2017年12月19日火曜日

【コラム】サポーター失格

サイコパス人間は薄っぺらいお世辞やほめ言葉を口にするが、それも相手の信頼を勝ち取るまでの短い間だけ。
本当にサポートしてもらいたい、支えが欲しい、という時にはまるであてにならない、そんな連中なのだ。
相談したところで、生返事が返ってくるか、もしくは完全にスルーされるか、が関の山だろう。


付き合いが長くなるにつれて、あなたは少しずつ相手に調教されていく。
そして、「私の気持ちなんて別に大したことじゃない。そんなことで、わざわざあの人を煩わせる必要は無い。」
と考えるようになる。


つらい目に遭った。
病気になった。
パートナーからの支えが一番欲しい、そんな非常時でさえ、自分の気持ちを押し殺すようになってしまう。


「あの人に対しては、ポジティブなほめ言葉以外は絶対に言ってはいけない」
あなたなら、そう察知するまでに長くはかからないだろう。


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そこまで配慮してやったというのに、所詮サイコパスはサイコパスでしかない。
あろうことか、退屈にしびれを切らして新たなターゲットへと走る、という暴挙に出やがった。


要するに、あの連中は人の痛みや苦しみに共感できないんだ。
だから、あなたがどれほど辛い時期を潜り抜けていようがいまいが、思いやりある態度に出るなんて、到底できやしない。
あいつらには荷が重すぎる。


誰かを支えるようなふりをしてみたところで、何をやっても中身が無くて機械的、としか傍目には映らないんだよね。
なにしろ、共感能力がゼロだから。




【参考資料】
「甘えた人間は、他人を傷つけても、自分が傷付けたということに気がつかない。指をしゃぶっている四歳の子どもがわからないのと同じである他人の心の痛みがわかったら、もはやその人は甘えているとはいえない。 

(中略)

甘えた大人が平気で弱い者いじめができるのは、他人の気持ちがわからないからである。この世に存在するのは自分の気持ちだけである。自分の衝動だけを大事にする、というより、甘えた大人には、この世にそれだけしか存在しないのである。 

だから、甘えた大人は他人を平気で傷つけるが、自分が傷ついた時にはヒステリーを起こして騒ぎまくるのである。

(中略)

甘えた人間と甘えていない人間が接触した時、傷つくのは必ず、甘えていないほうの人間である。
(「自分を嫌うな」加藤諦三、三笠書房、1984、pp. 142-146)

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2017年12月17日日曜日

沈黙

沈黙。


本来のあなたの良さを少しずつ蝕(むしば)み、じわじわと傷めつけていくのが、サイコパス人間だ。
この沈黙、奴らにとっては実に使える凶器となり得る。


一見しただけではわかりにくいが、沈黙は「あなたへのお仕置き」という、れっきとしたあなたへの攻撃だ。
表立ってあなたを操る手間暇をかけるまでもない。
ただだんまりを決め込めばそれでいいのだから。
そうすれば、あなたは奴らの意図にかなうように自然と軌道修正していってくれるだろうから。



相手からぱったりと連絡が途絶えた時。
共感力の豊かな人々ほど、焦りもあって、自分を傷めつける方向へと走りがちになる。


「私、何か悪いことしたかな」
「やっぱり自分のせいだろうか」と、自らを責める。


そのような自責的な考え方ばかりしていると、本来のあなたらしさは次第に「削ぎ落」ちていく。
しくじりを恐れて、言いたいことも言えずに萎縮する一方となる。



沈黙を貫き、他人を罰する。
これはれっきとした虐待、それも冷酷非情な虐待行為だ。
被害者は、自分の直観/直感、そしてこれまで真実だと見なしてきたあらゆる物事に対しての宣戦布告を迫られる。
気が付けば、今闘うべき敵は他ならぬ自分自身、という奇妙な立場に被害者は置かれている。


サイコパス人間は、あなたに元々備わっていた良い部分が蝕まれ、充分に弱体化するまでじっと待ち続ける。
もうこいつは逃げないだろうよ、と確信し、絶好のタイミングが到来するのを待って、一気にトドメを刺しに来るんだよ。
何も自分がわざわざ手を下さなくったって、あなたの方で虐待の続きは全部やり遂げてくれるはず。後は黙っていても、どうせあなたは勝手に自滅するだろうから。
...そう考えているはずだ。



あいつらの悪だくみは、主にSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス。FacebookやInstagramが代表例。)が舞台となって行われる。
「何か裏がありそう」と、読む人の心に引っ掛かるような投稿をあちこちにばら撒いて、あなたの被害妄想をさかんに煽り立てるんだ。

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付き合い始めてからの日々を振り返り、記憶を掘り起こそうとすればするほど、後悔と自責の念に苛まれていくあなた。

「どうしてあんな反応に出てしまったのだろう。」
「あんな風に思うなんて。バカだったな、私。」

といった具合に。


真夜中にふと目が覚めた。
「ひょっとして、あの人から連絡来てるかも」
はやる気持ちで、あなたは枕元のケータイへと手を伸ばす。


新着0件。
で、そのままFacebookを開く。

するとそこには、何と、あなたの大切な「あの人」が、友人や元彼女(元彼氏)を相手に、チャットで大いに盛り上がっている、という驚きの光景が繰り広げられていた。


「忙しくて、会えない」は嘘だった。
あなたのことは「スルーしたい」というだけだったのだ。


もちろん、「あの人」があなた一人を相手に延々と、連日連夜おしゃべりに付き合ってくれることは、今後も期待できなさそうだ。
それは、あなたも充分承知している。
付き合い始めて間もない頃は、1時間に1回というすごいペースでメッセージが送られてきた、という時期もあったけどね。
今思うと、夢のような日々だった。


犯罪者、それも執行猶予中の犯罪者になったみたい。
あなたはそう感じているのではないだろうか。
何の罪を犯したのかも一切知らされないままに放置されているのだから。



受動攻撃的【注】な振る舞いが抑えられない人もいるだろう。
どうして急に冷たくなったの、せめて連絡ぐらいくれてもいいじゃない、といった相手への不満を長々とメールに書いてはみるものの、送信はできない。
ずっと下書きフォルダに置いたままだ。

【注:Wikipedia 「受動攻撃行動」の項より。
「受動的攻撃行動(じゅどうてきこうげきこうどう、英語: Passive-aggressive behavior)は、怒りを直接的には表現せず、緘黙や義務のサボタージュ、あるいは抑うつを呈して相手を困らせるなど、意識的無意識的にかかわらず後ろに引くことで他者に反抗する(攻撃する)行動である。」


「もう、私たち、終わりにしない?」
こちらから提案してみようと思い立ってはみるものの、その決心は数時間と持たない。



心を平らかにし、沈着冷静でいなくっちゃいけない。
おかしいことなんて何一つ無い、という姿勢を貫かなくては。
そうすれば、自分を無視し続けるサイコパス人間を出しぬき、優位に立てるはず。
「重たくつきまとう彼女(彼氏)」という印象を与えられずに済む...。



だが、このゲームにおいては、きまって奴らの側に軍配が上がる。


そもそも、あいつらはあなたの関心なんかもはや必要じゃなくなったんだよ。
ーーー既に、新たなる人材を捕獲した可能性が高いのだから。


そう。
サイコパスな交際相手があなたを無視し始めた、何日間も音沙汰が無い。それは「新ターゲットを見つけた」時だと考えて構わない。
仮に、まだこれといった人材を捕まえていないとすれば、あいつらの全努力は依然としてあなた一人へと一極集中しているはずだから。



今やあなたは単なる障害物へと成り下がってしまった。
エキサイティングで目新しい人材をを見つけた今となっては、あなたから寄せられる感情など、ただ鬱陶しいだけ。目の前のホットな恋愛活劇を鈍らせるスピードバンプ(減速帯)のように、邪魔物でしかない。


スピードバンプ。
http://maine.gov/mdot/csdold/images/MHS6a.jpg

まぁ、その辺に関しても、あいつらから口を割ることはないだろうが。


だから当然、あなたが必死に送り続けるメッセージの数々も、一応目を通しはするが、リプライはしないはずだ。
そのうち、「しつこい」「頭おかしい」「重たい」と難癖つけて、あなたへのバッシングを本格的に開始してくるだろう。


電話での対話や直接会って話すことを要求しても断固拒否してくるに違いない。
もっとも、完全にあちら側のペースで事を運べるのであれば、応じることだって無きにしもあらず、だけどね。


もはや、あなたへの虐待は火を見るよりも明らかだ。
奴らはあなたのことを軽蔑している。
それは間違い無い。


だが、ここまでひどく関係が悪化していても、奴らの方からあなたを捨てるつもりは、無い。
少なくとも、この時点では、まだ。


どうやら、お楽しみは温存しておきたいらしい。
この先訪れるであろう「しかるべき時」のために。


2017年12月9日土曜日

【コラム】探偵

嘘つきやマニピュレーター(他人を操る人)と関わり合いになってしまうと、僕たちはどういうわけだか「探偵」の真似事をしてみたくなるらしい。

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でも、それにはちゃんとした理由がある。
僕らの直観が「こいつ、実はかなりヤバい奴だぞ」と告げてくれているから、黙っていられなくなり、ついつい探偵もどきの行動に出たくなるのである。


嘘つきやマニピュレーターって、なぜかどいつもこいつも型で押したように言行不一致な奴、と決まっているんだよね。
少し観察すればわかるよ。
あいつらが口を開けば、出てくるのは言い訳、そして「自分は悪くない、他の奴が悪い」という責任転嫁の言葉ばかり。
話の辻褄さえ合わせられないくせによく言うよな、って思うけど。


あなたにも、あいつらのねじ曲げられた話に混乱させられ、挙句の果てに「嫉妬心が強すぎ」だの、「神経過敏過ぎる」だの、「被害妄想激しい」だの、一方的に決めつけられた経験があるだろう。


