【以下は2015年4月に掲載済みの部分ですが、今回の改訂新版では加筆・修正が施されてこちらの場所に移動されました。著者の意向を尊重し、再度掲載します。】
あなたを近くにたぐり寄せたい。
だから、サイコパス人間は、「この上なく望ましい人」…つまり、大勢の人に求められ、言い寄られる人…というオーラを自ら作り出しては、さかんに放出する。
あなたとしても、並み居るファン連中を差し置いて、彼らの寵愛を一身に受ける対象として選ばれることで虚栄心がくすぐられるからか、決して悪い気はしない。
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彼らは、自分が人気者だという偽りのイメージを演出することに長けている。
まずは、自分の周りを異性、つまり、友人、元・交際相手、そして、いずれあなたの後釜に座るであろう人々でもって固めることからスタートだ。
取り巻きの人々が、次々に「三角関係」の渦へと巻き込まれていく。
渦中の人々の間に競争心をあおり、互いに戦わせることによって、サイコパス人間の値打ちが(たとえ上辺だけに過ぎないとしても)相対的に上がっていく...。
それこそが、彼らの真の狙いである。
(参考:Robert Greene著、"The Art of Seduction")
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Robert Greene
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※上の本は残念ながらまだ邦訳が出ていないようです。
こちらも同著者によるもの。2015年発売ですので、まだ入手しやすいかも。
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ロバート グリーン
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サイコパス人間は嬉々として三角関係を作り出す。
他のターゲットたちも一緒に引き寄せることによって競争を作り出し、あたかも自分が引っ張りだこの人気ものである、というイメージを醸し出しているんだ。
ターゲットのある者は単にあなたの嫉妬心を煽るだけの目的に使われる。
またある者は、いずれあなたの後継者にしてやろうとの下心から身づくろいさせ、そして使われる。
一時期は分刻みであなた宛てにメッセージを送って来ては、「君は/あなたは自分にとっての【完璧な】ソウルメイトだ!」と大げさに感動しまくっていたくせに、今は何だか引き潮モード。
どうやら、あなたが聞いたのと一字一句違わぬ賞賛の言葉を、シャワーのような勢いで他の誰かへと浴びせかけていることが原因らしい。
こうなると、あなたの方でも黙ってはいられない。
何としてでも愛する彼/彼女を取り戻したいから、猛然と行動を起こし始める。
単にあいつにもてあそばれているだけなのに。
その間、サイコパス人間の毒牙にやられて参ってしまった犠牲者がまたしても誕生。
奴らの言い分を真に受けた彼らは、あなたのことを「キチガイ」「気分変動の波が激しすぎる」「冷たい」人だと信じて疑わないようになる。
あなたへのネガキャン(ネガティブキャンペーン)が背後でますます盛り上がりを見せる一方で、サイコパスは二人っきりになるとまたもやあなたの心をくすぐるような言葉を一つ、二つ...と囁くことも忘れていない。
甘い言葉の一つや二つでもかけておけばいいんだ。
こいつはちょろいから、「まだ望みがあるかも」って信じて必ずついて来る。
とりあえずこのままキープ用ということにして、要らなくなったら最後に処理すりゃいいだけのこと。
奴らの中にはこんな計算が働いているはずだ。
ここで一言言っておきたい。
人間ならば、誰でも恋に落ちるし、恋から覚めもする。
関係が終わるよりも先に新しい恋に出会う人もいれば、終わった後で出会う人もいる。
欺き、また、欺かれる。
それが人間というものだ。
だが、僕がここで扱おうとしているのは、そうしたありふれた人間模様の一コマとは全く違う次元の話だ。
どれほど悲惨で理不尽な話のように聞こえるとしても、単なる人間模様の一コマと、ここでのテーマとは違う。
今からこの項で僕が書こうとしていることを、どこにでもあるようなその辺の色恋沙汰とは一緒にしないで欲しい。
僕はここで、サイコパス的人間がターゲット(被害者)を責めさいなみ、意のままに操るために用いる、極めて特殊な行動パターンの数々に着目し、その仕組みを詳しく説明していきたいのだ。
力(パワー)とコントロール。
それが、サイコパス人間が追い求めているものだ。
自然界に住む大方の捕食動物と大差は無い。
性的に、感情的に、そして物理的に配偶者やパートナーを支配すること。
彼らはいつもそれだけを狙っている。
どうやって支配するのかって?
