2016年11月6日日曜日

【コラム】サイコパス人間・最大の敵


サイコパス人間はまず、ターゲットとなる人物を注意深く選び、その人物の性格をそっくりそのまま真似る。
こうすることで、ターゲットの信頼を簡単に勝ち取ることができるし、あっという間に親密にもなれるからだ。
 
だが、真似は真似、演技は演技、でしかない。いつまでもボロを出さずに完璧な演技を続けていられるなんて、およそあり得ないものだ。
だから、ターゲットにされた側でも、サイコパスの仮面にひび割れが生じて来ると、そのうち嫌でも気付くこととなる。
気付いたその瞬間には、あいつらが必死に演じている役柄とはどうしても相容れない、何とも言いようの無い不気味な感覚が身体に走ることだろう。
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もし、勇気あるターゲットが矛盾に気付き、それを本人に直接問いただしたとする。一体どうなるだろうか。
ターゲットが即刻、サイコパス人間から「最大の敵」認定を受けるであろうことはまず、確実である。

そもそも、サイコパス人間自身が、自らの非やごまかしを認めるなんてこと、あり得るはずがない。認めることができないからこそ、サイコパス人間は攻撃の矛先を自分ではなく、ターゲットへと向けて、執拗に攻めてくるのだ。
心理戦、三角関係、ガスライティング、沈黙といった手段を駆使し、自分の手は汚さずに、ターゲットが自分で自分の首を絞めるざるを得なくなるような流れへと持っていく。
 
この時、ターゲットの大半は、自分が病的な人格の持ち主を相手にしていることに気付いてすらいない。「あの人との関係って、どこか普通じゃない...。」とぼんやり感じる程度なのではないだろうか。 
実は、サイコパス人間にとっての最大の侮辱とは、「あの人はどこか普通ではない」といった類のコメントである。普通の健全な人間である、という自らの評判に傷がつくことだけは避けたいと思っている。
だからこそ、彼らの方から一早く「あいつ、おかしいよ」とターゲットに難癖を付けて、先に引きずり下ろさねばならない。言った者勝ちである。

それが済んだら速やかに移動だ。どれほど嘘まみれの話を語ろうとも、サイコパス人間の話に熱心に耳を傾けてくれるような、次の犠牲者が待っているのだから。

("Psychopath Free (Expanded Edition)", Jackson MacKenzie, Berkley, 2015, p.52 )

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