だけど、今、こうして一部始終を振り返ってみると、あなたが「頭おかしい」と罵られたのは、決まって【相手の方があなたに嘘をついていた】時ではなかっただろうか。
100%、一つの例外すら無く。


もうわかったよね。
あいつらの口から出た言い訳はどれもこれも、別の詐欺、不貞行為、もしくはついたところで大して役に立ちもしない嘘(ただ楽しいからつく、下らない嘘)を覆い隠すための、単なる出まかせでしかなかった、と。

【参考資料①】
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「ここでモラル・ハラスメントの加害者が相手を不安にさせるためによく使う方法をまとめておこう。 
ーーー政治的な意見や趣味など、相手の考えを嘲弄し、確信を揺るがせる。
ーーー相手に言葉をかけない。
ーーー人前で笑い者にする。
ーーー他人の前で悪口を言う。
ーーー釈明する機会を奪う。
ーーー相手の欠陥をからかう。
ーーー不愉快なほのめかしをしておいて、それがどういうことか説明しない。
ーーー相手の判断力や決定に疑いをさしはさむ。」
 
(「モラル・ハラスメント 人を傷つけずにはいられない」マリー=フランス・イルゴイエンヌ著、高野優訳、紀伊国屋書店、1999、pp. 182-183)

裏工作でじわじわと人を苦しめていく、達人。
それがこの、サイコパス人間という人種だ。


おおらかで楽天的だったかつてのあなたははるか彼方へと消え去り、今では自分のやることなすこと全てにも疑いを向けるような性格へと変えられてしまった。
あいつらのせいだ。
出る気などさらさら無かった借り物競争にいきなり放り込まれ、走らされた。
あの頃のあなたは、そんな心境にあったのではないだろうか。

【参考資料②】 
「モラル・ハラスメントの加害者は相手を不安に陥れ、その考えや感情を疑わせるように仕向ける。その結果、被害者は自分が自分であるという感覚を失い、考えることも理解することもできなくなる。 

加害者の目的は被害者のアイデンティティーを否定して、被害者が身動きできないようにすることだ。こうしておけば、加害者は相手との対立を目に見えないものにし、相手を失わずに攻撃を仕掛けることができる。 

加害者は被害者をいつまでも自分のものにしておくことができるのだ。」 
(イルゴイエンヌ、前掲書、p.183)

2017年12月8日金曜日

【再掲】三角関係という責め苦④

こうした筋書き通りに事が運ぶには、どれだけの計算と計画とが働いているか、考えてみてほしい。


基本的にサイコパスは狡猾で冷酷。
自分が何をしているかはちゃんとわかっているはずだ。
あなたを窮地へと追い込み、「ひょっとして、おかしいのは自分の方かも?」と疑わせようとしているんだよ。
目的達成のために三種類の異なる仮面を使い分けるなど、奴らにとっては朝飯前だ。


彼氏や彼女と別れて間もない頃は、普通の人ならば「新しい交際相手ができた」などと大っぴらに公言したりはしないよね。
何となく後ろめたい気持ちがあるから、しばらくの間は秘密のままにしておくものだ。



だが、サイコパスな奴らはその辺の感覚からして普通じゃない。


さっさと新しい関係へ乗り換えるばかりか「今、新しいパートナーと一緒。とても幸せです!」と、堂々と公式発表することをためらわない。

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しかも驚くのはまだ早いよ。
何と、彼らは、あなたの口から「良かったね」「おめでとう」といったお祝いの言葉を期待しているのだ。
そんなの無理、できない、との声が奴らに届いたら最後、あなたには即座に「恨みがましい妬み屋」との烙印が押される。


関係破綻後のこの時期にサイコパス人間がやっていること。
それが、「廃棄処分後の人物査定(post-dump assessment)」という作業だ。


もし、あなたが彼らの前にひれ伏し、這いつくばってでも許しを乞おうという姿勢を見せれば、「まだ利用価値あり」との評価が得られる。
必死に懇願するあなたの姿を見れば、嫌悪感と一緒に快感も得られると知っているからね。


逆に、あなたが反撃に転じ、奴らの嘘八百を次々に暴露し始めたらどうなるだろうか。
おそらく、全力であなたを苦しめ、破壊しようとするだろうね。
仮にあなたが後から謝罪しても、サイコパス人間の気持ちが覆ることはそうそう無い。
一度自分に歯向かったターゲットへの憎しみは、生涯消えずに残るはずだ。


とにかく、あなたはあまりにも多くを見過ぎてしまった。
...仮面の下に隠された、「略奪者」の素顔を。



あいつらと仲が既に終わっていても、厄介事はまだ終わらない。
サイコパス人間は、三角関係という狂おしい状況にあなたを再び巻き込もうとするからだ。
あなたの目の前で新パートナーに手を振ったり、写真を投稿したり、「今はハッピー!」といった声明をネット上で発表したり、といった具合に、いちいちあなたの神経を逆撫でしてくるだろう。
新しい相手と一緒の毎日は最高に幸せで、これ以上無いほどパーフェクト!と、必死にアピールしてくるはずだ。


実は、これにはまた別の意図もある。

「自分たちが別れる原因を作ったのは、この女(男)のせいだ!全て、こいつが悪い!」

と、あなたに思わせ、新ターゲットを憎むように仕向けたいんだよ。
新ターゲットを盾にして、真の加虐者である自分の姿を隠しているんだね。


これほどにまで破壊的な心の虐待者を前にして、一体どうやって自分の身を守ればよいのだろうか?


まず、あなたは

自分自身を尊重すること
(self-respect) 

から学び始めなければいけない。
これについては、本書の後半で詳しく触れるつもりだ。


とりあえず、今はこれだけ言おう。

【人付き合いにおいては、
自分にとってどこまでが許容範囲内で
どこから先が拒絶すべきことなのか、線引きをきちんとできるようにならないといけない。】

嘘をついて騙し、人と人とを敵対させるような奴。
ただのクズ人間である。
そんなクズ人間に付き合うなんて、時間の無駄だ。


また、あいつらの理不尽な行動に振り回されて、苦しい説明をひねり出さずにはいられなかった過去の自分に「どうかしてた」「頭おかしい」なんてことも、どうか言わないで欲しい。


まぁ、そう言いたくなる気持ちも理解できるけどね。
でも、あなたの場合、一見しただけではそれとは見抜けない、陰湿で、歪みだらけの悪しき企みに巻き込まれていたのだから、おかしくなっていたわけじゃない。


ここで僕が紹介したいのが、【探偵ルール】。


ルールといっても、内容はごく単純だ。
ある特定の人物が気になって仕方がない、としよう。
もし、その人物の身辺調査、つまり、探偵の真似事をし始めた自分に気付いたら、すぐにこのルールを発動させてほしいんだ。

「そいつは即刻、あなたの人生から永久に追放処分としろ。」

これが【探偵ルール】である。


僕が前に書いた【いつもさん(Constant)】のこと、覚えているだろうか。

「いつもさん」~The Constant~ 【1】  
「いつもさん」~The Constant~ 【2】

あなたにもきっと【いつもさん】と呼べる存在がいるよね。
その人たちに対して、探偵の真似事をしよう、貼り付いて身辺調査してやろう、なんてこと、まさか思わないよね?


【いつもさん】のFacebookページにストーカーよろしく貼りついては、「この一言、どういう意図で書いたんだろう...?」
「この行動、何のつもり?」なんて具合に、いちいち疑心暗鬼になったりするかい?


するわけないさ。
当たり前だよ。


どうやら、ぼんやりと答が見えてきたね。
そう、パートナーとの間で生じた問題は、あなた自身の「中」から来たわけではなかった。
あなたの「外」から持ち込まれたもの、だったのだ。


【参考記事】
「いまひとつ[引用者注:嫌悪感に加えて、の意。]、邪悪なものにあい対したときのわれわれに生じる反応がある。それは混乱である。
 
ある女性は、邪悪な人間に出会ったときの自分に生じた混乱を、『突然、自分が考える能力を失ったかのようだった』と欠いている。この場合もやはり、その反応はきわめて適切なものである。
うそというものは混乱を引き起こすものである。
 
邪悪な人間というのは、他人をだましながら自己欺まんの層を積み重ねていく『虚偽の人々』のことである。
患者にあい対したときに混乱を感じた施療者は、まずはじめに、この混乱は自分自身の無知からくるものではないかと疑うべきである。
 
しかし、それと同時に、こう自問すべきでもある。『この患者は、私を混乱させるようなことをしているのではなかろうか』(p.125)

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そこはかとなく漂う不信感の正体を突き止めるのは、難しい。
「特にこれといった根拠も無いし...」と打ち消したくなる気持ちも、わかる。


でも、今は自分の直観/直感を信頼するんだ。
くよくよと思い悩むのは、もうやめよう。
自分の知力を疑問視するのも、もうやめよう。
あれこれと仮説を立てるのをやめて、立ち上がり、行動を起こす時が来たんだ。


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あなたを苦しめる毒人間。
まずはそいつをあなたの生活から閉め出そう。
すると、摩訶不思議なことに、不安感がスーッと遠のいていくことに気付くだろう。


誰かが意図的にあなたを傷付けようとしていたのか。
真相はあなた一人にしかわからない
同様に、自分にとって何が最良なのかも、あなた一人にしかわからない。
誰かのそばにいて良い気分になるか、イヤな気分になるか。
これも、自分自身で決めるしかない。


「お前の感じ方は間違っている」
そんなこと、他の誰にも言われる筋合いなど無いんだ。


例の質問、覚えているかい?
そう。
「今日、あなたはどんな気持ちでいますか?」
だったよね。


この問いに出すあなたの答え。
何よりも大切にしなきゃいけないのは、そこ。


三角関係は、巻き込まれた人それぞれの心に後々まで消しがたい心の傷を残していく。
被害者が「嫉妬の鬼」「物欲しげな奴」「自信のかけらも無い、腑抜け」などといった負の暗示にかかってしまったら、立ち直りは一層困難になる。