人の弱みにつけ込み、それをまんまと利用するんだよ。
道理で、あの連中は出会って間もない時期に、注目とほめ言葉とをシャワーのごとく浴びせかけてくる、という「愛情爆弾(love-bomb)」作戦を多用するわけだ。
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...どんなに強い人でも、どんなに自分に自信のある人でも、ひとたび恋の虜となるとたちまち脆くなる。
人間という生き物は、初期設定からして、そういう作りになっている。
何も身体的な攻撃に訴える必要はない。
(実際、そうした暴挙に出るサイコパス人間もいるにはいるが。)
そのようなことをしなくても、一度関係に持ち込めばいいだけのことだ。
特別の関係を結んだからには、あなたを焼きつくし、ぼろぼろにするための舞台装置もすっかり整った。
後はただ、偽りの愛を捏造しさえすればいい。
事情を知らない部外者に「そんな男(女)、何でさっさと切らなかったのよ?」と言われ、ぐさりと来るのは、この辺りにどうやら原因がある。
そもそも、最初からサイコパス人間に虐待され、卑下され、非難されるとわかっていて関係を結ぶ人など、いるわけがない。
あなただって、もちろんそうだろう。
彼らに騙されて、そして恋に「落とされた」のである。
人と人とが結ぶ関係の中で最も強いつながりであるはずの恋に、「落とされ」てしまった。
これら全てはサイコパス人間が100%承知の上でやったことだ。
一体、どうやって彼らはあそこまでパワフルな絆をターゲットとの間に結び得るのであろうか?
手口はいろいろあるが、最も彼らが好むのが【三角関係】の操作、である。
三角関係。
この語を聞いて、被害に遭った人々はたいてい「私、相手、そして次のターゲットとなる(なった)人との関係でしょう?」と考えるようだが、必ずしもそうだとは限らない。
サイコパス人間は、普段から三角関係を利用することに慣れている。
そして、「あちこちで求められている、人気者の自分」という虚像を演出しては、あなたが四六時中彼らのことを考えずにはいられないような心境になるまで追い詰めていく。
誰であれ、その三角形に取り込まれる可能性がある。例えば、
- あなたの家族
- サイコパス人間の家族
- あなたの友人
- サイコパス人間の友人
- 元・交際相手/結婚相手
- 交際相手/結婚相手になる可能性のある人
- 全くの他人
といった具合に、誰でも。
他人を調教する能力にかけては、サイコパス人間にかなう者などそうそういやしない。
彼らは、人々が仲違いして諍いを起こす姿を見て、強烈な幸福感を味わう。特に、彼ら自身の愛情を巡ってあなたと誰かがバトルを展開するような時、その幸福は絶頂に達する。
【参考資料】推薦リンク集のひとつ「モラハラ資料」( http://mora110.blog.fc2.com/ )さんの記事より
「>「自分の見えるところで、他人同士がトラぶってるのをみてるのがたのしい」
「ちょっとぉこの人怒ってやってくださいよー」と自己愛に言われて、騙されて怒ってみたら側に居た自己愛の生ぬるいほくそえみを感じてすぐ我に帰った。自己愛は他人の争い事が大好物。本当に困る。」
(129 モラハラ体験談「対人操作、根回し・陰口で仲間外れにする」)
「人と人を争わせる
・他人同士を争わせて仲違いさせる人 (漁夫の利、対人関係からの搾取)(自分がグループの中心になるための伏線です。陰湿な優越感に浸ってもいます)
・自分の影響力を強くするために不和の種をまき、疑いを生じさせ、人々を仲たがいさせようとする。 」
( 仲間はずれを作りたがる、人を争わせる対人操作)
彼らは事実や状況をでっち上げて、あなたを嫉妬で苦しめる。
また、あなたへの思いが果たして真剣なものなのかどうか、その誠意を疑いたくなるような言動に出る。
普通、付き合っている相手に対しては「信じてくれていいからね」と、自分が信頼に値する人間だということを懸命にアピールしようとするものだ。
ところが、サイコパス人間は、それとは全く逆のことをする。
「他にも相手、いないわけじゃないし...」と匂わせたり、他の人と時間を過ごしたり、といった行動があまりにも頻繁になるから、あなたは絶えず不安に脅かされていく。
一時として心休まる暇がない。
なのに、相手は「そんなことないよ」との一点張り。
わざわざこんな話題を持ち出してくるなんて、おかしいのはそっちだろう、と、逆にあなたの方を変人呼ばわりする始末だ。
(②へ続く)