそっちへ本格移行するまでには時間を稼がなければならない。
暇つぶしする間に誰からも不貞を咎められずに過ごしたかったら、「自分は被害者なんです」とさかんに吹聴して回るのが一番、ってことを熟知しているんだよ。あの連中は。


あなたがサイコパスな相手と付き合っていた頃、一度も会ったことすら無い人々のことを「嫌いだ」「憎たらしい」と感じたこと、一度や二度はあったよね。
でも、それって、サイコパス人間がしょっちゅう自分に都合の良いように話を捻じ曲げたせいじゃないのかな?
...ベタ惚れされてしつこく迫って来たから付き合ったけど、結局はズタボロにされてひどい思いをした、とか。
もしくは彼女/彼があなたのことを死ぬほど嫉妬しているそうだ、とか。
そんな話ばかりゴマンと聞かされたから、じゃないのかな?


この手の話を幾度となく、時間をかけて繰り返し聞いていくうちに、あなたの中には大量の負の感情と妬みとが徐々に積もり積もっていく。
通常の健全な人間関係だったら、まずそういうことは起こらない。
しかも、あなたが自分の内側に積もらせていくのとそっくり同じ負の感情を、他の人々があなたに対しても向けるようになるのだ。
何とも痛ましい話である。


たとえば、あなたがサイコパス側を味方する友人や、その元カレ・元カノとばったり出会ったとしよう。おそらくは笑顔で挨拶してくれるだろう。あなただって、同様に笑顔で応えるに違いない。


だが、一度サイコパス人間の呪いにかかった人間たちの場合、事はそう単純ではない。
笑顔の裏側には、表面とは似ても似つかぬどす黒い部分が必ずや、ある。
誰もが陰で互いへの恨み・つらみをくすぶらせ、しかもそれが日増しに大きくなる一方なのだからね。
無理もないさ。
だって、みんなが他の誰かに敵対するようにと仕向けられてきたんだから。
あいつらの策略によって。


そう。


あなたも、他のみんなも、奴らにとっては単なるチェスの駒(ポーン)のひとつでしかない。


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注目とドラマ無しでは生きていけない連中が暇つぶしとしてやる、チェスの駒に過ぎないんだよ。


駒と駒とは近付き過ぎると互いに情報交換されてしまうので、程よく離れたところに配置する。
かと言って、離れすぎてもまずいんだ。
あなたが自分の立場に常に危機感を抱かざるを得ない程度の、敵の姿が見え隠れするぐらいの、ちょうど良い距離に置かねばならない。


こうしてチェスの駒にされて、巻き込まれてしまった周囲の人々にしても、おそらく本当はその全員が「100%まともな人」なのかもしれない。
あなたがまだサイコパス人間と完全に切れてない段階では、なかなかそうは認めたくないだろうけどね。
そうした周囲の人々だって、君と同じようなやり方で毒を盛られて、洗脳されて、そしてあいつらが吹き込んだ悪評を丸々信じて、敵対的な態度に出ているだけかもしれないよ。



人一倍共感力の高い彼女・彼氏を自認するなら、相手の友達とは積極的に仲良くなって当たり前。その人達に好ましく思われたい、と願うのも当たり前...。
確かに、付き合い始めて間もない頃はそれでも良かった。
だが、三角関係が浮上し、陰口がエスカレートしていくにつれ、あなたの中にはますます多量の彼らに対する負の感情が蓄積されていく。


時にはそんな自分を責めたこともあっただろう。
「あー、やだやだ。私、嫉妬心と恨みつらみの塊になってる。最低だな。」


これこそまさに、サイコパス人間が暮らす現実世界だ。
陰口と嘘でもって現実がひどく歪められた世界。
ついにあなたもその一員として仲間入りだ。


あなたの前に現実世界が二つある。
さて、選ぶとしたらどちらだろうか。


世界1.サイコパス人間はまともだ。
嫉妬深く、性悪で利己主義なのは、他のみんなの方だ。


世界2.嫉妬深く、性悪で利己主義なのはサイコパス人間の方。
他のみんなはまともだ。

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