だから、まずは心の傷を治そう。


あなたが今抱えている自信の無さは、サイコパス人間の虚言・妄言と捏造工作が生み出したものだ、と理解しよう。
本当のあなたとは違う。


あなたは本来の自分らしさを見失っていたよね。
相手から操られるがままになっていたから。


心優しく、愛情あふれ、広い心を持つ、思いやりのある人間。
そちらこそが、あなたの本来の姿だ。
もう二度とそのことに疑いを挟んだりしてはいけないよ。

【この項、終わり】

2017年11月29日水曜日

【コラム】取り巻き

毒性の強い人々の背後には、必ずや熱心なファン達がつき従っているものだ。
人目を避けてパートナーを虐げているようなクズ野郎にも、それなりにファンがいる。
あいつらが何をしようが、誰を虐待しようが、ファン達は今日も奴等に声援を送り続ける。



この、取り巻き連中。
マニピュレーター(過去記事参照)がばらまいた、薄っぺらいお世辞という毒餌を食べたがゆえに、知らず知らずのうちに手なずけられてしまった人々なんだよね。
だから、まともに物が見えているはずがない。


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ファンクラブ内では常に何かがうごめき、また、人の出入りも激しい。
何せ、その中心はサイコパス人間だからね。
深い、意味のある人間関係なんて、誰とも結べるわけがないんだよ。


要するに、サイコパス人間が求めているのは、他人からの絶え間ない関心、そして賞賛の言葉だけ。
それ以外は正直、どうでもいいらしい。


口先だけのお世辞さえまともに言えないような者は、ファンクラブから追放。
後釜にはお世辞のうまい新人を速やかに据えることで、一件落着、となる。



2017年11月22日水曜日

【再掲】三角関係という責め苦③

サイコパス人間のもう一つの得意技。
それは、自分の周囲を「与える人(givers)」
...つまり、人の世話をすることに自らの存在価値を見出すような、自信の無い人...でガッチリと固めることだ。
交際中のあなたが相手にどれほど尽くそうと、大してありがたがられないばかりか、「代わりなんて他にもいるよ」と言わんばかりの態度が返ってくるのも、取り巻き連中のおかげで強気に出られるからだ。


彼らは、あなたと異なるタイプの人々を賞賛するようになる。
あなたとは似ても似つかぬ、全く逆の性質を持つ人をほめ称えることだってあるだろう。

いずれの場合も、そうした言動から伝わってくるのは、

【あなたは、もう特別な存在でなくなってしまった】
【あなたは、所詮置き換え可能な存在に過ぎない】

という、実に露骨なメッセージだ。


彼らが「当然受けてしかるべき賞賛」を、あなたが十分に与えなかった、としよう。
心配要らない。
サイコパス人間は、常に他の供給ルートを確保しているからね。


また、あなたがどれほどポジティブな関心を寄せようと、結果は同じ。遅かれ早かれあなたは飽きられる。
そう。
彼らは、あなたのことなど、必要としていない。
実際、彼らの周りに群がる取り巻き連中には散々甘やかされているし、今後もその状態が変わることはないだろう


そんな彼らの姿を見せつけられると、あなたも「この人、やっぱり素晴らしい人に違いない。」とつい、信じてしまいそうな誘惑に駆られるかもしれない。
だが、よくよく周りを見回してみるがいい。
サイコパス本人、そしてその取り巻き連中。
何とも言い難い、みじめったらしい雰囲気を漂わせていることに気が付くはずだ。


さて、三角関係も最終局面を迎えた。
サイコパス人間は、とうとうあなたを切り捨てる決断を下す。
この時点から、彼らは堰を切ったようにあなたに向かって不平不満をぶつけてくる。
「もうこんな関係にはうんざりだ」
「付き合っていても楽しくない」
「君の行動にはもうついて行けない」といった具合に。


そこで新たな人物が話の中に登場してくる。
大抵の場合、それは「ある親しい友人」。
サイコパス人間は、あなたとの間に起こっている問題を、この「友人」にあること無いこと事細かにぶちまけたらしい。
そして、「その彼女/彼氏との関係、あまり健全じゃないと思う。」との同意を得た、という結論部分だけ取り出してあなたに伝える。


相手が陰でそのような工作活動をしているなどと夢にも思わないあなたは、サイコパス人間をつかまえようと必死にコンタクトを取ろうとする。だが、それも相手は全て平然とスルー。
「問題があるのなら、どうして直接私に話さないのだろう...だって、これ、他ならぬ私たち二人の問題じゃない?」
話が全く見えていないあなたは、ただ途方に暮れるばかりだ。


あなたの「どうして?」への答え、奴らに代わって僕が教えようか。


要するに、あなたを切り捨てるという結論は、奴らの中でもうとっくの昔に出ていたんだよ。
...今はただ、あなたを苦しめることだけしか考えていないはずだ。


【参考資料】 
「(...)モラル・ハラスメント的なコミュニケーションにおいては、加害者は言葉を奪うことによって、被害者が考え、理解し、行動することができないようにする。会話を拒否することによって、加害者は目に見えない対立を深刻化させ、それどころか、現実に起こったことの責任を全て相手に押しつけることすらできるのである。
(中略)
対話を拒否するというのは、言葉にはよらない形で、『あなたには興味がない』と伝えているということだ。あるいは、『あなたなどは存在しない』と...。」(pp.168-169)

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では、この辺でサイコパス人間が主演を務める三角関係劇に絡んでくる主な登場人物・3組を紹介しよう。


サイコパス人間は、この劇ではいずれの相手役に対しても別の仮面、そして別の振舞い方をうまく使い分けなければならない、という非常に難しい役どころを演じている。


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キャスト1.あなた
たいていのまともな人間は、交際相手に浮気したことが発覚した時点で「気まずいな」「後ろめたいな」と感じるものだ。


だけど、サイコパスは違う。
あいつらは、自分が不貞行為を働いたことをわざわざあなたに知らせようと裏工作するんだ。
もちろん、自ら進んで口を割るようなことはしない。


たとえば、悪びれずに誰かといちゃついて見せる(Facebook上でやることが多い)というのもそうした裏工作の一つ。
また、「〇〇、俺と寝たいと言ってるらしいよ」と自慢気にあなたに向かって言ったりもする。
その言葉に対してあなたが不快感を示すと(当たり前だ)、「君、おかしいよ」「また嫉妬してるんだろう」と非難めいた言葉で応戦してくる。


このサイコパス人間は、あなたと向き合う場面ではこそこそと怪しげな振る舞いをし、曖昧かつ上から目線な物言いばかりしているはずだ。
あなたが「私たち、こんな調子で本当に大丈夫なんだろうか」と疑心暗鬼状態からなかなか抜け出せないとしても、無理は無い。



キャスト2.新たなターゲット

この時点では、まだ新ターゲットへの攻撃は開始されていない。
その代わり、サイコパス人間はあなたに続く犠牲者となるであろうこの新ターゲット(「お気に入り」)を近くにおびき寄せるための作戦として、間もなく目の前で始まるあなたの自滅劇をちゃっかりと利用する気まんまんでいるのだ。


あなたは崩れ落ちそうになりながらサイコパス宛に何度も何度も必死にメッセージを送るはず。
あいつらはそのメッセージをそのまま新ターゲットに見せる。
そして、「ほら、あいつはここまでおかしくなってるんだよ。」と嘆いて見せて、新ターゲットからの同情を買うんだ。


これ以降、あなたに代わって新ターゲットがサイコパス人間の賞賛を一身に受け始める。
「今は信じられないくらいハッピーだよ」といちいちあなたとの比較を交えて説明するから、当然、新ターゲットは有頂天になるよね。
何たって、自分は「虐待」していた最低パートナー(あなた)からサイコパスを救い出した功労者なのだ。浮足立つのも当然だ。


新ターゲットにサイコパス人間が見せるのは、「無実の被害者(加害者はあなた)で、(あなたの魔の手から)救出してもらいたがっている人」という仮面。
奴らは、新ターゲットの耳元にささやく。
「本当に君のおかげで助かったよ。君のおかげでまた幸せな日々が戻ってきた。」



キャスト3.ファンクラブ/取り巻き

サイコパス人間にとってのもう一つ大事なエネルギー補給源となるのが、彼らを取り巻くその他の友人関係である。


どれほど鈍感な人であっても、傍から見ていれば、親密な恋愛関係に激震が走った時は「何かあったんだな」と直感せざるを得ないものだ。
だからこそ、サイコパス人間は次の行動に出る際にも慎重に慎重を重ねる。不貞行為を大っぴらに行い、こちらの犠牲者をまた次の犠牲者に一気にすり替え、といった野暮なことはしない。
全ては秘密裏に進行させていく。


そこで奴らが利用するのが、友人たちである。
今、付き合っている相手との間に問題が生じていて、自分がどれほど辛い思いをしているか。
サイコパス人間は、そんな悩みを複数の友人たちに向かって切々と、深刻な調子で訴える。
薄っぺらいお世辞の一つや二つもサービスしてやればいいさ、そうすれば自分を裏切るようなことはしないだろう、と、嫌らしい計算を働かせながら。
要するに、これから発生するかもしれないダメージに対しての予防線を張っておきたい、というわけだ。


明らかに不貞行為をやりながら、それでもなお、友人の前ではいい顔していたい。好人物として評価されたいんだよね、あいつらは。
だから、いついかなる時でも応援してもらえて、拍手喝采をくれるような自分専用のファンクラブをがっちりと確保しておくことが一層大切になってくるんだ。



新ターゲットのお披露目を行い、「今は最高の毎日だよ!」と発表する。
そのような場面でも、ファンクラブ会員には自分の選択を100%サポートし続けてもらいたい、と思っているらしい。


