「こんな素晴らしい相手、他にいるはずない」とまで思っていた。
身体のどこに触れられたら嬉しいか、どんな言葉をかけて欲しいか、何をされたら最高の快楽が得られるか、何もかもこの相手にはお見通しだったからね。だから、ベッドの上での相性も最高。そうだろう?
相性は最高、か。
まぁ、そうとも言えるし、言えないかもしれない。
誰にだって性的な欲望の一つや二つぐらいはあるもの。
サイコパス人間は、そうした君の欲望を鏡のように映し出し、実際の行動でもって露(あらわ)にして見せる。
あいつらのやること為すことといったら、どんな時であれ、何であれ、この【鏡のプロセス】を経ているわけなんだが。
© 2010 Milan Nykodym, Flickr | CC-BY-SA | via Wylio |
君としては、誰よりも情熱的に、とことん愛されているとの実感があっただろう。
...それだけに、相手の態度が一変し、君自身の【自我像】が蝕まれていく段階へと移ってからは、まるで強姦(レイプ)されているかのような屈辱感に打ちひしがれたのではなかろうか。
【参考過去記事1 「むしばまれていく、自分らしさ【1】 】
本当のことを言うよ。
サイコパス人間にとって、君が心の一番奥底で大切にあたためていた夢や空想なんて、正直、どうでも良かった。
ならば、一体君の何に注目していたのか。
君の一挙一動。
そして君が発する一つ一つの言葉さ。
隅から隅まで君のことを観察し、得られた情報を基に自分を微調整した上で、相手はどう振舞うべきか、何を言うかを決めていたんだ。
これ、知ったら大ショックだろうね。
それが本当ならば、君を満たしたあの幸せ感も、魂の喜びも、あいつらの方にはこれっぽっちも存在していなかった、ってことになる。
残酷過ぎる真実だ。
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