2018年6月9日土曜日

喪失の段階――パートⅠ ③内省

内省

心が荒廃している間は、何かについて深く考えを巡らせることなど、なかなかできないものだ。
でも、僕はあえて今、あなたに言いたい。
「自分の内側を見つめて欲しい」と。
ほんのわずかな時間で構わないから。


この「さよなら、サイコパス(Psychopath Free)」という本の中で一番重要な部分はどこですか、と聞かれたら、僕は「ここですよ」と答える。そう、今あなたが読んでいるこの段落。


ここからは、とりわけ注意深く読んでもらいたい。
「いっそ死んでしまえば楽なのに」
サイコパス人間の虐待を受けた被害者の中には、今この瞬間も「死にたい」との思いと必死に闘っている人が大勢いるのではなかろうか。
この先人生がどう展開していくのだろう。あまりにもお先真っ暗なものだから、つい、「死」という言葉が脳裏をよぎるんだろうね。
辛すぎる現状から一時でも逃れたくって、酒に手を出したり、処方薬を乱用したり、といった行動に走る人だって少なからずいると思う。


もし、あなたが今、医師の指導も受けずに全くの自己流で薬物を服用し始めていたり、「自殺」という言葉が頭の中に見え隠れしていたり、といった状態であれば、即、本を閉じて(あるいは、webサイトを離れて)、専門のカウンセラーに会い、ちゃんとしたカウンセリングを受けて欲しいんだ。大至急。
治療本やwebサイトの文章では、どれほど熱心に読んでもらったところで、今のあなたに必要な助けは提供してあげられないんだよ。


今のところは特に差し迫って「死にたい」という気分ではないかもしれない。
でも、この辛い時期に、心の専門家からの直接指導を受けることができるのであれば、回復への道を歩む上で非常に頼もしい支えとなってくれるだろう。
心理学者、心理療法家、心理カウンセラーといった心の専門家の力を借りて、人生を立て直すという難事業に成功できた人々は世界中に数多くいるし、これからも一人、また一人...と着実に増え続けていくはずだ。


専門家のほとんどは「人を助けたい」との願いが生まれながらにして人一倍強かったから、心のケアを仕事に選んだ、という人々だ。
たいていの場合、webサイト上にはその人が得意とする分野が明記されているはずだけど、あなたの場合は特に「対人間での虐待行為("relationship abuse")」が専門、と明記している人を選ぶといいよ。
そういう人ならば、こちらからあれこれと説明する必要は無いし、あなたとのセッションはどっしりと腰を据えての長期戦を覚悟しなければならない、ということも一発で理解してくれるはずだから。




心の専門家・療法家の関わり方はその人その人で違うもの。だから、「こうでなければ」「こういうものだ」と一概に決めつけることはできない。
とは言うものの、せっかく縁あって一緒に仕事をするからには、せめて思いやり、親切心、オープンマインド、といった項目では合格最低ラインをクリアするような専門家であって欲しいものだ。


あなたの方が裁きを受けているように感じたり、言いたいことがあっても遠慮して言えなくなったり、というようなことは絶対にあってはならない。
例えば、本やネット上などで、あなたの気持ちを代弁してくれている文章や記事を見つけた時には、それをカウンセリングの場に持ち込んで、話し合いの材料とすることができる。
そんな感じの関係を、心理療法家との間に築いていけたらいいよね。



僕の場合、最初はとにかく「もう死んでしまいたい」の気持ちしか無く、朝ベッドから脱け出すことすらしんどいほどだった。
それが、心理療法家と定期的に会うようになったら、数か月も経たぬうちに元のようにまともに動けて、まともに食べられる生活へと戻ることができたんだよね。


もちろん、まだまだ課題は山積みだし、心の旅路に終わりは無い。
でも、生きる希望を全て失ってしまった当時の僕が再び現実世界へと戻れたのは、ひとえに心理療法家の彼女がいてくれたおかげだよ。
あの時彼女に出会えたおかげで、僕はもう一度、自分の足でもって歩き出すことができた。
自分ではそのように思っている。


時として、人は全てを呑み尽くすような巨大な暗闇に落ち込んでしまい、なかなか外に這い上がれないことがある。
そんな時こそ、背中を押してくれる誰かの力が必要なんだ。


外部の人間に向かって助けを求めるのは、決して恥ずかしいことではない。
思い切って「助けてください」と声を上げてごらんよ。
見も知らない赤の他人が、次から次へと救いの手を差し伸べてくれるのには、きっとあなたもびっくりするんじゃないかな。


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