その一方で、サイコパス人間が「友人」、つまり取り巻き連中からますます応援されればされるほど、それに反比例するかのようにあなたの混迷度は一層悪化していく。
「みんな、どうしてあんな人の言い分を鵜呑みにするんだろう?」
あなたには、友人達から寄せられる好意的な反応が不思議でならない。


無理も無い。
このサイコパス人間がファンクラブに見せている顔は、あなたが見ているそれとは全く違うのだからね。
相手によって、見せる仮面がまるで違うんだよ。


話好きで、チャーミング。
気の毒に、と慰めの言葉を必要としている。
とりあえず、取り巻き連中の目に映るサイコパスはそのような人物である。


新ターゲットのお披露目にあたっても、「おめでとう!」「良かったね!」というポジティブな言葉を浴びせかけてもらえれば、たちまち元気が回復。
喉から手が出るほど欲しい一座からの声援を受けて、その大根役者ぶりにもますます磨きがかかっている。


2017年11月21日火曜日

【再掲】三角関係という責め苦②

【①はこちら。→http://sayonara-psychopath.blogspot.com/2017/11/blog-post_21.html 】


ここで困った事が生じてくる。
あなたは相手から高度の興味・関心を注がれることに、すっかり慣れきってしまった。
最初にサイコパス人間からの誘いに乗り、釣られたあなたは、彼らが別の誰かに目移りしたことを知り、人格攻撃を受けたかのように感じ、錯乱状態へと陥る。
サイコパス人間はそれを承知の上でやっている。


あなたと二人で立てた計画を「ど忘れした」と言ったり、しょっちゅう悪口を言っていたはずの友人達と何日も一緒に過ごしたり。
こんなのは序の口に過ぎない。
あなたのことなんて無視して、さっさと自分の家族の元へ帰っては、そこで過ごす時間がだんだん長くなっていく。
「全く、どいつもこいつもひどい奴らばかりでね」と嫌っていた、サイテー家族だったはずなのに。


また、身内に不幸が起こると、真っ先に連絡を取るのは元・交際相手の方。
「彼女/彼との友情は『特別』なんだよ。どうせわかってもらえないだろうけどさ。」と、あなたに言い訳する彼ら。
たいていの場合...全部が全部、とは言わないが...、その「元カノ」「元カレ」って、以前彼らが「あいつからはひどく罵倒された」「情緒不安定な危ない女(男)」と語っていた、まさにその相手である。



注目が欲しい。共感されたい。慰めてもらいたい。
そんな時に、あなた以外の別の人間を頼っていく、というのがサイコパス人間の常套手段だ。
人の気持ちに寄り添う才能の持ち主であり、彼らのパートナーを自認するあなたとしては、「どうしてこの私に頼ってくれないの?私だったら、ちゃんと慰めてあげるのに...」と思わずにはいられないよね。そりゃ、当たり前だ。


ちょっと前だったら、彼らを癒やす役目は常にあなたのものだった。
でも、今は違う。
サイコパスな奴はもっぱら特別なお友達や昔の交際相手に頼り、「君にはわかんないだろうけどね」の一言で逃げの一手だ。
しかも、そうした言葉は必ずやあなたの目の前で、あなたの顔を見ながら言い放つ、と奴らは固く決めている。


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そこで話は次の話題へとつながっていく。
ソーシャルメディア、である。

【参考記事➀: コトバンク 知恵蔵2015の解説 ソーシャルメディア の項より引用。】

ソーシャルメディアオンライン上で、ユーザー同士が情報を交換(送受信)することによって成り立っているメディア。「1対多」「多対多」の双方向で、画像・動画を含む視覚ツールを使ったコミュニケーションが可能なことも特徴とする。一般には、ブログをはじめ、2ちゃんねる、YouTubeなど閲覧者を制限しないオープンなサービスと、mixi(ミクシィ)、GREE(グリー)、モバゲーに代表される会員制・招待制のソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)に分けられる。最近は、上限140字の「つぶやき」をチャット感覚で投稿し、フォロワーとのゆるやかなコミュニケーションをはかるTwitter(ツイッター)が人気を集めている。


【訳者注:上の説明には含まれていませんが、本文中で触れられているソーシャルメディアのほとんどが文中の表現から推測してFacebookのことを指していると考えてよいかと思います。例外はありますが、実名公開が原則となっている点が、他のソーシャルメディアとの最大の違いです。】

参考記事➁:nanapi / 2014年最新版・Facebook(フェイスブック)とは?Facebookの基礎知識 】

テクノロジーの進歩により、サイコパス人間は実にたやすく三角関係を利用し、他人を操作できるようになった。


例えば、昔の交際相手からのコメントに「いいね!」ボタンを押すのは実に簡単。
同様に、あなたからのコメントに無視を決め込むのもやっぱり簡単。
こんな簡単なことでも、人心操作へとつながっていく。


「つい、うっかりと」写真アルバムをアップロードしてしまった、といったことも起こるだろう。
しかもその中には「大嫌い」と明言していたはずの元・交際相手との抱擁写真まで入っているのだから、全く腹が立つ。
とにかく、何もかもが「たまたま」「他意は無かった」ということで片付けられる。
...あなたとしては、無神経の極みとしか思えないようなことばかりなのだが...。



いいかい。ここで騙されちゃだめだ。
あいつらのやる事は、何もかもが、計算し尽くされた行動なんだよ。
「たまたま」は、無い。


彼らは、わざと「交際ステータス」をあいまいな表現のままにしておく。
あなたが徐々に「過去の人」となりつつある、と匂わせるような歌や動画を投稿していく。
新しいターゲット・昔のターゲットの両方が釣れそうなネタを狙ってシェアし、公開する。
後釜として選ばれた人物と、サイコパス本人にしか通じないような、内輪受けのジョーク。
もしくは、昔、元カノ/元カレと一緒に楽しんだ、思い出のラブソングのビデオクリップ。
あなたがモヤモヤするような物ばかりを、狙って投入してくるのだ。

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これには二つの目的がある。
まず、あなたを混乱と、不安と、嫉妬の渦へと落としこむこと。


もう一つは、サイコパス人間を巡ってあなたとライバル関係にある人々の側を景気付けて、愛情と特別待遇を得ているかのように思わせること。


そう、彼らは「パートナー」であるあなたの心身をむしばむと同時に、ライバル調教のプロセスにも取り掛かっている。
まったく、「一石二鳥」とはうまく言ったものだ。



サイコパス人間は、あなたの方から直接この件に関して問い正してくれる瞬間を待ち望んでいる。
だって、一見したところ、どれもこれも、実に些細で取るに足らない問題ばかり。
でもね、あまりにも些細だからこそ、いちいち小さなことで揚げ足取ってはケチつけるあなたの異常さや嫉妬深さが余計に際立つんだ。


何を言われようが、言い訳はよどみなく、沈着冷静な様子を崩さない。
最後には「悪いのはそっちだ」と、あなたが逆に責められる。
これで、あなたは見事にサイコパスな相手の狙った通りの展開へと巻き込まれた。



隠れ虐待行為の立証が不可能とされるのは、「全てを曖昧に」という、虐待者側の意図が巧妙にはたらいているせいである。
例えば、あなたの交際相手がある曲の動画をソーシャルメディア上に投稿したとする。
だからといって、その動画が元カノ/元カレを釣るための餌である、と証明することはできない。
あなたが直観的に「これはクロだ」だと気付いたとしても、残念ながらそれを裏付けることは難しい。



この狂おしいプロセスも、そろそろ終盤戦を迎えようとしている。
ぶっちゃけた話、Facebookの交際ステータス欄やコメントの「いいね!」にいちいち目くじら立てるなんて、幼稚な人間のやることに決まっている。
そう思われたって、仕方ないだろう?


そう。
幼稚な人間。


あいつらはね、【幼稚な人間】っていう自己像をあなたに持ってもらいたいのさ。


「自分は幼稚だ」。
そうあなた自身に思い込ませたいんだよ。


【再掲】三角関係という責め苦①

【以下は2015年4月に掲載済みの部分ですが、今回の改訂新版では加筆・修正が施されこちらの場所に移動されました。著者の意向を尊重し、再度掲載します。】


あなたを近くにたぐり寄せたい。


だから、サイコパス人間は、「この上なく望ましい人」…つまり、大勢の人に求められ、言い寄られる人…というオーラを自ら作り出しては、さかんに放出する。
あなたとしても、並み居るファン連中を差し置いて、彼らの寵愛を一身に受ける対象として選ばれることで虚栄心がくすぐられるからか、決して悪い気はしない。


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彼らは、自分が人気者だという偽りのイメージを演出することに長けている。
まずは、自分の周りを異性、つまり、友人、元・交際相手、そして、いずれあなたの後釜に座るであろう人々でもって固めることからスタートだ。


取り巻きの人々が、次々に「三角関係」の渦へと巻き込まれていく。
渦中の人々の間に競争心をあおり、互いに戦わせることによって、サイコパス人間の値打ちが(たとえ上辺だけに過ぎないとしても)相対的に上がっていく...。
それこそが、彼らの真の狙いである。
(参考:Robert Greene著、"The Art of Seduction")


The Art of Seduction
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Robert Greene
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※上の本は残念ながらまだ邦訳が出ていないようです。
こちらも同著者によるもの。2015年発売ですので、まだ入手しやすいかも。



マスタリー: 仕事と人生を成功に導く不思議な力
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サイコパス人間は嬉々として三角関係を作り出す。
他のターゲットたちも一緒に引き寄せることによって競争を作り出し、あたかも自分が引っ張りだこの人気ものである、というイメージを醸し出しているんだ。


ターゲットのある者は単にあなたの嫉妬心を煽るだけの目的に使われる。
またある者は、いずれあなたの後継者にしてやろうとの下心から身づくろいさせ、そして使われる。


一時期は分刻みであなた宛てにメッセージを送って来ては、「君は/あなたは自分にとっての【完璧な】ソウルメイトだ!」と大げさに感動しまくっていたくせに、今は何だか引き潮モード。
どうやら、あなたが聞いたのと一字一句違わぬ賞賛の言葉を、シャワーのような勢いで他の誰かへと浴びせかけていることが原因らしい。


