2018年6月12日火曜日

喪失の段階――パートⅠ ④否認

否認

症状:落ち着きの無さ、ニセの幸福を演出、躁状態、薬物乱用、衝動性、高まる承認欲求、サイバーストーキング【注】

【注:サイバーストーキング=ネット上でのストーカー行為。詳しくはこちら※をご参照ください。】

サイコパスなあいつは、わざわざあなたの視界に入るような形で、自分の幸せをチラつかせに来る。
それに伴い、あなたには上に挙げたような症状が本格的に現れることが予想される。覚悟はしておこう。


あいつは、あなたを捨てて別の相手のところへと走った。
それなのに、全世界に向けて「今、最高に充実した毎日です!」と堂々と宣言していやがる、
そんな光景を見せつけられたら、あなただって辛いよね。


サイコパスの三角関係は、ソーシャルメディア(SNS:FacebookやInstagramなど)を舞台に繰り広げられる場合が多い。
この段階だと、あなたも新しい相手に対してはまだそれほど怒りを覚えていないんじゃないかな。
一体いつ頃から二人の関係が始まっていたのか、あなたの方でも確かな手がかりはつかめていないからね。


そうなると、「ううん、私は大丈夫。もちろんあの人も。問題なんて無いの!」と、とりあえず周囲に平穏無事をアピールしておくしかないんだ。
...だって、もしかしたら「もう一度君とやり直したい」って、あいつが戻って来るかもしれないからね。うかつなことは言えない。


一つ気付いてもらいたいことがある。
この時点で、あなたは自分が回復できるかどうかを、サイコパスがどういう態度に出るかでもって決めようとしている。
「やっぱりお前がいいよ」
奴の口からそんなセリフがもう一度だけでも出るならば、万事が解決、自分は治る、って無理矢理こじつけようとするんだね。
と同時に、サイコパス以外の誰に対しても、やたらと突っかかっていったり、毒を吐いたり、といったことをやりがちだ。


「私、毎日うまくやれてます。何もかもが順調です。」
あなたは自分にそう言い聞かせる。どうしても自分を奮い立たせなきゃいけないから。
で、仕事も変える。金遣いも荒くなる。生活のあらゆる面をリニューアルしようと試みる。
飲み会にも行けば、パーティーにも参加する。そうした場所で出会った人々と手当たり次第にデートを重ねる。
...「私、大丈夫!」とのメッセージを、世界に向けて広く拡散せずにはいられないんだね。
その必死な様子、あまりにも痛々しくて、見ているこちらの方が辛くなるよ。


衝動的な振る舞いが増えたせいで、貯金もじきに底をつく。
「あれほど私のことを崇め奉ってくれたのだから、きっとあの人は私のところへ帰って来てくれる、きっとそうなる...」
そうした病的な妄想まで抱くようになる。


【参考記事:AllAbout 健康・医療 「躁的防衛?ハイテンションな人に潜む心の危機」より引用。 
執筆者・大美賀 直子(精神保健福祉士・産業カウンセラー)

「臨床心理学には「躁的防衛」という言葉があります。躁的防衛とは、わざと明るい自分や元気な自分を演じることによって、沈んだ気持ちに打ち克とうとする無意識的な防衛行動です。
 
元々は精神分析の理論において、母親との関係をベースにした葛藤から生じる体験とされていますが、一般的には、集団生活やストレスフルな状況に適応しようとする際によく見られます。 
たとえば、ストレスが増えるとやたらとテンションが高くなり、リフレッシュと称して仲間と騒いだり、飲み会を開いて暴飲暴食に走ったりする人。忙しくしていないと不安になり、やたらと仕事や用事を抱え込む人――。 
こうした人々は、躁的防衛によってハイテンションな状態をつくりだし、ストレスに対処している可能性があります。」




あるいは、全く別の相手を引っ掛けては、サイコパスとの間に展開されたドラマをそっくりそのまま再現してみたい、との無謀な賭けに走る人もいるだろう。
だが、たいていの場合それはうまく行かない。
サイコパスと比べれば新しい相手とのセックスは凡庸そのもの。しかもこの相手、サイコパスのようにあなたをひっきりなしの注目という愛情爆弾で有頂天にしてくれる、などといったこととは無縁。
結局、付き合ってみたところで、得られたものは不満ばかり、となる。


それだけではない。
あなたがネットサーフィンに費やす時間も、ますます増えていく。つい、別れたあいつのFacebookプロフィールを覗いてみては「今どうしてるんだろう」と、気になる情報を探りに行く。
要するに、まだあいつに未練たらたらなんだよね。
「この人とはもう完全に終わった」との事実を認めるだけの覚悟がまだできていないし、また、そんなこと本気で信じたくもない、とさえも思っている。

(((もし、たった一枚でも私が写った写真を見てもらえたら。
もし、たった一言だけでも私が書いたコメントを読んでもらえれば。
そうすれば、あの人だって「ああ、なんてバカなことをしたんだろう」と自分が犯した過ちに気が付き、目を覚ましてくれるかも...。)))



だが、あいつはあなたのことなんて、もはやどうでもいいらしい。眼中に無いのさ。
この無慈悲な現実には、ひたすらうろたえることしかできない。


そうなると、あなたの中では妄想がさらに拡大し、一層パワフルになっていく。
「ううん、本当はあの人、私とよりを戻したがっているはず。今はそれを口に出せないだけ。」
脳内ファンタジーばかりが、あなたの中でどんどん膨らむ。


そうこうするうちに、あなたの「ご乱心」はますますエスカレートしていく。
このレベルにまで落ちてしまうと、あなたの中の「自分自身」はもう、完全に別の何者かによって食い尽くされ、スカスカ状態へとなり果ててしまったのではないだろうか。
あなた自身がそのことに全く気付いてすらいないにも関わらず...。


「どうしてあの時、あんなことをしてしまったんだろう...」
月日が流れ、傷心がすっかり癒えた頃になっても、なお疼(うず)く、激しい後悔の念に苛まれるような愚かしい行動に出てしまうかもしれない。
その危険性がピークに到達するのが、この「否認」という段階なのだ。


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