こうなると、あなたの方でも黙ってはいられない。
何としてでも愛する彼/彼女を取り戻したいから、猛然と行動を起こし始める。
単にあいつにもてあそばれているだけなのに。


その間、サイコパス人間の毒牙にやられて参ってしまった犠牲者がまたしても誕生。
奴らの言い分を真に受けた彼らは、あなたのことを「キチガイ」「気分変動の波が激しすぎる」「冷たい」人だと信じて疑わないようになる。

あなたへのネガキャン(ネガティブキャンペーン)が背後でますます盛り上がりを見せる一方で、サイコパスは二人っきりになるとまたもやあなたの心をくすぐるような言葉を一つ、二つ...と囁くことも忘れていない。
甘い言葉の一つや二つでもかけておけばいいんだ。
こいつはちょろいから、「まだ望みがあるかも」って信じて必ずついて来る。
とりあえずこのままキープ用ということにして、要らなくなったら最後に処理すりゃいいだけのこと。
奴らの中にはこんな計算が働いているはずだ。


ここで一言言っておきたい。
人間ならば、誰でも恋に落ちるし、恋から覚めもする。
関係が終わるよりも先に新しい恋に出会う人もいれば、終わった後で出会う人もいる。
欺き、また、欺かれる。
それが人間というものだ。



だが、僕がここで扱おうとしているのは、そうしたありふれた人間模様の一コマとは全く違う次元の話だ。
どれほど悲惨で理不尽な話のように聞こえるとしても、単なる人間模様の一コマと、ここでのテーマとは違う。
今からこの項で僕が書こうとしていることを、どこにでもあるようなその辺の色恋沙汰とは一緒にしないで欲しい。



僕はここで、サイコパス的人間がターゲット(被害者)を責めさいなみ、意のままに操るために用いる、極めて特殊な行動パターンの数々に着目し、その仕組みを詳しく説明していきたいのだ。


力(パワー)とコントロール。
それが、サイコパス人間が追い求めているものだ。
自然界に住む大方の捕食動物と大差は無い。
性的に、感情的に、そして物理的に配偶者やパートナーを支配すること。
彼らはいつもそれだけを狙っている。


どうやって支配するのかって?
人の弱みにつけ込み、それをまんまと利用するんだよ。


道理で、あの連中は出会って間もない時期に、注目とほめ言葉とをシャワーのごとく浴びせかけてくる、という「愛情爆弾(love-bomb)」作戦を多用するわけだ。


©123RF

...どんなに強い人でも、どんなに自分に自信のある人でも、ひとたび恋の虜となるとたちまち脆くなる。
人間という生き物は、初期設定からして、そういう作りになっている。



何も身体的な攻撃に訴える必要はない。
(実際、そうした暴挙に出るサイコパス人間もいるにはいるが。)
そのようなことをしなくても、一度関係に持ち込めばいいだけのことだ。
特別の関係を結んだからには、あなたを焼きつくし、ぼろぼろにするための舞台装置もすっかり整った。
後はただ、偽りの愛を捏造しさえすればいい。


事情を知らない部外者に「そんな男(女)、何でさっさと切らなかったのよ?」と言われ、ぐさりと来るのは、この辺りにどうやら原因がある。
そもそも、最初からサイコパス人間に虐待され、卑下され、非難されるとわかっていて関係を結ぶ人など、いるわけがない。
あなただって、もちろんそうだろう。
彼らに騙されて、そして恋に「落とされた」のである。
人と人とが結ぶ関係の中で最も強いつながりであるはずの恋に、「落とされ」てしまった。
これら全てはサイコパス人間が100%承知の上でやったことだ。


一体、どうやって彼らはあそこまでパワフルな絆をターゲットとの間に結び得るのであろうか?
手口はいろいろあるが、最も彼らが好むのが【三角関係】の操作、である。



三角関係。
この語を聞いて、被害に遭った人々はたいてい「私、相手、そして次のターゲットとなる(なった)人との関係でしょう?」と考えるようだが、必ずしもそうだとは限らない。



サイコパス人間は、普段から三角関係を利用することに慣れている。
そして、「あちこちで求められている、人気者の自分」という虚像を演出しては、あなたが四六時中彼らのことを考えずにはいられないような心境になるまで追い詰めていく。
誰であれ、その三角形に取り込まれる可能性がある。例えば、

  • あなたの家族
  • サイコパス人間の家族
  • あなたの友人
  • サイコパス人間の友人
  • 元・交際相手/結婚相手
  • 交際相手/結婚相手になる可能性のある人
  • 全くの他人

といった具合に、誰でも。


他人を調教する能力にかけては、サイコパス人間にかなう者などそうそういやしない。
彼らは、人々が仲違いして諍いを起こす姿を見て、強烈な幸福感を味わう。特に、彼ら自身の愛情を巡ってあなたと誰かがバトルを展開するような時、その幸福は絶頂に達する。


【参考資料】推薦リンク集のひとつ「モラハラ資料」( http://mora110.blog.fc2.com/ )さんの記事より 
「>「自分の見えるところで、他人同士がトラぶってるのをみてるのがたのしい」 
「ちょっとぉこの人怒ってやってくださいよー」と自己愛に言われて、騙されて怒ってみたら側に居た自己愛の生ぬるいほくそえみを感じてすぐ我に帰った。自己愛は他人の争い事が大好物。本当に困る。」
(129 モラハラ体験談「対人操作、根回し・陰口で仲間外れにする」

「人と人を争わせる 
・他人同士を争わせて仲違いさせる人 (漁夫の利、対人関係からの搾取)(自分がグループの中心になるための伏線です。陰湿な優越感に浸ってもいます)  
・自分の影響力を強くするために不和の種をまき、疑いを生じさせ、人々を仲たがいさせようとする。 」
( 仲間はずれを作りたがる、人を争わせる対人操作



彼らは事実や状況をでっち上げて、あなたを嫉妬で苦しめる。
また、あなたへの思いが果たして真剣なものなのかどうか、その誠意を疑いたくなるような言動に出る。


普通、付き合っている相手に対しては「信じてくれていいからね」と、自分が信頼に値する人間だということを懸命にアピールしようとするものだ。
ところが、サイコパス人間は、それとは全く逆のことをする。


「他にも相手、いないわけじゃないし...」と匂わせたり、他の人と時間を過ごしたり、といった行動があまりにも頻繁になるから、あなたは絶えず不安に脅かされていく。
一時として心休まる暇がない。
なのに、相手は「そんなことないよ」との一点張り。
わざわざこんな話題を持ち出してくるなんて、おかしいのはそっちだろう、と、逆にあなたの方を変人呼ばわりする始末だ。


(②へ続く)

2017年11月10日金曜日

【スピ系自己愛】洗脳牧場は楽しいかい?【危険な指導者】

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前回のマーサ・スタウト著「良心をもたない人たち」に続き、今回もまた、手持ちの良書から「スピリチュアル・ナルシシズム(スピ系自己愛)」の理解に役立つ部分をご紹介します。

依存心まみれの生徒+スピ系自己愛指導者=洗脳牧場。
http://sayonara-psychopath.blogspot.com/p/blog-page_26.html

ちょっと分厚いのでとっつきやすい本ではないかもしれません。
でも、「さよなら、サイコパス(Psychopath Free)」の主題である、自己愛性人格障害をこじらせて邪悪さの域へと突入した人間たちについての理解を深めたいのであれば、ぜひ一度は目を通しておきたい一冊です。
本ブログでも「推薦図書」の一つとして挙げております。


文庫 平気でうそをつく人たち 虚偽と邪悪の心理学 (草思社文庫)
M・スコット・ペック
草思社
売り上げランキング: 10,047

自分の中核となる考え方や主義信条。
どちらの道へ進んだら良いのか、という人生における重大な決断。
言うまでもなく、他人に委ねて丸投げしてしまうのは望ましくないばかりか、大変な危険をもはらんでいます。

なぜ、いい年した大の大人がそんなバカなことをしてしまうのか。


スピ系自己愛指導者たちが何らかの洗脳テクニックを用いて、じわじわと私たちの考えを蝕み、コントロールしているから...かもしれませんよ。
続きはリンク先のM.スコット・ペックの文章で直接お読みください。


笑っちゃいけません。
私たちが生きているこの世界は、既に洗脳やコントロールで満ち満ちているのですから。
毎日目にする広告。
テレビに出てくる偏った芸能人の顔ぶれ。(某宗教の信者、多し。)
偏向報道。
「これも、洗脳?」と疑いたくなるような例を挙げればきりがないほどです。


スピリチュアル業界も全く同じです。
むしろ、他の業種より洗脳の仕込みがもはるかに盛んに、しかも巧妙に行われていると思った方がいいです。
スピリチュアル商売人のテリトリーに足を踏み入れるのは、洗脳/コントロールテクニックの人体実験に進んで参加するようなもの。
そのぐらい疑ってかかった方がケガしなくて済みます。
同じケガでも軽傷で済ませられます。


「自分にとっての【グル(尊師)】は、外の世界の誰かが務めて当たり前」


...そのような思い込みに毒されていると、知らず知らずのうちに洗脳牧場へと導かれ、心と頭の自由をはく奪されかねませんよ。
「もうこいつは不要だな」とグルが判断すれば、あっという間に屠殺(とさつ)され、晩のおかずとして食べられちゃうのがオチなんですけどね。


おー、コワいコワい。


今からでも遅くはありません。
生き方・考え方の大転換をすることで、牧場に囲い込まれない、簡単に騙されない人になりましょう。


自分の人生は、自分が決める。
ヘタに外部の人の判断を仰がない。
選択にあたっては、100%自分が責任を負う。
早く答えを知りたい!という幼稚な欲は捨てる。


こうした生き方を心掛けていくだけでも、いかさま指導者に引っ掛かる確率はガクンと落ちるはず。
そうしたインチキ野郎の牧場に囲われて、あたかも自分が本当に強く、頼もしくなったような錯覚に陥る癖。
そろそろやめませんか。


【シープル】SHEEPLE(羊sheepと、人間peopleを合わせた造語。)
としてのつまんない一生なんてゴメンですよね?
だったら、いい加減に目、覚ましましょう。

【Wikipediaより:「シープル(: Sheeple)は、英単語(sheep)と人々(people)を組み合わせて作られた混成語である。群集動物である羊のような人々という意味で、非難や揶揄で用いられる言葉。批判的な分析や調査を行うことなく、他人の示唆を自発的に黙認する人を指す。」 
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%AB。 】

2017年11月7日火曜日

【スピ系自己愛】「救世主気取りの指導者」。それ、サイコパスじゃない?

今日は「さよなら、サイコパス」翻訳記事更新を一回お休みしまして、こちらの特設会場に新しい資料を追加しました。

【スピ系自己愛】逃げろ。離れろ。関わるな。エセ"救世主"三原則。【良心をもたない人たち】
http://sayonara-psychopath.blogspot.com/p/blog-page_10.html

タイトルを読んだだけでお気付きだとは思いますが、中身の9割はご存知マーサ・スタウト著の名作「良心をもたない人たち」からの引用(ありがとうございます。)です。
本ブログのウェブページ版右側、推薦図書の一番最初に載せてありますので、下の表紙には見覚えのある方も多いのではないでしょうか。


良心をもたない人たち (草思社文庫)
マーサ スタウト
草思社
売り上げランキング: 1,061


管理人がこちらの本を入手してから既に数年。
たまたま昨日読み返していたところ、家族や職場での人間関係だけでなく、【スピリチュアル・ナルシシスト(スピ系自己愛)】についても触れられているのを発見。正直、驚きました。
当時の自分にはあまり関係無いように思えたのか、うっかり見落としていました...いやはや。
手持ちの本は時々再読してみるもんです。


上のリンク先にあるマーサ・スタウトの著書からの引用文。


そしてこちら↓の要約文。
(YUKIさん@「いつも空が見えるから 子供の疲労と発達・愛着」HP、リンクフリーということで貼らせていただきます。ありがとうございます。)

25人に1人?「良心を持たない人々」サイコパスの10の特徴とあなたが身を守る方法 
https://susumu-akashi.com/2015/10/psycho-pass/

一読されて何かこう、背中にゾクッと来るものをお感じになったのであれば、書籍を入手されてじっくりと最初から最後まで読まれることをおすすめいたします。
それも、できるだけ早く。



フツーの人の顔をしたフレンドリーな怪物が向こうから近付いてくる。
謙遜ぶったいい人ヅラの裏側では、どうやったらあなたのことを搾取できるだろうか、利用できるだろうか、とドス黒い企みを抱いている。


まるでホラー映画ですよ。
でも、私たちを取り巻く世界って、実際にこういった危険に満ち満ちているんですよね。それに気付く人と気付かない人がいて、気付いた人にとっては決して安全な場所でもないし、楽園でもない。


画面の向こうの世界やフィクションの中だけでなく、こうした人物は社会のあちこちに潜伏していて、虎視眈々と次の獲物を狙っています。
恋愛関係以外にもサイコパスがダークパワーを発揮する場所はたくさんあります。
「スピリチュアル」なんてやくざな世界は、その最たるもの。


http://www.godisreal.today/wp-content/uploads/2015/02/false-prophets-today.jpgより拝借。


「良心をもたない人たち」。
これ、全ての大人が一度は読んだ方がいい本だと思いますよ。
そうした「エセ救世主」面した詐欺師に簡単に騙されないように。
また、たとえ騙されたとしても傷が浅いうちにとっとと逃げられるように。


逃げるが勝ちです。関わらないのが一番です。
とっとと忘れてやりましょう。



【関連記事】

自己愛的な「スピリチュアル指導者」を見抜けなかった私
http://sayonara-psychopath.blogspot.com/p/blog-page.html

【隠れ自己愛人間】。...知ってた?
http://sayonara-psychopath.blogspot.com/p/blog-page_7.html

スピ系自己愛~肥大するエゴ【前編】
http://sayonara-psychopath.blogspot.com/p/will-and-spirit-isil-will-and-spirit-2-d.html

スピ系自己愛~肥大するエゴ【後編】
http://sayonara-psychopath.blogspot.com/p/6-neo-paganism-httpsja.html

史上最凶最悪のナルシシスト(自己愛人間)①
http://sayonara-psychopath.blogspot.com/p/blog-page_13.html

史上最凶最悪のナルシシスト(自己愛人間)②
http://sayonara-psychopath.blogspot.com/p/3.html

史上最凶最悪のナルシシスト(自己愛人間)③
http://sayonara-psychopath.blogspot.com/p/5.html

2017年11月6日月曜日

【コラム】連続煽り魔

柔らかでおおらかな心を持つ人を探り当てることにかけては、名人レベル。
それが「連続煽(あお)り魔」と呼ばれる連中だ。


ターゲットとして狙いを定めた人々にはしょっちゅうツッコミ。
過小評価しては凹ませ、嫌味をぶつけ、恩着せがましい態度を取る。
そうやって無垢な人々を陥れ、搾取することが、彼らの真の目的だ。


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ターゲットは、温和な性格ゆえに人との衝突だけは避けたいと思っている。
なので、そうした仕打ちに遭いながらもなお、「感じの良い人」を必死にやり続ける。
円満な人間関係に波風立たせるのがイヤだから、相手に何をされても許してしまう。
それだけではない。
「きっと何か理由があるんだな」と相手を許し、その悪行に目をつぶろうとすらしてしまう。

これで連続煽り魔がおとなしくなると思ったら大間違いだ。
ターゲットへの仕打ちはその後もますますエスカレートする一方。
「もう限界」と悲鳴を上げるその時まで、執拗な攻撃が繰り返される。


ターゲットが降参するのを見届けて、煽り魔は一旦奥へと退却。
それから事の成り行きをじっくりと見守る態勢へと入っていく。
挙句の果てに、「これほど陰険な人だったとはね。どうしてそんなにすぐ怒るんだ。まさかここまで気分の上下が激しい人とは思わなかった。」とのびっくり発言。
自分から罠を仕掛けたくせにね。


そこまで言われてしまうと、ターゲットはつい、自分の非を認めて相手に謝罪してしまうもの。
しかも、それだけでは済まない。
「お前が悪い」「あなたが悪い」という煽り魔からの非難をまともに受けてしまうのだ。


自分としたことが。つい、カッとなってしまって(そうなるのも当然なのだが)。
煽り魔が毎日やっているのと同じことやってるだけなのに、なぜだかすぐにケチがつく。
きっと自分がだめなんだろう...と自信を削がれてばかりのターゲット。


連続煽り魔とターゲットとの違いって、一体何だろう?


それはね、【後悔という気持ちの有無】だよ。
煽り魔の辞書に【後悔】という言葉は一切無い。
一方、ターゲットにされる人はちゃんと【後悔】の何たるかを理解している。


いついかなる時でも沈着冷静でいろ。
ターゲットにプレッシャーを与えておきながら、煽り魔自身は何でもかんでもやりたい放題の好き放題。


一体何様のつもりなんだ、お前らは。



2017年11月3日金曜日

陰湿な陰口 Covert Gossiping②

サイコパス人間から【理想化】され、愛情爆弾をバンバン投下されている間、僕たちはつい


世界1.サイコパス人間はまともだ。嫉妬深く、性悪で利己主義なのは、他のみんなの方だ。


との見方へと傾きがちだ。

まさかこんな人が本当にいたなんて。
信じられない。夢みたい。
そう思った途端、僕たちはこの「ソウルメイト」にまつわる新たな現実をあっという間に作り上げ、それを自分の中に定着させてしまう。


...そう、この人は素晴らしい。それは当たり前。
でも、他のみんなだっていい人ばかり。
もう、何もかもが絶好調で最高!


この段階でのあなたは、多分こんな調子で浮かれているはず。
だが、前回書いたように 、それほど素晴らしい人であるはずの「ソウルメイト」が、他の人々についてチクチクと棘のある言い方をするようになったら、要注意。
あなたの現実に亀裂が入り始めている。


【...彼/彼女は、正直で善良なひと。あの人が言うのだから、きっと他の人についての悪口にしたって、それなりの正当な理由があるに決まってる。あの人達、表では取り繕っているけど、陰では嫉妬心メラメラで、腹黒で、自分勝手なことばかり言っているに違いない...。】

まだ夢から醒めたくないあなたは、こんな理屈でもって自分を納得させる。
だって、もしその逆が真実だとしたら、それこそ一大事じゃないか。
嘘をつき、陰口を叩き、人を操る。
それがあなたの大好きな彼/彼女の真の姿だ...。
そんな話、到底信じられないだろう。


夢というのは、どっぷりとハマればハマるほど、脱け出すのがより困難になる。
この段階では、周囲の人全てがあなたにとっては「敵」に見えているはずだ。
まさにサイコパス人間の狙い通りになったんだよ。
サイコパス人間無しでの幸せなんて、絶対にあり得ない。
そう頑なに信じ込む程にまで、奴はあなたを追い詰めてしまったんだ。



でもね、「偽りの現実」って作り上げるのは簡単だけど、キープするのは大変なんだよね。
その現実を生きようと思ったら、何かと言い訳したり、弁明したりする必要がどうしても出てくる。まるで被告人になったみたいだ。
「それは違う」「そうじゃない」を口にする回数がやたらと増えていく。


サイコパス人間はそうした手口を駆使することで、あなたの目をくらませ、ざわざわと不安な気持ちを掻き立てる。
自分のことをほめ殺ししている目の前の人物こそが真の敵だというのに、あなたはそれにまだ気付かない。
あいつらの隠し方が巧妙だから、それも仕方の無いことだけど。


Copyright: https://www.123rf.com/profile_chainat / 123RF Stock Photo

別れ。

そして、そこからの回復。


立ち直る過程において、僕たちは世界1という偽りの見方と訣別する。
あれはファンタジーでしかなかった。
そう気付いた時、目の前に立ちはだかるのは現実という高い壁。
身も心もぼろぼろ。
まるで抜け殻のようにからっぽ。
希望なんて全て消えた。
あなたがそう思うのも無理も無い。
世界で一番大切な、非の打ちどころのない完璧なパートナーを失ってしまったのだからね。
しかも、周囲を見渡せば、どいつもこいつも信用ならない、底意地の悪い奴ばかり。


もう周りには誰もいない。
何一つ残されていない。


だが、やがて僕たちはなけなしの力を振り絞って、周囲の人々との間に少しずつ信頼関係を取り戻していく。


ここで思い出して欲しいのが、「いつもさん」。
ひょっとしたら彼らのおかげであなたの人生が一変するかもしれないよ。

「いつもさん」~The Constant~ 【1】
http://sayonara-psychopath.blogspot.com/2015/02/the-constant-1.html

「いつもさん」~The Constant~ 【2 】http://sayonara-psychopath.blogspot.com/2015/02/the-constant-2.html

「いつもさん」は、僕たちに「お互いを大切にする人」と一緒にいればどういう気持ちになれるかを教えてくれる先生だ。

上から目線で裁くような物言いをしない。

やたらと三角関係を作らない。

嘘の話を広めない。


そういう人々と時間を過ごすうちに、少しずつ気持ちがほぐれて、伸び伸びと振舞えるようになっていく。


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全てのトラブルを遡ると、何もかもがたった一人の真犯人へと行き着く。
他の誰も悪くなかった。
悪いのはあいつ一人だけ。
僕たちにそれがはっきりと示される日がきっと来るはずだ。
そうなれば、あらゆることが収まるべき所に収まっていくだろう。


世界1が後退していくのとちょうど入れ替わるかのように、今度は世界2の物の見方がはっきりと前面に出てくる。


世界2.嫉妬深く、性悪で利己主義なのはサイコパス人間の方。他のみんなはまともだ。


結局、世界1は全くのデタラメだった。
あなたも、あなたのパートナーも、周囲の世界と敵対していたわけではなかった。
あなたにとっての敵は、かつてのパートナーだったサイコパスただ一人のみ。他の人は関係無い。
ようやくそれが明らかになった。


以前は嫌いだと思っていた人達とも、無事に仲直り。
ゴタゴタに巻き込まれた彼らのことを気の毒とさえ思える余裕さえ出てくるだろう。
まっとうな現実世界に身を置き、サイコパス人間の嘘八百から無事逃れられたことで、認知的不協和を感じることも無くなっていく。

認知的不協和:エンen転職 「転職大辞典」から引用。https://employment.en-japan.com/tenshoku-daijiten/14811/ 
「認知的不協和とは、人が自分自身の中で矛盾する2つ以上の確かな物事を抱えている状態やその時の不快感を指し示す言葉です。社会心理学の分野で用いられます。 
このような状況にあるときに、誰もが精神を安定させるために自分の行動や態度を変えようとするといわれています。 
例えば「煙草を吸うことは気分転換になるので良い」という事実と「煙草は百害あって一利なし」という事実があります。
どちらも確かなことではありますが、両方を選択することは不可能ですね。そこで、前者を取って愛煙家のままでいるか後者を選択して禁煙するかのどちらかの行動になる、という訳です。】


慈悲深くて人に共感できる人という、本来のあなたがやっと戻って来た。
奴らの捏造により膨れ上がっていた被害妄想も、今では嘘偽りの無い信頼へとその姿を変えた。
そして、あなたをずっと苦しめていた頭痛の種もなくなった。



さあ、ここまで来たら、そろそろあなたは【真の】問題に立ち向かわねばならない。
その時はもう目の前にまで迫っている。


2017年10月27日金曜日

陰湿な陰口 Covert Gossiping①



「ドラマめいた泥沼状態は嫌いだ」
と、サイコパス人間は言う。


だが、時が経つにつれてあなたは嫌でも気がつくはずだ。
あそこまでひどくドロドロした泥沼人生を生きてる奴らなんて、そうそうお目にはかかれない、ってことに。


もちろん彼らだって「別に好き好んで泥沼化させるわけじゃない」らしい。自分は全然悪くない、とも。
先方からの熱烈アプローチで付き合い始めたものの、実は性格悪いと後で判明、別れる前には全てがめちゃくちゃ。ひどいよね。理不尽だよね。

...それが彼らの言い分だ。


あなただって薄々気付いているだろう?
どうやら真相は全く違っていたようだ、ということに。


サイコパス人間は人々を煽って関係を泥沼化させ、敵対関係と競争という渦の中へと引きずり込んでいく。これはいつも変わらない。
巷でよく見る「ドラマクイーン」【注】との一番の違いは、サイコパス人間の場合、何をやるにしても「悪意が無い」かのように外部の人に見せつけている点、であろう。


【注: ドラマクイーンとは(WEBLIO辞書より)
英語のスラングの一種で、自分がドラマのヒロインであるかのように、大袈裟で同情を誘うような、感情的な振る舞いをする女性を指して、批判的に用いられる語。時に男性に対しても用いられると言う。】


こうしたらどう?と、さりげなく提案。
すると、自分と関わりのある人々が続々とぶつかり、大破、炎上。
本人はその惨状を安全な場所からじっくり見物。


僕がタイトルに「陰湿な陰口」【訳注:covert=人目につかない、内密の、覆い隠された...等の意味】という表現をあえて使ったのは、そうやって表に出ることなく人を貶める奴らの陰湿さを伝えたかったからだ。


サイコパス人間の悪企みは、小さな【毒】の種を周囲のあちらこちらに撒くことから始める。


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誰彼構わずつかまえては近くに寄せて、「あなたは素晴らしい」と耳元でささやきつつ、その人をさかんに持ち上げる(理想化)。


ところが、本人がその場から去るやいなや、たちまち悪口大会の幕を切って落とすのもあいつら自身だ。
「悪口大会」って書いたけれども、これだとあいつらの陰口の微妙ないやらしさが充分に伝わらない恐れがあるよね。



サイコパス人間はね、はっきりとした言い方で糞味噌にけなすというよりはむしろ、

「自分は、あの人にひどい目に遭わされた被害者なんです」

って感じに話を持って行くんだ。



どういうわけか、サイコパス人間にいつも辛く当たるような奴がいたとする。
すると、あいつらはこう言う。


「所詮人間です。過ちだって犯すでしょう。でも、ひどい目に遭った被害者は、私の他にも現にいる。気の毒なことです。」


陰口ではなく、みんなからひどく扱われた被害者でありながら、他人をちゃんと気遣う私、という自己アピールでもって反撃するんだ。


あなたもきっと経験したんじゃないかな。
ああ、この人、こんな不平不満の打ち明け相手としてわざわざ私を選んでくれたんだ、って思わなかったかい?
正直な話、相手から特別扱いされてまんざらでもなかったんじゃないかな。


(ね、それほどにまで僕らの善悪の基準はひどく捻じ曲げられていたんだよ。)



ところが、事態は急変。
今やあなたがあいつらの悪口の対象となっている。


何の前触れもなく、あなたは突然諸悪の根源と決めつけられた...
まさかあなた自身が矢面に立たされる日が来るとは。


そうした動きが加速するのは、あなたと相手との関係がほころびを見せ始める頃だ。
「あんなひどい奴に...」とさんざんあなた相手にボロクソに言っていたその対象の元へと舞い戻り、今度はそちらであなたのことを糞味噌にけなす。
で、「あの女/男はおかしい、終わってるね」と、来る日も来る日も嘆き節をうならせているらしい。


これで多くの人はころっと騙される。
そして、「気の毒に」「かわいそうに」の言葉をさかんにあいつらに浴びせかけてやるんだ。


サイコパス人間にしたって、次のターゲットを定めてそっちへ本格移行するまでには時間を稼がなければならない。
暇つぶしする間に誰からも不貞を咎められずに過ごしたかったら、「自分は被害者なんです」とさかんに吹聴して回るのが一番、ってことを熟知しているんだよ。あの連中は。


あなたがサイコパスな相手と付き合っていた頃、一度も会ったことすら無い人々のことを「嫌いだ」「憎たらしい」と感じたこと、一度や二度はあったよね。
でも、それって、サイコパス人間がしょっちゅう自分に都合の良いように話を捻じ曲げたせいじゃないのかな?
...ベタ惚れされてしつこく迫って来たから付き合ったけど、結局はズタボロにされてひどい思いをした、とか。
もしくは彼女/彼があなたのことを死ぬほど嫉妬しているそうだ、とか。
そんな話ばかりゴマンと聞かされたから、じゃないのかな?


この手の話を幾度となく、時間をかけて繰り返し聞いていくうちに、あなたの中には大量の負の感情と妬みとが徐々に積もり積もっていく。
通常の健全な人間関係だったら、まずそういうことは起こらない。
しかも、あなたが自分の内側に積もらせていくのとそっくり同じ負の感情を、他の人々があなたに対しても向けるようになるのだ。
何とも痛ましい話である。


たとえば、あなたがサイコパス側を味方する友人や、その元カレ・元カノとばったり出会ったとしよう。おそらくは笑顔で挨拶してくれるだろう。あなただって、同様に笑顔で応えるに違いない。


だが、一度サイコパス人間の呪いにかかった人間たちの場合、事はそう単純ではない。
笑顔の裏側には、表面とは似ても似つかぬどす黒い部分が必ずや、ある。
誰もが陰で互いへの恨み・つらみをくすぶらせ、しかもそれが日増しに大きくなる一方なのだからね。
無理もないさ。
だって、みんなが他の誰かに敵対するようにと仕向けられてきたんだから。
あいつらの策略によって。


そう。


あなたも、他のみんなも、奴らにとっては単なるチェスの駒(ポーン)のひとつでしかない。


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注目とドラマ無しでは生きていけない連中が暇つぶしとしてやる、チェスの駒に過ぎないんだよ。


駒と駒とは近付き過ぎると互いに情報交換されてしまうので、程よく離れたところに配置する。
かと言って、離れすぎてもまずいんだ。
あなたが自分の立場に常に危機感を抱かざるを得ない程度の、敵の姿が見え隠れするぐらいの、ちょうど良い距離に置かねばならない。


こうしてチェスの駒にされて、巻き込まれてしまった周囲の人々にしても、おそらく本当はその全員が「100%まともな人」なのかもしれない。
あなたがまだサイコパス人間と完全に切れてない段階では、なかなかそうは認めたくないだろうけどね。
そうした周囲の人々だって、君と同じようなやり方で毒を盛られて、洗脳されて、そしてあいつらが吹き込んだ悪評を丸々信じて、敵対的な態度に出ているだけかもしれないよ。



人一倍共感力の高い彼女・彼氏を自認するなら、相手の友達とは積極的に仲良くなって当たり前。その人達に好ましく思われたい、と願うのも当たり前...。
確かに、付き合い始めて間もない頃はそれでも良かった。
だが、三角関係が浮上し、陰口がエスカレートしていくにつれ、あなたの中にはますます多量の彼らに対する負の感情が蓄積されていく。


時にはそんな自分を責めたこともあっただろう。
「あー、やだやだ。私、嫉妬心と恨みつらみの塊になってる。最低だな。」


これこそまさに、サイコパス人間が暮らす現実世界だ。
陰口と嘘でもって現実がひどく歪められた世界。
ついにあなたもその一員として仲間入りだ。


あなたの前に現実世界が二つある。
さて、選ぶとしたらどちらだろうか。


世界1.サイコパス人間はまともだ。
嫉妬深く、性悪で利己主義なのは、他のみんなの方だ。


世界2.嫉妬深く、性悪で利己主義なのはサイコパス人間の方。
他のみんなはまともだ。

2017年10月23日月曜日

退屈



イヤな出来事の後、一人になって充電したり、考え事をしたりする。
誰だってそういう時間が必要だ。人間とはそういうものだ。
ものづくり。文章執筆。料理。
空想の世界に遊ぶ。瞑想する。絵を描く。将来の見通しを立てる...。
さもなければ、ちょっと昼寝をする、とか。
これだって、疲れた自分への立派なごほうびだ。


何を言いたいのかって?
つまり、こういうこと。

「内向型人間だろうと、外向型人間だろうと、時々は立ち止まって静かなひとときを持たねばならない。
これは全人類に当てはまる真理だと思う。」


...これ、残念ながらサイコパス人間には当てはまらない。
あの連中にとって、「一人で過ごす時間」ほど心がざわつくものってほとんど無いんだ。
他の誰かと一緒にいさえすれば、クールで落ち着いた顔を保っていられるのだけどね。
何せ、こいつらは良心というものを持ち合わせていない。
ひとりぼっちになると、ろくなことしか考えないんだよ。
賞賛と注目というエサの供給がストップすると、奴らの頭の中はたちまち「退屈だ~」の不満でいっぱいになる。


常に退屈している、サイコパス人間。
身につきまとう「退屈」をどうにかこうにか振り払いたくって、何かしら外に刺激を求めずにはいられないのだ。
長時間一人になるのは耐えられない。


健全な人間は、年を取るにつれて静けさと内省の素晴らしさがわかるようになる。
一人静かに過ごすひとときを持ってはじめて、人は自分についての大切な真実を見出せるものだ。


ところが、ここでもサイコパス人間の反応は異なる。


何せ、あいつらと来たら、どんなに自分の中を見つめたところで何一つ見つからない...要は中身がスカスカ...という類の人間だからね。
暇さえあれば周りをキョロキョロ。誰かいい人がいれば物真似スタート。
「あ、これ、欲しい」という特性は即座にコピー、自分にペースト。
それが奴らの十八番だ。


「想像力」と「創造力」。
人間に与えられた才能の中でも最も素晴らしい部類に属するこの二つだけれど、いずれも「共感力」というベースがあって初めて花開くもの。
サイコパス人間にはその共感力すら存在しない。
だから、何をやってもせいぜい猿真似レベル。そうなるのも当たり前だよね。


僕は以前、ソシオパスを自認する人々が集う掲示板やオンライングループを覗いたことがある。

【参考記事:「ソシオパスとつきあっているかもしれない11の兆候」
http://www.huffingtonpost.jp/entry/11_signs_dating_a_sociopath_n_3841308.html 】


どこの場所でも決まって大いに盛り上がっていた話題があった。


「毎日が死ぬほど退屈なんだけど、どうしたらいい?」



いかにもあの手の連中らしい悩みだな、と思ったよ。



おススメされていた「退屈への処方箋」の内容は、まぁ、僕が予想した通りだった。
セックス、アルコール、ドラッグ。
そして...他人を操ること。


他人と自分との間に結ぶ、人間関係。


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人間関係ほど頼りになり、効果抜群の退屈撃退法を見つけるのは至難の業だ。
一度誰かを引っ掛け、後はその人をいじるだけ。
これほど楽な退屈解決法はそうそうあるまい。
しかも、いつでもオンデマンドでほめ言葉を引き出し、注目を集め、賞賛の眼差しを浴びることまで可能、という特典付きだ。


ターゲットを固定し、スタンバイOK!の状態で常駐させられればもうしめたもの。
後は誰にも邪魔されず、サイコパス人間の気が済むところまでとことんターゲットをおとしめ、傷めつけていくだけだ。
「恋している人」の役を演技するよりも、はるかに面白い展開となることだけは間違いない。


迷路にはまった哀れな小ネズミのように、あたふたと右に左に駆けずり回るあなた。
死ぬほど退屈だった毎日にうんざりしていた奴らにとって、こうした光景は最高に愉快な見世物だ。
少し前にあなたがくぐり抜けた【理想化】の段階も、結局、奴らの退屈が産み出した副産物に過ぎなかったわけだ。


【参考過去記事: 作りものだった「ソウルメイト」: 理想化【1】
http://sayonara-psychopath.blogspot.com/2015/02/1.html 】

...できるだけ長い間あなたを傷め続けて楽しい思いをするためには、じっくりとあなたを磨き上げて、調教する手間暇がどうしても必要だったんだね。



あいつらと付き合っていた頃、「疲れたな...」と感じたことが多くなかっただろうか。
いわゆる「ハネムーン期」の濃密さが一段落するやいなや、あなたと彼/彼女が二人っきりでいる機会は激減したはずだ。


なぜかいつも周りに誰かいる。
相手の都合や、相手の友達の都合に合わせて、誰かを交えて一緒に動く。
で、さんざん振り回された後にも、また別の予定が待ち構えている。


一見すると、サイコパス人間の行動パターンは無邪気に遊ぶ子供のそれに似ていなくもない。子供にふさわしく、取り巻きの中にはママタイプ、パパタイプを数名は常備。
取り巻きの熱烈なサポーターぶりだって相当なものだ。
「お呼びとあらばいつでも参上」とすら言いかねないような忠実な人が彼らの周りを固めている。


奴らはどうしてもそうした取り巻き連中の力を借りずにはいられないんだね。
極力、退屈な時間は過ごしたくないから。
退屈したくない、となれば、いじりの対象となるターゲットが多ければ多いほど愉快、ってことになる。
「彼氏・彼女」の関係へと昇格する前には、取り巻き連中に対してあなたの陰口も言っていたかもしれないよ。


ところが、一旦あなたをロックオンして「彼氏・彼女」としてしまうと、話がちょっと複雑化してくるんだ。
あなたとの付き合いを優先するか。
それとも他の人々(スタンバイ状態に置く必要がある)との付き合いを優先するか。
サイコパス人間は、この二つの問題の狭間を行き来せねばならない。


その日その日で選ぶコースがどちらにしても、これだけは確実に言える。
「サイコパス人間が一人ぼっちでいるなんてことは、めったに無い」。


あなたの神経を逆なでし、心を傷つけた時、一体どういう反応に出るか。
それをLIVEで見ている方が、黙って一人自室にこもって一時間過ごすよりははるかに楽しい。
あいつらはそういう連中さ。


「退屈」は、あなたと相手の関係が破たんする時、最悪の形を取って現れる。
どうやら、サイコパス人間はあなたへの興味を突如として失ってしまったらしい。
あなたが何をしようと何を言おうと、相手は無反応。全く興味無し、といった様子だ。


どうにかしてもう一度振り向いて、私のことを見て、と必死に追いすがるあなた。
だが、相手がかつて絶賛していた自分の性質が、今となっては「最高に鼻もちならない」欠点として映るらしい、と知る。
あんなに私のことを熱烈に見ていてくれたあの人が、今は振り向いてもくれない。...「つまらない人生から僕を救ってくれるのは、君だけさ」ってささやいてくれた、あの人が。



相手からの冷酷極まりない仕打ちを受けながらもなお、あなたはけなげに信じ続ける。
「ひょっとしたら、今ならまだ【退屈解消役(Boredom Relief)1号】の座に返り咲けるかもしれない...」と。
それはごく当たり前の反応だと思うよ。
あの、バラ色の【理想化】段階はもう戻らないと気付いてしまったけれど、せめて「慰みものコレクション」の一つとしてでもいいから傍に置いてもらいたい。
必死ですがりつきたくなる気持ちもわかるよ。


そう。


われわれが求めるスタンダードは、そこまで情けないレベルにまで歪められ、堕ちてしまったのだ。